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わたし達は、ミラージュマンさんによって強引に家から追い出されてしまった。ケノは暴れたり彼の腕に噛みついたりして必死に抵抗したけど、それも虚しく大好きなジンベーを奪われてしまった。

「ジンベーを返してよぉ！」

彼は泣きながらドンドンと扉を叩くが、開けてくれる気配はない。

「ケノ」

ゲンパチが優しく彼の肩に手を置き、冷静に告げる。

「今ここで体力を使ったら、彼らからジンベーを奪い返せなくなる。ここは一旦引いて、作戦を立ててから、彼らに挑もう」
「で、でも——」

少しためらっていたケノだったけど、彼の言葉を信じてドアから身を引いた。家から少し離れたところで、わたしは前を歩くゲンパチに訊ねる。

「……これから、どうする？」
「まずは、カオルンの家に泊めてもらうように頼み込んで、それからパソコンで奴らについての情報を徹底的に集める。そして——」
「そして？」
「ぼくたちの家とジンベーを取り返す」