二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.13 )
- 日時: 2015/03/30 15:05
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
オレが異空間から脱出してみると、出てきたところは異様な雰囲気の漂う場所だった。冷たい空気に、岩だらけの乾燥地帯で、生えている木も枯れている。
ここは、一体どこなんだ。
しばらく歩くと、光が見えてきた。
その光に導かれるように足を進めていくと、その光の正体は赤々と燃える松明で、白いリングを照らしていた。そのリング立っているのは、屈強な体格に七枝刀のような突起を右肩につけ、顔の下半分をマスクで覆った超人だった。奴は俺の姿を強面の目つきで睨み、口を開いた。
「お前が、山下ブンゴか」
「……てめぇは、昨日ソファに陣取ってやがった野郎か」
「モガモガッ、ちげえねぇ。いかにも、オレは完璧四式ことアビスマン様よ」
「アビスマン、てめーはオレが相手だ! てめぇをブッ倒して、オレ達の家を取り戻してやるぜ」
「威勢だけはいいじゃねぇか、坊主。だがな、このオレとリングの上で闘うってことは、命の保証はねぇってことだ。お前はそれをちゃんと理解しているんだろうな?」
「へっ、命の保証? オレは生憎学校1の元不良だ。そんな言葉は慣れっこなんだよ」
「そうか、ではリングに上がってくるがいいーっ」
「言われるまでもねぇ!」
リングのロープを飛び越え、四角いマットの中に入る。
「さ、早くゴングって奴を鳴らしてもらおうじゃねぇか」
「坊主、オレ達の闘いにゴングは必要ないーっ!」
アビスマンはいきなり、オレ目がけてタックルを放ってきた。
すかさすオレもロープに飛び、その反動を利用して奴に飛びかかる。
「モガァッ」
奴はまるで重戦車のようなとんでもないパワーでオレのタックルを押しのけ、そこから逆水平チョップを見舞ってくる。
オレの倍はあるかと思うその手から繰り出される手刀の威力は半端なものではなく、1撃食らうだけで意識が飛んで行きそうな感覚に陥る。
「どうした坊主、これぐらいでおねんねか?」
「元不良を舐めてんじゃねぇぞっ」
拳を固めてアビスマンの甲板にパンチを打ちだす。
けれど、いくらパンチを食らわしても、奴は倒れるどころかよろめきさえ見せない。
「坊主、お前はどうやらパンチの打ち方を誰からも学んでねぇようだなぁ!」
鉄球のような重みを持つパンチが、俺の頬に当たった。
体が無意識のうちに、よろめき、倒れないと踏ん張るために、咄嗟にロープを掴む。
口が切れたのか、白いマットがオレの流す赤い血で真っ赤に染まっていく。奴の猛攻を受け続けたオレは、ロープを握る力も失い、ついにマットに倒れ伏した。
やべぇな……コイツ、オレが喧嘩してきた相手とは比べ物にならねぇぐらい強ええ……!
「モガモガ、やはり威勢がいいのは最初だけだったようだなーっ」
アビスはオレの服を掴んで無理やり立ちあがらせたかと思うと、まるで風船を相手にしているかのようにオレを宙に放り投げ、右肩の突起をギラつかせ、上昇してきた。
「グレイブヤードタックルーッ!」