二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.23 )
- 日時: 2015/03/31 07:03
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ブンゴの試合が終わって、少しほっとしていると、今度はアメリカのグランドキャニオンに設置されているリングに動きが見られた。
って、このリング僅かなロープで固定されているだけで、今にも落下しそうで超怖いよー!
でも、そこにいるふたりの男子、シノとケノは気づいていないみたい。
多分、今自分たちの状況に気づいたら、絶対ケノは泣くと思うし、シノは慌てふためくと思う。そんなことを考えていると、彼らの対戦相手が現れた。ひとりは、全身にイボ……じゃなくてエアバッグのついた超人ペインマン。彼は昨日わたしたちを曲芸で楽しませてくれたから、なんだか親しみが持てる。顔のど真ん中にも大きなエアバックがついているから目はないように見えるけど、その口元には優しそうな笑みを浮かべている。というより、さっきからずっと「テハハハハハハ」って笑いっぱなしなんだけど、いくらなんでも陽気すぎない?
もうひとりの超人さんはペインマンの倍以上の身長があって、冷たい銀色の金属ボディと吊り上がった瞳、ダイヤ型のおちょぼ口が特徴の超人、シングマン。シングって確か『歌う』って意味があるけど、あの外見で歌うなんて、想像するとちょっと笑っちゃう。
シノとケノ、ペインマンとシングマンのコンビのタッグマッチか〜。
シノとケノは可愛いし、敵側のふたりもなんだかゆるキャラみたいな見た目でとても強そうに見えない。もちろん、体格の方はあっちの方が勝っているけれど、なんだかシノとケノの方が有利に見える。
「お前は、本当にそう思うのか?」
アビスマンとブンゴの試合が終わってから一言も口を利いていなかったジャスティスマンが言った。
「そりゃそうだよ。だってあのふたり、弱そうだもん」
すると彼は脳みそのようなものが浮き出ているちょっとキモイ頭部を抑え、
「やはり、人間と言うのは外見で相手を判断するから困る」
「えっ? 違うの?」
「……はっきり言って、これがまだアビスマンとガンマンのタッグだったら、彼らに勝ち目はあったかもしれない。だが、よりによってあのペインとシングのタッグでは、残念ながらお前の仲間である、犬塚シノと犬坂ケノが勝てる可能性はゼロだ」
ぜ、ゼロ〜!?
「どうしてよ!?」
わたし、つい興奮しちゃって彼の肩を揺すってその理由を聞こうとする。彼はポーカーフェイスでわたしの両手を肩から離し、こう告げた。
「どんな超人も攻撃が通用すれば勝てる見込みがある。だが、ペインとシングの場合、一切の攻撃を無効化してしまう。つまり、彼らに勝ち目は無い!」