二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.90 )
日時: 2015/06/13 11:29
名前: マイタケ (ID: uLZUHjzo)  

28話 言葉の意味
結局、円堂は柊の加入を認めた。神童がかすかに嫌そうな顔をしたが決まったものは仕方がない。
「明後日、帝国学園と練習試合を行う!!」
「帝国と!?」
円堂の言葉に、夕葉は驚いた声を上げる。秋空も目を丸くしていた。
「ああ、銀色の悪魔との対決のことを聞いて力になりたいってな」
「そうなんだ…」
天馬が嬉しそうに言う横で、剣城が顔を険しくした。
「…ですが、奴らがまたやってくる日がわかりませんけど…」
流星はあの時、『月が血に染まる時を楽しみにしている』という伝言を残していった。その意味がいまいちよくわからず、剣城は内心苛立っていた。
「確かに、宣戦布告みたいなことをしたけど、よくわからないな…」
車田もそう言うと、全員考え込んだ。
「血は赤だから…赤い月?」
「そこまではわかったが、赤い月なんてあるか?」
「…………ない、かも」
さらに意味が分からず、困惑した。
沈黙が雷門イレブンの間に漂う。それを破ったのは音無だった。
「もしかして…月食のことじゃない?」
全員がハッと息を呑んだ。
「確かにそうですねー」
緊張感の欠片もない声音で柊は相槌を打った。
一週間後の夜は、月食の日だ。テレビでも新聞でも、大騒ぎだった。
しかし雷門イレブンはデーモン・エンジェルのことで手一杯だったのだ。
「なるほどなぁ…」
天馬が納得の声をあげた。
その時、
冷たい風が吹き付けてきた。季節はずれのそれに思わずブルッと身を震わせる。風の中にはどこか懐かしい匂いが混じっていた。が、風はすぐに止まる。
「い、今の…」
「えぇっ!?」
葵の悲鳴のような声が響いた。誰もが怪訝な顔をした。
「葵、どうしたの?」
「て、天馬、その子…」
「その子?」
天馬も他の部員もキョロキョロと辺りを見回した。しかし、誰もいない。
「誰もいないけど…」
「うわぁぁっ!!」
今度は信助が悲鳴をあげた。
「信助!?どうし…………ん?」
神童は目を見開いた。天馬も剣城も霧野も円堂も、雷門イレブンもマネージャーたちも一斉に目を剥いた。
そこには、




————————————————————————————————————小さな、女の子がいた。




しばらく沈黙していた全員は見る間に真っ青になった。







『うわああああぁぁぁあああああぁぁああ!!!!!!!!!』




薫たち曰わく、雷門イレブンの悲鳴は稲妻町の外まで轟いたそうだ。