二次創作小説(紙ほか)

Re: トーマの心臓 天使は悪魔を愛するか ( No.1 )
日時: 2015/08/03 21:31
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ぼくはこの半年の間

ずっと考えていた

ぼくの生と死と

ひとりの友人について

ぼくは成熟しただけの子どもだということは

じゅうぶんわかっているし

だからこそこの少年の時の愛が

なにか透明なものへ向かって

(性もなく正体もわからない)

投げ出されるのだということも知っている

これは単純なカケなぞじゃない

それからぼくがユーリを愛したことが

問題なのじゃない

彼がぼくを愛さねばならないのだ

どうしても

彼を生かすためならば

ぼくは自分の体が打ち砕かれるのなんか

なんとも思わない

そしてぼくは生きている

彼の目の上に





あの日

ぼくは一枚の紙に

恋文を書いた

心を閉ざしたひとりの友人

ひとつ年上の学級委員長に

ぼくは彼を愛してる

心の底から

今の彼は皆に心を閉ざしている

それはなぜだかわからない

けれどこれだけはわかる

彼から笑顔が消えた

あの明るい笑顔が

決して自惚れはないけれど

彼の心に光を取り戻せるのは

ぼくしかいない

ユーリが昔みたいに

笑顔をみんなに見せてくれるのなら

ぼくの命がどうなったって構わない

彼が天使の羽を取り戻せるのなら

ユリスモール

ユリスモール

これがぼくの愛

これがぼくの心臓の音

きみにはわかっているはず