二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.15 )
- 日時: 2015/03/31 05:46
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ぼくとシノくんは、ふたり一緒に白いリングの上にいた。
上を見上げると、雲一つない青くて綺麗な空が広がっている。
「ケノくん、下を見てください!」
シノくんに言われてリングの下を見て驚いた。
だって、下は暗くて深い谷底になっていたから。
「ここ、どこなんだろうね……」
「さあ……ボクにもちょっとわかりません」
ふたりで考えていると、どこからか陽気でおかしな笑い声が聞こえてきた。
「テハハハハハハ! 少年達よ、お前達の立っているその場所は、アメリカはグランドキャニオンだぞぉ〜」
「「グランドキャニオン!?」」
そういえば、聞いたことがある。
アメリカにはとっても深い谷底があるってお話を。
「もしかして、この場所で闘うのー?」
手を口に当ててメガホンの代わりにして、声が聞こえた方向に疑問を投げかけた。
「その通りだ。よく気づいたな。ここで、お前達ふたりと我々が拳を交えるのだ〜、テハハハハハハ!」
「「我々?」」
またぼくとシノくんの声がデュエットした。
ぼくたちって本当に仲がいい。
「ギラギラ、そうだ。我々だ」
別の声がしたかと思うと、いきなりシノくんが、「危ないっ」と言ってぼくを押しのけた。なんだろうと思っていると、空から銀色の金属の塊のようなものが落ちてきた。
だけど、よく見るとそれは隕石なんかじゃなくて、人の形をしていた。
吊り上がった瞳とダイヤ型の口、膨らんだ肩が特徴的ですごく大きい。
どうみても3メートル以上ある。
「ギラギラ、私は完璧捌式シングマン! ペインマンと共にお前達と対決する。覚悟するがいい」
彼が自己紹介をした後に、コーナーポストにスタッと着地したのは、全身がイボイボに覆われた、昨日ぼくたちにアクロバットを見せてくれた超人さんだった。
「テハハハハハハ!私は完璧伍式ペインマン。お前達との対戦、楽しみにしていたぞぉ」
ふたりは、ぼくたちと少し間をとって、ファイティングポーズをする。
でも、やっぱり闘わなくちゃいけないのかな。
ぼくは、できればふたりと闘いたくない。
第一印象で判断するのはどうかと思うけど、悪い超人さん達に見えないもの。そう彼らに告げると、ふたりは笑って、
「それは嬉しい! 凄く嬉しいぞぉ、犬坂ケノ!テハハハハハハ……」
「ぼくの名前、知っているの!?」
「無論、知っている。お前が女の子に絶大な人気を誇るカリスマモデルだってことも、動物が大好きってこともなぁ〜!」
なんだか、自分のことに詳しい人に会うのは恥ずかしい。
少し顔を赤らめていると、ペインマンさんの隣にいたシングマンさんが、不意に瞳に力を入れてぼく達を睨んだ。
「闘いたくなければ、それでも構わない。だがその代わり、お前の大好きなコアラのジンベーは帰ってこない」
「えっ——」