二次創作小説(紙ほか)

Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.46 )
日時: 2015/04/02 09:58
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ケノが負けた。
この1敗が、残るオレ達の闘いに影響を与えたことは間違いない。
彼は自分の持てる全力を出し切って善戦した。だけど、敵はそれ以上の力でねじ伏せてしまったのだ。彼がリングに倒れたのを見たオレは、今対峙している敵達の底知れぬ実力に戦慄を覚えた。これが、超人レスリングの厳しさなのか……!

「シャバババババ〜、ド下等はド下等らしく無様に敗北すればそれでいいのだーっ」

オレの対戦相手の漆式ガンマンは、化け物だった。
彼は、1回攻撃をすると10回以上の猛攻撃が返ってくるという、まさに「倍返し」のような男だ。しかもその体格はさっきシノが闘っていたシングマンと勝るとも劣らない巨体。
それだけではなく、数億年単位というケタ違いに高度な未来視ができる真眼(サイクロプス)によって、細かい息遣いや筋肉の動きを読み取り、こちらが行動に移すよりも早く回避することができる。オレ、犬川ソウスケの勝算は、間違いなくケノが闘ったペインマンより薄いだろう。

「犬川ソウスケとかいう人間よーっ! 私はなぁー、お前のようなイケメンが大嫌いなのだーっ!!」

顔がグシャグシャに砕けそうなほどの肘打ちで吹き飛ばされ、追い打ちの膝蹴りを食らい前に倒れかけると、さらに続けて片手でオレを担ぎ上げてコーナーに放り投げた。

「多少顔立ちが整っているというだけで、調子に乗ったド下等……それがお前ら6男子の正体なのだーっ!!」

彼は飛び上がり、立ち上がろうとするオレに容赦ないニードロップを敢行した。背中に激痛が走り、口からは今まで吐いたことがない血が噴き出す。

「女みたいに髪を伸ばしおって〜、このド下等がぁ!!」

髪を物凄い力で引っ張られ、強引に立ちあがらせられる。
ガンマンはそのひとつ目にヘラジカのような角のついた顔をぐっと近づけ、大声を張り上げる。

「私はお前達のような『イケメン』を数億年に渡り危険視してきた。なぜだかわかるか?
それはなぁ、お前達が『イレギュラー』だからだーッ!!」
「イレギュラー?」
「そうだ。人間界に稀に現れるのだ……ド下等の癖にその力を大きく超えた奴が!
それを私はイレギュラーと呼んでいる! 容姿に恵まれ、才能に恵まれた奴らはその力を過信し身勝手に振る舞いこの世の理を乱し、ときとして嫉妬や憎悪の原因にさえなるのだーっ!!」

彼の言っている事は正直あまりよくわからなかったため、思わずこんな言葉を返した。

「ハハッ……冗談だろ?」
「私はなぁ、お前と同じで嘘が大嫌いなのだーっ」

強力な頭突きを受けたたため、額から流血する。
彼はそのままそのグローブみたいな大きな右手でオレの顔面を掴み、そのままリフトアップしていく。

「お前のその自慢の顔をトマトのようにグシャグシャに握り潰してやるわーッ!! 」