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二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.33 )
- 日時: 2015/04/01 08:00
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「へやにはぁ、ふるいぃ、だんろがあるのよぉ」
「シング=デモリッションウェーブ! マッ!」
衝撃波と音波が激突する。
シノが歌っているのは、もう何回聴いたのかわからないぐらい聴いている彼の十八番、『あなた』。シノはこの曲にある通りの家を忠実に再現しようとして、日々がんばっているんだけど、わたしからすると、ありがた迷惑にしか見えない。
シノはいつものように大声を張り上げて熱唱している。対するシングマンはずっと腕を交差させて衝撃波を発生させ続けている。
って、シングマンっていう割には歌ってないじゃん!
なんか、軽く肩透かしされたみたい。
ちょっと不満だけど、勝負自体は今のところ互角。
シノは周りの状況を気にすることなく魂を込めて熱唱している。
そして、ついにサビに突入した。
「こいぬのよこにはぁ、あなた……あなた……あなたがいてほしぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!」
「ギ、ギラッ……!私のデモリッションウェーブが押されている!?」
シングマンは相手の熱唱の威力に冷や汗を流して動揺している。
しかもよく見ると、姿勢が傾いてきて、今にもコーナーポストから落ちてしまいそう。
実際、落ちた。シノの下手で暑苦しい歌に圧倒された彼は根負けし、ぐらりと体が大きく後ろに反れたかと思うと、深い深い谷底に真っ逆さまに落ちて行き、あっという間に見えなくなってしまった。
つまり、コレは——
「やりました、サトミさま、ボクの勝利ですっ」
暑苦しい顔で勝利宣言をするシノ。
内容はともかく、シングマン対シノの対決はシノが制した。
◯犬塚シノVS完璧捌式シングマン●
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