二次創作小説(紙ほか)
- Re: 暗殺教室 〜復讐の暗殺者〜(オリキャラ有り) ( No.94 )
- 日時: 2017/05/14 13:20
- 名前: 蒼衣 ◆mWmyLN68N. (ID: F1WKsNfT)
カルマside
カルマは、翡翠の言葉と同時に目の光が変わったことを感じていた。自分が上だと言わんばかりの口調、その表情から相手の殺し屋としてのプライド、自信が見て取れた。
相手の殺気が高まると同時に、渚も、周りの人々もさらに緊張感が増したのを感じ、体が力んでいる中、カルマは思いの外冷静だった。
カ(相手がやばいっていうのは感じてるけど、思いの外冷静に頭が回る…。俺の経験の証ってことかなぁ。)
チラリと隣を見る。渚の頬には冷や汗のようなものが流れている。
殺し屋独特のプレッシャー。一般人なら腰が抜けて逃げ出す人もいるとも思える殺気。
感情的に怒り狂い、燃え盛る炎のようなものではなく、嫉妬に狂った狂気的なものでもなく、知的に、あくまでも冷静に相手を捉え、研ぎ澄まされた刃のような殺気。
周りでも殺気を感じることはあるが、実際に対峙している相手のものとなると別格である。
これをうけて、たとえE組の生徒であろうとも、中学生が冷や汗一つ流さないというのは流石に無理がある。
カ「渚君」
渚「…?」
カ「ビビってる場合じゃないよ、調子乗られる前に相手の出鼻挫くには渚君の協力が不可欠なんだから。」
渚「!…うん!」
カ(さて、相手に真正面から突っ込んでも敵わないし…)
カ「渚君、ナイフ。」
渚「…使うの?」
カ「まあ、多分使わなきゃ無理だね。」
渚「了解。共倒れしないように気をつけるよ。」
カ「そんじゃ…!」
カルマが翡翠に向かって蹴り出す。それと同時に翡翠も蹴り出し、二人の間が一気に詰められる。
カ「っ!」
翡翠の少し前で斜め前に蹴りだし、翡翠の横に出るような形で斬りかかる。
が、これは当たり前のように防がれる。
その隙に渚が死角から斬りかかる。
これも、もう一方の手で防がれる。
三者が硬直状態となるが、渚とカルマがほぼ同じタイミングで距離をとった。
カ「渚君、次、仕掛けて…。」
カルマがそう小さく呟くと、渚は小さくコクリと頷き了解の意を示した。
先ほどと同じように二人同時に翡翠に飛びかかる。しかし、硬直状態になることはなく二人交互に翡翠に攻撃を仕掛け、翡翠がさばき続けている状態になっていた。
カ(相手にまずいと思わせられる一瞬を作れたら…!)
渚(カルマ君に注意を引き付けられれば…)
規則正しいリズムで続けられていた二人の攻撃だったが、仕掛けるように渚が半歩分だけ攻撃の速度を速め、続くカルマの攻撃は大幅に速いタイミングで繰り出された。
翡「っ…!」
その瞬間二人の中間を保っていた翡翠が、カルマの方に少しだけ近づき、翡翠の意識がカルマへと向けられた。
カルマはニヤリと口元に笑みを浮かべ、翡翠がハッとしたように少し目を見開くと同時に、翡翠の視界の隅へと消えていた渚のナイフが翡翠に迫っていた。
翡「しまっ…!?」
渚「ハアッ!」
タイミングをずらし、翡翠の注意を引き付けた上で繰り出される渾身の一撃。
しかし、翡翠の防御体制に入る速さはとても素早く、自分の急所を外すようにする洗礼された動きだった。惜しくも渚の攻撃は翡翠によって防がれる。
…はずだった。
パンッ!!
迫ってきていたはずのナイフは翡翠に届く前に空中に放り出され、渚の手の中には収まって居なかった。代わりに渚の手から繰り出されたのは軽い衝撃。
カ(…決まった)
渚お得意の猫騙し。
渾身の一撃が決まった渚は少しホッとした表情を見せた。
これが決まればたとえプロの殺し屋でもただでは済まないだろう…
現に目の前にいる翡翠は隙を突かれ、重心が後ろに傾き、倒れる寸前だった。
渚(今がチャンス…!ここで決められれば…)
最後の一手を決めるため、渚とカルマが同じタイミングで駆け出す。
翡「…ック」
渚・カ「!?」
翡「…ここで、簡単に負けてたまるかよ…!」
完全に倒れる寸前だった相手が、最後の力を振り絞って攻撃体制に持ち直したのだ。
完全に最後の一手を決めるため、攻撃体制に入っていたカルマは焦る。
攻撃体制=守りが手薄になっている今、相手の攻撃と自分達の攻撃がぶつかればどちらが押し負けるのかは正直今の状態では五分五分である。
カ(しまった…!確実に相手に決められるわけじゃ無い…賭けが強すぎる)
双方の攻撃がぶつかるその直前
バンッ!!
辺り一帯に銃声が鳴り響いた。