二次創作小説(紙ほか)
- Re: MAJOR×キン肉マン〜清水大河を巡る決闘〜 ( No.20 )
- 日時: 2015/03/28 20:58
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「何ッ、ガンマンとシングマンが始祖の門を抜け、人間界へ行っただと!?」
寝起きの私に告げられたのは、またも頭が痛くなるような話であった。
「すまない、ジャスティス」
無表情ながらも、すまなそうに頭を下げるミラージュ。
彼はふたりを信用した上でほんの僅かな時間だけ、始祖の門を離れたのだ。したがって、責任はない。
だが、問題なのはシングとガンマンのふたり。
いや、この場合は、シングはガンマンの口車に乗せられたか何かでついていっただけだろう。
と、すると事を更に大きくしたのはガンマンということになる。
ペインマンとも連絡が取れないというし、どうすればいいだろうか。
顎に手を当て思案する。
どうにかして、始祖達をここへ上手く連れてくる方法はないだろうか。
何しろこのまま放っておけば、異世界の人間界の理が崩壊し、大変なことになるだろう。そうなるまえに、対策を取らねばならない。
ことは一刻を争う。
こうなれば、仕方がない。
私は、今だ目立った行動を起こしていないカラスマンの部屋に行き、ドアを叩く。
「誰だ?」
「私だ、久式(ナインス)」
「カララ、陸式か。お前ともあろうものがこの私の部屋に訊ねてくるとは、どういう風の吹き回しか……」
「お前に頼みがある」
「却下だ」
「まだ用件さえ言っていないぞ!?」
すると、扉の向こう側から声が帰ってきた。
「言わなくてもお前の考えぐらい読めるのでな。大方、私に始祖共を連れ戻しにいけとでもいうのだろう」
「——正解だな、さすがは久式」
「お前に褒めらても嬉しくはない。だが、もしどうしてもというのであれば、ひとつ条件がある」
「条件? なんだ、大抵のことなら飲んでやる」
「よろしい、それならば、条件を言おう。これからは私が可愛がっているカラスのネバーとモアも会議の時に同席することを許可することだ」
「……いいだろう」
正直、彼のカラス好きには若干引き気味ではあったが、事態が事態なだけに仕方がない。それぐらいの条件で始祖が帰ってくるのならば安い。
「カララララ、言ったな。今の言葉テープレコーダーに録音しておいたからな。言った覚えはないなどというセリフはなしだ」
なんという抜け目のない男だ。こやつの先読みと洞察力には、同じ始祖でありながら、脱帽するしかない。
「では、始祖達を連れ戻しに行くとするとしよう。カラ〜ッ!」