二次創作小説(紙ほか)
- Re: MAJOR×キン肉マン〜清水大河を巡る決闘〜 ( No.13 )
- 日時: 2015/03/27 21:41
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
人間界に来た私は、物珍しさに興奮を隠せなかった。
数十億年ぶりの外出、それも久々の人間界ということに加え、今まで行ったことのない国である日本というだけあって、到着した瞬間から、歓喜余っていた。
サイコマンがいるという神奈川県という地方に来てはみたが、奴はどこにいるのだろうか?
それにしても、高層ビル群に街ゆく人々、そして学校へ向かう子供達……この素晴らしき世界の秩序を維持する役目である完璧始祖になって、本当によかった。
ふと、前方を見てみると、食パンを加えながら走っている男子高校生がいた。背丈は私と同等程度あり、少年にしては背が高く、日焼けした肌は外のスポーツをしている証拠だ。けれど、左右を確認せずに前方だけを見て走るのはよくない。
このまま走ると車に惹かれてしまうことも考えられる。
ここは素直に彼の進行を阻んだ方がいいだろう。
「止まれーい! そこの少年!」
「あぶねぇ、変な着ぐるみきたおっさん、どいてくれーっ」
「テハハハハハハ……そうはいかんよ。私がどいたらお前は前方不注意で車に刎ねられる可能性が出てくるからなぁ」
「あぶねーっ」
バァンッ!
少年は慌てふためいた顔をしながら私に正面衝突した。
バウンッ!
案の定、彼の体当たりの衝撃は私の緩衝材ボディに吸収され、そのまま彼を跳ね返してしまった。少年は盛大に吹き飛ばされ、尻餅をついて倒れた。
「なんだぁ、今のは!?」
「テハハハハハハ……少年、時間はたっぷりある。そう急ぐ事はない。お前の人生はこれからなんだから、ゆっくり行動してもよいではないか」
「あのなぁ、俺は早く学校にいかねーと、朝練に間に合わなくなっちまうんだよっ」
「朝練? ラジオ体操でもするのか?」
「ちげーよ。野球だよ、野球!」
彼の持ち物を見てみると白い球とミットが入っていた。
どうやら冗談ではないらしい。
「そうか。それは悪いことをしたな」
「謝らなくていいから、そこをどいてくれねーかな。着ぐるみのおっさん」
「テハハハハハハ……面白い奴だなぁ〜。よろしい、この私が力を貸してやろう」
「助けなんていらねーよ、俺ひとりで行けるし」
「そうかそうか、ではひとりで行くがいい。私は完璧始祖伍式ペインマン、お前の名はなんという?」
「重野吾郎だ。じゃーな、おっさん」
少年は明るく手で会釈をして去って行った。
「シゲ=ノゴローか。よい名だ」