二次創作小説(紙ほか)

Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.12 )
日時: 2015/03/30 12:02
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

わたしたちは、カオルンの家にあるパソコンで完璧始祖に関する情報を集めた。わたしにとっては結構な量だったけど、大好きな家とジンベーを取り返すために、一生懸命読む。けれど、だんだん瞼が重くなってきちゃった……

「ふああ」

思わず欠伸が出てしまう。
すると、隣にいたゲンパチが言った。

「サトミ、きみは闘わなくていいぞ」
「えっ?」
「たった今奴らから連絡が入ったんだが、闘うのはぼく達6人だけでいいらしい。したがってサトミ、きみはぼく達の闘いを見学していてくれ」

このとき、内心ほっとしたのは自分だけの秘密。
だって、あんな超人達と闘うなんて、想像するだけで恐ろしいもん。
でも、他のみんなは、彼らと闘う決意を固めている。
一番意外だったのは、ケノだ。
彼は少し前まで暗くなって泣いていたけど、仲良しのシノが彼に寄り添って『あなた』を歌ってあげると、勇気が出てきたのか、「大好きなジンベーを助けるために、出来る事をやる」って言って、涙を拭いて立ち上がった。
なんか、カッコイいい……

「サトミ、どうかしたか?」
「ううん、なんでもないっ」

ミッチーが訊ねたので、わたしは慌てて手を振ってごまかす。
わたしたち7人は、決意を胸に、明日に備えてたっぷり睡眠を取ることにした。



そして翌日。
ブンゴ、ゲンパチ、ミッチー、わたし、ソウスケ、ケノの7人は元『里見家』の前にやって来た。代表で、ゲンパチがドアを叩く。すると、中から声がした。

「ニャガニャガ、お待ちしていましたよーっ」

ドアが開いたかと思うと、わたしたちはまるでブラックホールのような紫色の空間に吸い込まれ、離れ離れになってしまった。



ドスンッ!

いたたたた……
変な空間から抜け出したわたしは、ストンと地面に落ちて尻餅をついた。周りを見渡してみると、なんだか競技場みたいな場所にいることがわかる。

「ここは、どこなんだろう?」
「ゴハゴハッ、ここは国立競技場だ」

後ろから声がしたので振り向くと、そこにはミラージュマンさんと、もうひとり、秤で塩と砂糖を測っていた超人がいた。
え、でも待って、ふたりがいるってことは、もしかしわたしがふたりと闘うのー!?

「無理無理無理無理無理、ぜーったいに無理です!」
「ゴハゴハッ、案ずるな。サトミ、お前は私達と一緒に観戦するんだ」
「えっ?」
「ミラージュマンの言う通り。私達は闘う相手がいないので、観客に回ることにした」

なんだぁ、よかったぁ。
ふたりはわたしをグラウンドがよく見える席に案内し、腰かけさせると、私の右側と左側に腰かけた。うーっ、超人ふたりに挟まれているのって、なんというか威圧感が凄い……

「サトミ、アレを見ろ」

ジャスティスマンさん(さっき聞いた)が指さした方向には、巨大なオーロラビジョンが設置されている。そこに映っていたのは、6つの異なる場所に設置されたリングと、始祖、そして彼らと対峙する6男子達の姿だった。