二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.364 )
- 日時: 2016/02/16 17:23
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
サト8〜バレンタインで大失敗!?〜
こんにちは!里見サトミです!
今あたしは、カオルンと一緒にバレンタインのチョコを作ってます!
だけど………
「サトミちゃん!何をぼーっとしてるの!さっさと手を動かさないと、チョコがとけちゃうよお〜!」
「はいはーい!今動かしますから〜!」
……あたしは不器用なので、またチョコを作るのに失敗しそうになっています……
「サトミちゃん!これで三回目!三度目の正直って言うから、これはしっかり成功させるよ〜!」
「うん!!もちろん!!」
今カオルンが言ってた通り、このチョコを作るのは三回目です……さすがに疲れてきた……
カオルンと話し合った結果、今回のバレンタインは、チョコのカップケーキにしようってことになって、カオルンに手伝ってもらって、一緒に作ってるんだよね。
だから、手伝ってもらってるカオルンには、本当に感謝してる。
そして、そんなこんなで………
〜数十分後〜
「「……できた〜〜〜〜!!」」
ついに生地が完成!!あとは、オーブンに入れて焼くだけ!
「サトミちゃん!やっとできたねぇ〜!」
「うん!ほんとに!よかった〜…!」
「うまく焼けてるといいね〜!」
うん!
「出来上がりが楽しみ!」
このバレンタインであげる人はもう決まってる。カオルンはもちろん、あとリレンにも渡したいし、あと瞬煉くんにも渡そうかな!それから、8男子にも絶対あげるよ!だからこそ、たくさん作ったんだよ!もちろん、男子たちはこの事は知らない。だからその分、驚かせてあげようかな〜なんてことになったんだ。
「…みんな、喜んでくれるかな…」
「大丈夫!サトミちゃんとあたしが一緒に、ラブをこめて作ったんだから!みんな喜んでくれるよぉ〜!」
『ラブをこめて』は言い過ぎだと思うけど…でも、そうだよね!一生懸命作ったんだし!喜んでくれるよね!!
「うまく焼きあがってますように……!」
〜そして、さらに数十分後〜
……ピー、ピー、ピー、ピー!!
どうやら、焼きあがったみたい!
「どれどれ……」
オーブンをあけると……
「わぁー!うまくいった!」
「うまくいってよかったね〜!サトミちゃん!」
うん!うまく焼きあがってるね!
ちょっと一安心!
「カオルンのおかげだよ!ありがとう!」
「これは、あたしだけのおかげじゃないよぉ〜!サトミちゃんだって、一生懸命頑張ったんだから!その結果が、うまくでてくれたんだよ〜!」
カオルン………!
「カオル〜ンホントにありがとう〜!」
「えへへ〜!どういたしまして〜!」
ということで、見事に、カップケーキはうまく焼けました!
そのあとも、カオルンはラッピングも手伝ってくれたりして、ほんっとうにありがたかった!
ちなみにこの日はバレンタインの前日。今日は土曜日。明日の日曜日がバレンタイン。
明日が楽しみだな〜!
本当にみんな喜んでくれるといいな!
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.365 )
- 日時: 2016/02/16 17:54
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
〜夕方〜
チョコを作ってたっていうのもあって、男子たちにはあたしの方から色々理由をつけて、外出してもらってたんだ。
でも、さすがに夕方になってきたので、男子たちも帰ってきた。
「ただいま戻りました〜」
「ただいま、かも!」
「帰ってきたぞ〜!」
「グム、グム」
「ただいま戻ったでござるよ」
「……ただいま戻った」
「ただいま〜サットミ〜!」
「………………ただいま」
ほら!みんな帰ってきた!でも、中でも一番元気がないのは、ブンゴ……?
「みんなおかえり!……てかブンゴ、大丈夫……?」
「……この状況下で、元気あるって思うかよ……」
いや。思わないね。
「コブンゴちゃんてば、おれと一緒に買い物してたら、運悪く学校の後輩や同級生の女子に会っちゃってね〜、そんでチョコをどっさりもらったってわけ」
……あぁ〜、いかにもたくさんもらいそう……ただでさえブンゴモテるし。
「もちろん、おれももらっちゃったんだよね〜!」
……ああ。ソウスケもモテるし、もらうよねそりゃ。
「………でも今日じゃなくて、バレンタイン、明日だよね?」
あたしが聞くと、ソウスケはうなずいた。
「それはそうなんだけど、どうやら女子たち、明日渡すんじゃなくて、作りたてをあげたかったんだと」
……へえ〜。なんかこだわりがあるんだね。
「おれとブンゴ以外にも、ここにいる人全員、5個以上はチョコもらってるんだよ」
ソウスケはスラスラと話す。
「……えっ、みんな今日チョコもらってるの!?」
しかも、5個以上!?
「…じ、じゃあ、ブンゴはちなみに何個……!?」
「こいつは、全部で80個もらってる。今日だけでね」
…………80、個……………そんなにもらってるんですか、ブンゴは………
「………いやあ〜!モテる男はつらいねえ!ブンゴくん?」
「……これで明日も、もしもらったら、オレどうなんだよ………」
ブンゴ、疲れてる。そりゃそうか。
「___正直言って、もうチョコはもらいたくねーわ……」
…………え。
……今、チョコはもうもらいたくないって言った?
……じゃあ、チョコ、あたし渡さない方がいいってこと………?
ブンゴはぐったりしながら、リビングに言った。この場には、あたしとソウスケしか残ってない。
「サトミ?どうかした?」
「え?あ、ううん!なんでもない!ほら、そんなことより、夕飯!夕飯の準備しないと!ね!」
「ああ、うん……」
___この時点で、ソウスケだけが気づいた。サトミとブンゴの間に、小さな誤解が生まれたことに。
このあと、一体二人はどうなるのか。
サトミはこのままチョコを渡さないのか。
___それは、また次回のお話。
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.366 )
- 日時: 2016/02/17 16:02
- 名前: ギューバッド ◆eKElPN2Llw (ID: ltRlmf2I)
渡して!!渡して!!おい、ブンゴ、サトミちゃんに余計な事いうんじゃねーよ!!おらおらおら〜
...長文失礼しました。
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.367 )
- 日時: 2016/02/17 22:05
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
ギューバッド!来てくれてありがとう!更新頑張るよ!
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.368 )
- 日時: 2016/02/20 15:12
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
〜そして、バレンタイン当日〜
___ピンポーン___
あたしがリビングにおりてきたところに、ちょうどドアのベルが鳴った。
シノが開けてくれようとしたけど、
「いいよシノ。あたしがでるから」
あたしはそう言って、玄関のドアに手をかけた。
ガチャ……
「は〜い……どちら様〜……?」
「おはよう!サトミちゃん!」
でたらカオルンがいた。しかも、なぜか制服で。
「おはようカオルン。…ていうか、なんで制服……?」
あたしがきくと、カオルンは次の瞬間、とてもビックリすることを言い出した。
「あれ〜?サトミちゃん、今日は登校日だよ〜?もしかして、忘れてたぁ〜?」
…………えっ。今日って、登校日だったっけ………!?
「そうだよ〜?今日は日曜参観日だよぉ!」
……………………うっそーーーー!!
聞いてないよそれ!!
「え〜?でもぉ、金曜日に先生、日曜は学校あるよって、言ってたよ〜?」
………そうだっけ。………でも待て。
確かに先生が、それらしきことを言ってたような………!?
「もうすぐ学校始まるよ〜?急がなくて大丈夫〜?」
いやいやいや、急がないとダメだって!!………じゃなくて!!
「カオルン!!教えてくれてありがとう!!すぐ着替えてくるから、ちょっと待ってて!!」
そう言って、あたしは玄関のドアをバタンと閉めてから、急いで自分の部屋にかけ込んで、それから学校へいく準備を大急ぎで始めた。
「すっかり忘れてたー!!今日が登校日だって!!」
そのあと、準備を終えたあたしは、またも急いで玄関へと走った。本当は家の中を走ったりするのはいけないけど、今はもうそれどころじゃない!!
「いってきまぁあああす!!!」
「あれ、サトミやっぱり今日学校だったんだ」
声をかけたのはソウスケ。
「やっぱりって!?」
「ん〜?いや、金曜日にシノが、日曜は学校があるって言ってたから、じゃあサトミも同じなんだろうな〜って思ってさ……」
「早く言ってよそれーーーー!!」
………って、そっちに構ってる暇はない!!
今はもう学校に行く!!ただそれだけ!!
ガチャッッ!!
玄関のドアを思いきり開けると、カオルンが待っててくれた。
「サトミちゃん!今から行ったらまだ間に合うから、急ぐよ〜!」
「うん!!早く行かないと!!」
そんなことを言いながら、あたしたちは猛スピードで学校への道を走った。
そして幸いなことに、予鈴二分前に、学校につくことができた。
「おはようございます、サトミさん、カオルさん」
学校についたあと、リレンがあたしたちに挨拶をしてくれたけど、あたしたちは返事をすることができなかった。
すごいスピードで走ってきたから、息があがっちゃったんだよね。
もちろん、息を整えたあと、ちゃんとリレンにはおはようって言ったよ。
そして、HR。
「皆さん、おはようございます。皆さん知っての通り、今日は日曜参観です。そしてもうひとつ、皆さんには大きなイベントがあるかと思います」
ん?大きなイベントって、なんだろう…
「今日はバレンタイン。女子が男子に、もしくは親しい友達に、チョコをあげるイベントですね」
あぁ、バレンタインのことか。
「本来、この学校にチョコなどの持ち込みは禁止されていますが…… 今日は日曜日。そしてバレンタインということもあって、チョコを持ってきている生徒が中にはいるかと思います」
……うん。持ってきてるだろうね。
いや、ホントはあたしも持ってきてるんだけど。
……………………もちろん、ブンゴの分もね。
「ということで、本当は持ってきていいことにはなっていませんが………校長先生の許可により、チョコの受け渡しがいいことになりました」
ザワザワザワザワザワ…………
一気に教室の雰囲気が明るいものになった。中には、こんなことを言ってるクラスメートもいた。
「ナイス校長先生!!」
「校長先生すごくいい人じゃん!!」
「あとでお礼を言いに行こうよ!!」
女子も男子も、これで校長先生への評価が一気にあがるんだろうね。
「サトミちゃん!」
HRが終わったあと、カオルンに声をかけられた。
「チョコ、渡していいことになって、よかったね〜!」
うん。そうだね。
「あとで、サトミちゃんにチョコ渡すね〜!」
………えっ。くれるの?
「もっちろんだよ〜!サトミちゃんには、いつもお世話になってるしね!」
カオルン…………
「………ありがとう!カオルン!!」
お世話になってるなんて………こっちがお世話になってるよ!
……でも、チョコをもらえるなんて、すごく嬉しい!去年は学校に行ってなかったっていうのもあって、チョコはもらってなかったし。だから、こういうのって、すっごく嬉しいんだ!
「あたしも、カオルンにチョコ渡すね!」
「ありがとう〜!サトミちゃん!」
〜そんなこんなで、休み時間〜
……キーンコーンカーンコーン……
ガタッ!ガタッガタッ!ガタガタッ!
チャイムが鳴った瞬間、うちのクラスの女子は一斉に廊下へと向かった。
廊下にはその人その人のお母さんお父さんとか来てるのに、迷惑にならないのかな……
あるグループの女子達の声が聞こえた。
「私、ブンゴ先輩に渡しに行く!」
「やっぱそうだよね〜!うちも渡しに行こうと思っててさ〜!」
「ブンゴ先輩、毎回人気だからね〜!」
他のグループも、また別のグループも、ブンゴにチョコを渡しに行くみたい。
……あたしは、どうしようかな……
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.369 )
- 日時: 2016/02/20 15:53
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
「__サトミちゃん?どうかした?」
カオルンに声をかけられて、あたしは我にかえった。
「チョコ、今渡しちゃうね〜!」
カオルンがカバンの中からチョコを取り出して、そのチョコをあたしにくれた。
「わぁー!ありがとう!!」
「えへへ〜!今年は、ガトーショコラを作ったんだ〜!」
そうなんだ!どうりで、袋からいいにおいがするわけだね!
「じゃああたしも!カオルンにチョコ!」
「わぁ〜!サトミちゃん、ありがとぉ〜!」
どういたしまして!
「そういえば、あたしリレンちゃんにも、チョコを作ったんだ〜!」
「あたしも!リレンにチョコを作ってきたんだ!」
「だったら、今一緒に行って、渡しに行こうよ〜!」
「そうだね!」
あたしたちはそう決めて、リレンのところに行こうと思ったとき。
「あっ、二人とも!ちょうどよかった!」
後ろから声をかけられたから、そっちにふりむくと……
「「リレン!/リレンちゃん!」」
リレンがいた。
「今お二人に、チョコを渡そうと思ってたんです!」
「ちょうどあたしたちもリレンに渡そうと思ってたとこ!」
「リレンちゃんに、チョコを渡しに行くとこだったんだよ〜!」
「えっ!そうだったんですか!」
そのあと、リレンが笑い出した。
「私たち、結構気が合いますね」
続いてカオルンも笑い出した。
「ほんとにねぇ〜!」
そして、あたしも笑った。
この時あたしは、友達って、こんなにもあたたかくて、優しいものなんだなって、改めて感じた。
そして、みんなで笑ったあと、リレンにこう言われた。
「サトミさん、そういえば、今年は男子の皆さんに、チョコを渡すんですか?」
え?
「……あぁうん、男子たちの分は、作った、けど………」
「………?」
次にカオルンがこう言った。
「あたしは、もちろん全員にあげるよぉ!」
カオルン、なんだかノリノリ。
「ということは、コアラのシンベーさんにもあげるんですか?」
「うん!」
そんなやり取りを、あたしがぼーっと聞いてたとき……
ひとつの女子のグループが、あたしの横を通りすぎた。その時に聞こえた会話に、ブンゴの名前がまた入ってた。
「ブンゴ先輩、喜んでくれるかな…?」
「大丈夫だって!一生懸命作ったんだから、その気持ちは絶対伝わるって!」
「………そういえば、男子をとっかえひっかえしてる……里見、サトミだっけ?あの子も、ブンゴ先輩に渡すのかな?」
「え〜?どうなんだろう〜?」
「まぁでも、渡す以前に、ブンゴ先輩に渡す女子勢の大群にあって、行けないんじゃないの〜?」
………そんな声が聞こえた。
と、次の瞬間。リレンが、動き出した。
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.370 )
- 日時: 2016/02/20 16:06
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
「___ちょっとあなたたち!!サトミさんのことが気に入らないからって、その言い方はどうなんですか!?」
次の瞬間、リレンは、さっきのグループの女子たちのところに行って、怒鳴りつけてた。
「………なによあんた」
一人の女子はムスッとする。
「ていうか、あんたに関係ないでしょ」
「関係あります!!私、サトミさんの友達ですから!!」
………リレン………
「友達だからなに?」
「あなた方、さっきからサトミさんの陰口言ってますけど、それでサトミさんが気づかないとでも思ってるんですか!?」
「は?なにが?」
「ですから、サトミさんが自分の陰口言われていることに気づいていないかどうかということです!!」
あたしは、そのやり取りを見てられなくなったから、リレンをとめた。
「…リレンもういいよ。あたし、こういうのなれてるから」
「いいえよくありません!!」
……………………
「私、自分の友達がそういう風に言われるの、いやなんです!サトミさんには、様々ないいところがあるのに……なのにこの人たちは、サトミさんのいいところを見ようともしない!!」
………でももういいんだって。
「……………しょうがないんだよ。きっと」
「_____しょうがなくないと思うよ。おれは」
…………その声は…………
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.371 )
- 日時: 2016/02/20 16:50
- 名前: リィナ ◆/73ORiYgDY (ID: VfitXk9z)
誰?誰!?
ねぇ、ブンゴさん!?わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(((((((
…………もう神だよ。女神だよ、仏だよ、凄いようっ!
最新頑張ってね!(テンションおかしくてスミマセンッ」
あ、あと、目次の『ドキドキの体育祭』の話が『バレンタインで大失敗!!』が混ざってるよ!
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.372 )
- 日時: 2016/02/20 17:29
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
「______しょうがなくないと思うよ。おれは」
………その声は………
「………ソウスケ!」
後ろからやって来たのは、ソウスケだった。
「キャーー!ソウスケさん〜〜!」
カオルンが叫んだ。
「…………ソウスケさん…………」
リレンは、少しだけ落ち着いたみたい。
もちろん、そのグループの女子たちもソウスケのことは知ってるみたい。
「今すごい大人気の占い師が、なんでここに…!?」
グループの女子たちは、ドギマギしてる。
「____君たちさぁ。おれの親戚の陰口を叩いてるなんて、結構気が強いんだね」
ソウスケは、女子たちをまっすぐに見すえながら話す。
「今日、この子の参観があるって、とあるすじから聞いたから、それにたまたま仕事は今日休みだし、どんな感じかなと思って来てみれば、こういうことになってたわけか」
ソウスケはため息をついたあと、今度はリレンの方を見て話した。
「でも、リレンちゃんお見事。そういう風に言えるのって、すごく勇気がいるだろうから」
リレンは、ソウスケに少しだけ頭をさげた。
「サトミも、こんなにいい友達に会えて、ホントよかったな」
うん。ホントにありがたいよ。
「君たちも、この子の陰口を言う暇があるぐらいなら、少しでも自分達で、好きな相手を振り向かせようとする努力とかはしないの?」
ソウスケは優しい声できく。
「そうやって、人の悪口を言ってても、結局傷つくのは、自分だから」
女子たちは、図星なのか反論してない。
「人の悪口を言ってると、めぐりめぐって自分にかえってくるし、それに___『言霊』って知ってるかな?自分の言動ひとつひとつにたましいがやどってる。だから、傷つくような言葉を使うのは、本当はよくないな」
………ソウスケ、すごいな。あの女子たちが黙りこんでる。
「もし、かわりに自分達がサトミの立場だとして、自分の悪口とか言われたら、いい気持ちはしないでしょ?」
「………それはそうですけど……」
「この事をブンゴが知ったら、なんて言うと思う?」
『悪口叩いてんじゃねーよ!みっともねーな!』って、言いそう。ブンゴなら。
「おれは、あいつと知り合いだからわかるけど、きっとあいつなら、そういうのはいやがると思うよ」
……………確かに。ブンゴって、すごくまっすぐだから。
「君たちにも、何かしら事情があるのかもしれないけど、だからって、そのいやだったりすることを他人にぶつけるのは、よくないよね」
……なんか、今すごくソウスケが大人びて見える……
「『他人にされて嫌なことは、他の人にも同じようにやってはいけない』。おれは占いを始める時、一番最初にこの言葉を言われた。今も、それは守っているし、これはとても大切な事だと思う」
「「「………………」」」
女子たち、ずっと黙ってる。
「一度言った言葉は、取り消すことはできない」
「「「………………………!!」」」
女子たちは、息をのむ。
「相手を傷つけるようなことをしたら、まずは謝るべきなんじゃない?」
「「「……………………………」」」
そしてしばらくしてから、女子たちはあたしの方を向いて、こう言った。
「「「……このようなことを言って、ごめんなさい」」」
あたしに謝ってきた。謝られたことなんて、あんまりないから、あたしはちょっとびっくりしちゃった。
そのあと、反省した様子の女子たちは、ソウスケにおじぎをして、そのまま行っちゃった。
「ソウスケさ〜〜〜ん!すっごくかっこよかったです〜〜!」
カオルンが早速ソウスケにそう言った。
「………色々と、ありがとうございました」
リレンも、ソウスケに向かってもう一度頭をさげた。
「おれのことはいいって。それより、サトミも大変だね〜!ああいう風に言われるなんて」
「うん……まぁそれなりに疲れるよ」
「そっか」
そして、しばらく沈黙が続き、その沈黙のあと、ソウスケが一息ついて話しだした。
「そういや、ブンゴのところには行かないの?サトミは」
え?
「……………あぁ、うん、どうしようかなって」
「迷ってる?」
まあね。…………ていうか、
「なんであたしがチョコ作ったって知ってるの!?」
「う〜〜ん……なんとなく?」
なんとなくって……
「でも、サトミは作ってくれると思ってたから!」
うわっ!急に抱きついてくるなぁー!!
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.373 )
- 日時: 2016/02/20 18:18
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
あっ、混ざってた?リィナ教えてくれてありがとう!でもこれは番外編の話で、本編からはちょっと離れてるけど、お話は多少かぶってしまうところがありましたしたが。。
でも本当に教えてくれてありがとう!
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.374 )
- 日時: 2016/02/21 22:34
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
続き。
そのあと、ソウスケはあたしから離れてくれた。
「___じゃ、おれ帰るね」
えっ。ソウスケもう帰るの?
「サトミの顔見れたし!もういいかなって!」
…………そうですか。
「え〜〜〜!ソウスケさん、帰っちゃうんですかぁ〜?」
カオルン、ソウスケに帰ってほしくなさそう。
「さっき用事を思い出したんだよね。またスーパーに行って買い出しとかしないといけないからさ。ほら、今日のご飯担当はおれだし」
そういえばそうだったね。
「今日はバレンタインにちなんで、カレーを作ろうと思います!」
えっ。なんでカレー?ていうか、バレンタインと関係なくない?
「……チョコの色と、カレーの色が似ているから、じゃないですか?」
え、リレン、そういうこと?
「おっ。リレンちゃんご名答。チョコとカレーの色って似てるから、だからカレーにしようと思ってさ!」
う〜ん……関係性はいまいちよくわかんないけど……まぁいっか!
「それと_____」
うん?
「_____早く行った方がいいんじゃない?」
………………なにが?
「あいつのとこ。すでに他の子からはもらってるかもしれないけど、実はさ」
ブンゴに何かあったの?
「いや、別に大した事ではないけど、ああ見えてもあいつ、サトミからチョコをもらえるかが気になって、朝からソワソワしてたんだよね」
えっ?ブンゴが?
「そう。結構あいつにもかわいいところがあるんだなぁ」
………ソウスケ………今までブンゴのことを一体なんだと……
「おれ的には、サトミが渡しに行ったら、あいつ喜ぶと思うんだけどね」
「そうだよサトミちゃん!」
カオルンがずいっと入ってくる。
「せっかく作ったのに、もったいないよぉ〜!」
…………………そうだよね。せっかく作ったんだもんね!
「…心をこめて作ったものは、必ずその気持ちが、相手にも伝わると思いますよ」
……………………うん。そうだよ!作ったんだから、渡しに行こう!
「じゃ、サトミ頑張って!おれは家でカレー作って待ってるから」
ソウスケはそう言い残して、手をひらひらふりながら行っちゃった。
「……ありがとね、ソウスケ」
あたしは、小さくなっていくソウスケの背中をみながら、そう呟いた。
「じゃあ、サトミちゃんいってらっしゃ〜い!」
ドーンと、思いきり背中をおされた。
「えっ?カオルンとリレンは行かないの?」
「私はたまたま、今日は持ってきていないので」
「あたしも、まだブンゴ先輩の分を作ってないから、月曜日に渡すよぉ〜!」
そうなんだ。
「ひとつ、つけ足しておきますけど」
え?
「私が山下先輩に渡すのは、あくまでもお礼のチョコです。本命とかではありません」
リレンはニコッと笑って言う。
「もちろん、あたしもリレンちゃんと同じだよぉ〜!」
カオルンまでそんなことを。
………まぁなにはともあれ!
「行ってくるね!」
ブンゴに渡しに行こう!
「「いってらっしゃい!」」
〜3年の教室前廊下〜
うわぁ……すっごい人だかりができてる……これ絶対ブンゴの行列だ……
「どいてどいて!次あたしが渡すの!」
「その次は私よ!!」
「違う!次が私だって!」
「違うわよ!次がわたし!!」
………あぁあぁあ。なんかひと悶着おきてるよ………
こりゃ近づけそうにないな………
と、思ったとき。
本っ当に一番奥に、ブンゴの姿が見えた。一人ひとりのチョコを丁寧に受け取ってるのが見える。
その度に、ありがとうとか、サンキューとか、そう言ってるのが聞こえる。
こんな行列待ってたら、いつあたしの番がまわってくるか、わかんないな…
と、そう思った次の瞬間!!
一気にブンゴの順番をまつ女子たちの大群が、一気に後ろに下がってきた!きっと、ブンゴが廊下に出てきたんだ!!
「うわっ!!わわわっ!!」
あたしはそのせいで、バランスをぐすす。そして、あたしは女子の大群に一瞬にして飲み込まれた。
そのおかげで、色んな人にぶつかったり、おされたりした。
なんとか体勢を整えて、あたしは大群から出ようとした。
「…すいませーん…ちょーっと通してもらえませんか…」
あたしはそういいながら、なんとか外にでることができた。
「ふうー……あんなんじゃとうてい渡せないよ……家に帰ってから渡そうかな……」
と思って手を見たら。
「……あれっ?」
さっきまで手に持ってたはずのチョコが………
「……………ない!!」
……もしかして!さっきの大群の押し寄せで、下に落としちゃったんだ!!
「うそでしょ!?どうしよう!?」
これじゃブンゴに渡せないじゃん!!
そのあとも必死に探したけど、あたしが作ったチョコはなかった。
「………はぁー………」
とうとうなくしてしまった………
あたしはすごく落ち込んだ気分で、自分の教室へと戻っていった。
その頃_____
ブンゴの前の教室では____
ブンゴはここにいる全ての女子から、チョコを一つずつ受け取り、またもや疲れていた。
これで昨日と合わせて何個だろう……
昨日の分と今日もらった分をたすと…
80+70=150………
150個ももらってんのかオレは……
これを一週間かけても食べれそうにないな……途方にくれているブンゴ。
と、そこに。
カサ…………
何かが自分の足に当たった。
なんだろうと思って下を見ると。
_____それは、人につぶされてグチャグチャになっているチョコだった。幸い、中身までは外にこぼれてはいないが、袋や箱がビリビリにやぶけている。
箱の表面に、とある人の名前が書いてある。
「…………………………?」
だが、字が消えかけていてよく読めない。それでもなんとか作った主の名前を見るブンゴ。送り先は、なんと自分だった。そして名前は___
「…………………………………」
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.375 )
- 日時: 2016/02/22 17:27
- 名前: 木戸 秋菜 ◆v/rTh0HxaQ (ID: VfitXk9z)
はじめましてホープスプリングさん!
わたしの小説にきてくれてありがとです!
じつはわたし、ずっと前からこのカキコにいて、ずっといろんな小説を読んでたです、
ホープスプリングさん、わたしと友達してくれますか?
あと、わたしの名前はテキトウにあだ名つけていいですおー、
なので、わたしもスプさんってよんでいいですか、
つづきみるの楽しみにしてます!
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.376 )
- 日時: 2016/02/26 16:12
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
じゃあ木戸ちゃんって呼ばせてもらいます!ワタシのことも名前省略してオーケーなので!それからため口もオーケーだよ!
これからよろしくね!
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.377 )
- 日時: 2016/02/27 09:36
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
では続きです!
〜二年、サトミたちの教室〜
あたしは午後の授業の間ずっとへこんでた。いろんなお母さんお父さんが来ていて、シャキッとしないとと思ってても、どうしても元気になれなかった。
そして、そのままぼんやりと時がすぎ、帰りの学活が終わって、帰りの準備をしてるとき_____
「サートミちゃんっ!」
カオルンが声をかけてきた。
「サトミちゃん大丈夫〜?なんか午後の間、元気なかったよ〜?」
「どうかしたんですか?」
リレンも来た。
「サトミちゃんてば、午後の間元気なかったの〜」
「そうなんですか?」
リレンがあたしの方を向いた。
「どこか具合でも悪いんですか?」
あたしはとっさにこう言った。
「…ううん!大丈夫!さっきブンゴに渡しに行ったら、ブンゴにあげる人の女子の行列が長くってさあ!ちょっと疲れちゃっただけ!ホント大丈夫だから!」
「……そうですか」
「そうなの〜?」
………本当は違う。女子の大群に飲まれて、あたしはチョコをなくしちゃった。そのあと探しても、見つからなかった。きっと今頃チョコはグチャグチャになってると思う。もしそのチョコをブンゴが見つけたとしても、きっと食べる気なくすと思うし。
____逆にこれでよかったのかも。
そんな気分で、あたしはトボトボと家に帰ってきた。
ガチャ………
「………ただいま〜………」
「サトミ様!お帰りなさいませ!」
いつものように、シノが声をかけてくれた。
…………そういえば、結局男子たちにもチョコ渡せてないな………
………後でちゃんと渡そう。
〜リビング〜
「サトミおかえり!カレーまだ煮えてないから、まだ少しかかるかも」
ソウスケも、あたしに声をかけてくれた。
「……うん。大丈夫。ゆっくりでいいから」
「そう?」
ソウスケは再びカレー作りに専念すると思いきや…………
「そういえば、ちゃんとブンゴには渡せた?」
「えっっ!?」
いきなり何を言い出すかと思えば……
「…………あぁ、うん。まあね」
「その感じ……さては渡せてないんでしょ」
ギクリ。
「……べっ、別にそんなことないって!………じゃなくて、カレー!カレー作らなくて大丈夫!?鍋からこぼれちゃわない!?あたしのことはいいから、カレーの方ちゃんとやらないと!」
「………そんなに言いたくないなら、これ以上はきかないけどさ」
ソウスケは、今度こそカレー作りに専念し始めた。
あたしはそそくさと自分の部屋にかけこんだ。………バタンと扉をしめて、一安心……ってわけにもいかない。
なんせまだブンゴに渡せてないし……
……でも渡さない方がいいのかな……
だってチョコはもういいとか言ってたよね?じゃあ逆にかえって迷惑?
あたしの中で、色んな考えがいりまじった。
「…考えても仕方ないか……」
……とりあえず、お風呂にでも入ろうかな……
そう思ってドアを開けると。
誰かとぶつかりそうになった。
__その相手は、ブンゴだった。
「……あぁブンゴ。帰ってたんだ。おかえり」
「…………おう」
昨日にも増して、疲れてそうな顔してる。見るからにすぐわかった。
今日のでまたたくさんチョコもらったんだなって。
「……モテる男はいいね。そうやってたくさんチョコをもらって……」
「………は?」
そのあと、あたしはトボトボ歩きながらお風呂場へと向かった。
「……何言ってんだよあいつ……」
〜そしてさらに時間はすぎ、夕食時〜
「はーい!全員揃ってますねー!今日のご飯担当はおれなので、カレーを作りましたー!たくさん食べてネー!」
「わぁ!ソウスケさん、とても美味しそうですね!」
シノが目を輝かせて言う。
そして、真っ先に文句を言う人が出てきた。
「なんだよてめーのそのテンションは」
そう。ブンゴです。
「えー?気に入らないのー?」
「そうに決まってんだろ」
あぁあぁあ、また言い合いが始まろうとしてる……
「文句あるんなら食べなくていいよー。ブンゴお坊っちゃん」
「ばっ……だからその呼び方やめろっていつも言ってんじゃねーかよ!!」
………………なんか仲裁に入るのも疲れる…………
「まぁなんでもいいからさ。一口だけでもいいから食べてみて」
「はぁ?」
「味見程度でもいいから」
ソウスケにそう言われて、しぶしぶ、ブンゴはカレーをパクリ。
「………………………………うまい」
「え?今なんて言った?聞こえなかったからもう一回言ってくれるー?ブンゴくん?(ニヤニヤ」
「………はぁ!?なんも言ってねーし、それに二度と言わねーよ!!」
………はぁ…………
「いつものケンカが始まりましたね…」
シノが言えば、
「そうかも……」
ケノもうなずく。
「なごやかでござるなぁ…」
ダイカはなぜかゆったりしてる。
「このカレーめっちゃうめー!!」
ミッチーはずっとカレーを食べてるし、
「……全く……中三にもなっておきながら……」
ゲンパチはイライラとメガネをかけ直す。
「ムグ……ムグ……」
シンベーはユーカリの葉を食べてる。
……はぁ。なんかもう疲れた。早く片付けて寝よう……
「……ごちそうさま」
あたしは小さくそう言って、静かにお皿をさげた。
そのあと、あたしはやることをすませてから、すぐにあたしの部屋に行った。
そしてドアを閉めて………一安心、
…………できなかった。
なんでかっていうと、ドアを誰かが叩いてるから。
ちょうど、その頃にはもう、九時半をまわってたところだった。
トントントントン…トントントン…
「……はいは〜い、誰ですか〜……」
ガチャ……
ドアの前にたってたのは。
「_____話があんだけど」
_____ブンゴだった。
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.378 )
- 日時: 2016/02/26 18:07
- 名前: 木戸 秋菜 ◆v/rTh0HxaQ (ID: VfitXk9z)
来ました!
ホープスプリングさんのこと、スーちゃんってよんでもイイですか?
あと、わたし、この話すごくだいすきです!
すきなサトハチキャラは
①サトミちゃん
②ブンゴ
③シノっち
です。
つづきがんばれのー!
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.379 )
- 日時: 2016/02/26 20:56
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
木戸ちゃん来てくれてありがとう!!
全然その呼び名オーケーです!むしろありがたい!
ワタシも、好きなキャラいますよ!
誰が一番とかは決められないけど、でもブンゴとソウスケとかは好きだな〜!
本当に来てくれてありがとう!
更新頑張るね!
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.380 )
- 日時: 2016/02/27 10:39
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
続き。
「______話があんだけど」
目の前にいるブンゴにそんなことを言われて、あたしはギクリとする。
「………え〜〜〜っと………あたしに話しかけてる?それ」
「お前以外、他に誰がいんだよこの部屋に」
…そうですか。…そうですよね〜…
「……てか、廊下寒いから早く中に入れてくんない?」
…………ええ。どうぞ。
〜数分後〜
「………それで、ご用件はなんでしょう」
あたしは、少しずつ距離をおきながら、ブンゴに話しかける。
「………その敬語やめろ」
「いや、そんなこと言われても」
自然に出ちゃったんだよ今。
「……まぁいいや」
ブンゴはため息をついてから、一拍おいて話し出す。
「______これ、お前のだろ?」
ポケットからだされたのは………
「…………なんで……………!?」
_____あたしが作った、チョコだった。
「…………なんで……それ……ブンゴが持ってんの!?」
学校であたしが探したときは、なかったはずなのに!!
………でも案の定、箱と袋はビリビリに破けてた。……てことはきっと、中身もグチャグチャに…………
「……中身は無事みたいだけど?」
ブンゴがビリビリの箱をあけると、なんと、ブンゴが言ってた通り、中身は無事どころか、無傷だった。
「……廊下に落ちてたのを、オレが拾ったんだよ。それでこの作った主を見たら、サトミって書いてあったから」
…………………そうなんだ。
…………………………………って!!
「じゃあ、それ返してよ!!」
なんか一気に恥ずかしくなってきた!!ていうかまず、こんな見た目台無しのをブンゴに食べてもらうわけにはいかないし!!
「それ返して!!」
あたしはブンゴの持ってる箱をひったくろうとした。だけど………
ヒョイッ
見事にかわされた。
「ホントにそれ返してってば!!!」
あたしがいくらブンゴに食ってかかっても、チョコはかわされるばかり。
「______やだって言ったらどうする?」
ドキッ………………
……って!!なに今の!!
「そうなったら、力ずくでも奪い返すだけに決まってんじゃん!!」
「ふーん……じゃあせいぜい頑張ったらいいんじゃねーの?」
…………何その言い方!!すっごくムカつくんですけど!!
「…………もうーー!!!」
そのあとも、あたしはブンゴに返してもらうために必死に頑張ったけど……
「ゼエ、ゼエ、ゼエ………」
…………結果、返してもらえませんでした。
「お願いだからホント返してよ!!」
力をふりしぼってブンゴの手めがけて箱をとろうとしたけど………
なんとブンゴが……………
パクッ
………チョコを食べました。
「…っあぁあぁああああああ!!!」
………なんで………なんで………
「……よりにもよって、なんで食べるわけ!?」
意味わかんないんだけど!!!
……そしてブンゴは一口目をゴクリとすると、一言。
「………結構うまいじゃん」
………っ………
「………………今は感想なんてきいてない!!なんで食べるのかって聞いてるの!!」
あたしはそのすきを狙ってブンゴから箱をとろうとしたけど、そのあたしの腕をパシッと捕まれた。そのせいで、あたしはバランスをくずした。
そのあと、ブンゴにグイッと思いきり引き寄せられる。
そして、目の前にブンゴの顔が………
「なんで隠そうとするわけ?」
…………………っ……………………
「………べっ、別に隠そうとしてたわけじゃないし」
あたしは見てられなくなってブンゴから目をそらした。
「…………そっ、それもホントはあげるつもりじゃなかったし」
………だってブンゴ、チョコはもういいみたいなこと言うから………
「………………ブンゴのせいだよ」
ブンゴが、そういうこと言うから……
「…………はぁ…………」
ブンゴはため息をついてから、こう言った。
「……………お前、なんか勘違いしてんじゃねーの?」
……………は?
「………誰だって、普通チョコをもらったら、嬉しいもんだろ」
…………………………
「…でも、昨日ブンゴ、チョコはもういいみたいなこと言ってたじゃん!」
あれはなんなの!?
「……あぁ、あれのことか」
ブンゴはやっと、手をはなしてくれた。そして話しだす。
「確かにそれは言ったけど、それはアイツと一緒に買い物してたら、くじ引きをやってて、それをアイツがひいたら、たまたまくじが当たって、チョコ三日分をもらったんだよ」
………………………………え?
「そんで、それをアイツが持って帰ると思ったら、オレに全部くれてやるとか言い出したもんだから……だから家に帰ってきて、『もうあのチョコを当てるのはもういい』って言ったんだよ」
………えーと、状況を整理すると、アイツっていうのはソウスケのことだよね。それで、ソウスケと買い物をしてたら、くじ引きがやってて、それをソウスケがひいたらたまたま商品が当たって、その商品が、チョコ三日分だったってこと…………………?
「………えぇえぇえええええ!?」
〜続く〜
- Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.381 )
- 日時: 2016/02/27 11:12
- 名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)
「……なんでそれを早く言ってくれなかったの!?」
「あの場で買い物の時にあったことを説明すると思うわけ?普通」
…………いや…………こっちがきかない限り、それは考えられないかも……
「……でっ、でもだからって、さっきこの場でチョコとか食べる!?」
食べなくない!?
「この場で食べようと食べまいと、オレの勝手だろ」
うぐっ…………そうだけど………
「……オレはお前のその気持ちに感謝してるから」
……………え?
「昔っから、オレの親は食べ物を粗末にしちゃいけないだのなんだのって、言われてきたから」
……………ブンゴのお父さんとお母さんから?
「だから、人からものや食べ物をもらうときは、ちゃんとその人に感謝しながら受け取ってる」
…………だからあの時も、一人ひとり丁寧に受け取ってたんだ………
「___オレは、外見とか、見た目とかで判断はしねーから」
……………………………………
「外見や見た目とかより…………その人の心自信が大事だろ?」
………………………………うん。
…………そうかもね。
「………それに、これ結構うまいし」
…………そうかな。うまく作れてるといいなとは思ってたけど……
「じゅうぶんうまく作れてると思うけど?」
…………………!
「ま、いいもんもらえたし」
そういいながらブンゴは立ち上がる。
「______これ、サンキュ」
振り返りざまに、あたしに笑顔を見せて、部屋を出ていった。
………なんでそんなこと言うの。
そんなこと言われたら…………………
「……言い返せないじゃん……」
…なんか気のせいか、顔があつく感じる。
「___とりあえず、もう寝よう」
結局男子たち(ブンゴ以外)には渡せなかったけど、明日は絶対渡そう!
〜翌日〜
バレンタインの次の日、ちゃんと男子たちには改めて渡した。
みんな、喜んでくれてたよ。
あたしも嬉しかった。
今日は日曜日の振り返り休日だから、学校は休み。
………本当によかった。なにはともあれ、結果オーライってやつだよね。
チョコの作り方も、男子たちに対しての渡し方も失敗しちゃったけど……
でも、大丈夫だよね!みんな喜んでくれたもの!きっとこれでいいんだよ!
その次の日、あたしはいつも通り学校に行った。カオルンとリレンが心配して来てくれたけど、ちゃんと説明したらわかってもらえたし、よかったねって、言ってくれた。
___今年のバレンタインは、色んな意味で大失敗しちゃったけど____
______来年は、失敗しないバレンタインになりますように!
〜バレンタインで大失敗!?編終わり〜