二次創作小説(紙ほか)
- Re: MAJOR×キン肉マン〜清水大河を巡る決闘〜 ( No.2 )
- 日時: 2015/03/27 20:53
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
野球部の練習が終わり、俺は帰路についていた。
一緒に下校する友人はいない。
俺の通っている聖秀高校は、元女子高だけあって男子の人数が圧倒的に少ない。
それに、友達なんて欲しいとはいるだけ面倒臭いし欲しいとは思わない。自動販売機でジュースを買って歩いていると、少し先の蛍光灯の真下に誰かがいるのに気づいた。こんなところで一体何をしているんだろうか。時間帯だけに姉貴や母さん達が心配するだろうとも考えたが、ほんの1、2分程度だし、問題はないだろう。
楽観してその人物の近くに足を進めた俺は、ぎょっとして思わず目を見開いた。ピエロを彷彿とさせる白いメイクの顔に真っ赤な唇、白い帽子と白装束に身を包んだ2メートル以上の背丈を持つ怪しい男が寂しそうな顔で佇んでいたからである。
そのおっさんは俺を横目で見て、ニイィと不気味な笑みを浮かべた。
「……何か僕に用でもあるんすか、おっさん」
「あなた、可愛い顔していますねぇ、ニャガニャガ」
か、可愛い!?
俺は男だぞ、それにそのニャガニャガって何だ。笑い声かよ。
すると彼は恭しくお辞儀をして、言った。
「申し遅れましたね、下等生物人間の男の子、私は完璧始祖(パーフェクトオリジンテンス)サイコマンと言います。以後、お見知りおきを」
「あんた、頭かどっかでも打ったんすか?」
「あなた、この私にそんな生意気な口利くとは面白いですねぇ」
「いや、面白いも何もないっすよ。完璧なんとかかんとかってよくわかんないんすけど、早く家に帰ったほうがいいっすよ、それじゃ」
このおっさんは明らかに危ない匂いがする。
直感でそれを感じ取った俺は踵を返して帰り道を急ごうとした。
が、おっさんは信じられないほどの握力で俺の服を掴んで離さない。
「お待ちなさい。私に接近したのはあなたの方ですよ。自分から近づいて勝手に離れていくだなんて、あまりにも身勝手じゃありませんか?」
相手の意外な正論に、思わず黙ってしまい、抵抗しようとする足を止める。そして彼は先ほどより優しく俺の肩に触れ、告げた。
「あなたに折り入ってお願いがあるのですが……」
「なんすか」
「実は私道に迷ってしまいまして、もしよろしければ——」
「道案内ならごめんですよ。他の人に頼んでください」
「——あなたの家に泊めてほしいのです」
「は!?」