二次創作小説(紙ほか)

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.464 )
日時: 2017/03/05 22:36
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

続き。


___体育祭終了後____

ガチャ……

「ただいま〜…」
体育祭が無事終わって、あたしはカオルンたちと別れてからシノとケノとブンゴと帰ってきた。
他の男子たちはどうしてたかって?
あたしが体育祭の閉会式が終わったあと、男子たちが陣取っていた場所に行ってみたんだけど、もう帰っちゃってたみたい。その場にはいなかった。

「サトミ!おかえり!」
リビングにいくと、なんとソウスケがご飯を作っていた。
「ソウスケ!ただいま……って、何作ってるの?」
においをかぐと、なんだかとてもいい匂い。
「このにおいは……!」
隣でシノが、目をキラキラさせてる。相変わらず暑苦しいんですけど…
「ビーフシチューですね!」
えっ、ビーフシチュー?
「おっ!シノ当たり!」
ソウスケが鍋を見張りながら答えた。
「今日はサトミ頑張ってたから、おれたちで何か美味しいもの作ろうってなってさ」
ソウスケと、ダイカと、ミッチーと、ゲンパチで作ることになったのかな。
「嬉しいけど、なんかちょっと照れくさいね」
あたしが言うと、
「でも、それだけサトミちゃんが頑張ったってことかも」
ケノがほめた。
みんなありがとね。

そしてテーブルを見れば、皿を一枚ずつキッチリ並べてるゲンパチの姿が。
「ゲンパチも手伝ってたの」
「当たり前だろう」
ですよね…なんかすいません…
「…まぁ、君にしてはあの走りは良かったんじゃないか?」
あれ。いい印象もってくれた?よかったってことだよね!
「ありがとう、ゲンパチ」
お礼を言ったら、
「………別にぼくは何もしていない」
なぜか嫌な顔をされた。
照れ隠しだね、きっと。
そういうところは、ブンゴと似てるんだなぁ。
「……オレがなんだって?」
え。ヤバい、今のブンゴに聞かれた?
「聞かれたも何も、お前声に出てたっつの」
えっ!ホントに!?
「お前って本当面白いな」
そう言ってブンゴは洗面所に行っちゃった。
む〜〜〜〜〜〜……腹立つなぁ〜……

さらに次は、ミッチーとダイカが盛り付けをしてる。
「オォ、サトミ殿。今日の活躍、あっぱれでござるよ」
「サトミ!今日の走り、めっちゃよかったぜ!」
二人とも。
「ありがとう!」
あたしがお礼を言うと、二人はニッコリ笑った。
「もうすぐ夕飯の支度が終わるでござる。ミーとミッチー殿とで、お皿の盛り付けはほぼ終わっているので、あとはシチューが出来上がるのを待つだけでござる」
うん。さっきソウスケが煮込んでくれてたよね。すごく美味しそうなにおいだったし!

「ソウスケ殿は、ああ見えて料理がとても上手でござるよ」
「ああ見えてって……おれそういう風に見られてたのか」
ソウスケがダイカの言った言葉に少しショックをうけながら大きな鍋を抱えてリビングのテーブルに置いた。

「さっ…気を取り直して…みんな席についたね。さっきおれが言った通り、今日はサトミが頑張ったので、ビーフシチューを作りましたー!腕によりをかけて作ったのでたくさん食べてね〜」

うわあ!ホントに美味しそう!
「いただきます!」
パクッ…
「すごく美味しい!」
「だろ?おれ結構頑張ったからね〜」
これホントに美味しいよ!
「サトミもっとほめて!」
「おいウサンクセ、さっきからうるせーよ。集中して食べれねーだろうが」
「…ちょっとさー、そういうコブンゴくんこそその言い方やめてくれないかな」

……また始まった……二人のケンカが……


でもこの時のあたしたちは、このあととんでもない人がやってきて、嵐を巻き起こすようなことが起きようなんて、知るよしもなかった。

続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.465 )
日時: 2017/03/08 21:16
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

こんばんは
アッキーです。
ホープスプリングさんの小説に来ました〜
更新頑張ってください!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.466 )
日時: 2017/03/14 20:36
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

わぁ〜!アッキーさん来てくれてありがとうございます!
更新頑張ります!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.467 )
日時: 2017/03/14 20:39
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

こんばんは!
アッキー登場です!
敬語じゃなくてタメ口で良いですよ?

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.468 )
日時: 2017/03/15 21:34
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

では続きです。


〜数日後〜

____ジリリリリリリッ!

目覚まし時計が7時のアラームを鳴らした。

「……うぅ……」

あたしは眠い目をこすりながらベッドから起き上がり、下からはシノのおなじみの大きな歌声が聞こえる。
またいつもの1日が始まった。



________そう思ってた。


でも、その日はいつもと違った。


今日は休日。あたしはいつものようにしたくを整えてリビングに向かうと、シノが朝ごはんを作りながら声をかけた。

「サトミ様!おはようございます!朝食ができておりますよ!」
「シノ!おはよう!」

そうして席につき、朝ごはんを食べる。

「シノ、おはよう」

ソウスケがおりてきた。

「サトミ、おはよう。今日ははやいね」
「え、いつも通りじゃない?」
「でもサトミ、休みの日は普通にこの時間は寝てなかったっけ?」

うっ。それ言う?

「あはは、ごめんごめん」

まったく、ソウスケはかるいんだから…

「皆の衆、グッドモーニング!」
「シノ、オレの朝ごはんの分、できてる?」

次に、ブンゴとダイカがおりてきた。

「おっ!コブンゴちゃん、今日はダイカくんと一緒?」
「んだよ、ウサンクセは黙ってろ」

あぁあ、朝からケンカしないでよ!

「ソウスケ殿、ミーとブンゴ殿は洗面所でたまたま一緒になったでござるよ」

ダイカが仲裁に入ってくれた。

「そうだよ、朝からケンカしないで、ゆっくり朝ごはんを……」

……ピンポーン。

「……?誰だろ」

ピンポーン。

「では、ボクがでてきますね」

シノありがとう。

「はーい!今開けまーす!」

そう言ってパタパタとシノが玄関に向かった。

でも、しばらくしてもシノが帰ってこない。

「シノ、遅いね」
「何やってんだよシノは」
「確かにそう言われてみればシノが来ないな」
「何かあったのでござろうか」

あたしたちが心配していた時、玄関の方からバタバタと音がした。

「……お待ちください!急にそのようなことを言われても困ります!」

……シノ?

「シノ、どうしたの……」


「____ブンゴー!」

………え。今の声って、だれ……?

ガバッ!

「うわっ!」

しかもちゃっかりブンゴに抱きついてるし!

「…おまえ、もしかして…ハスターか……?」

……ハスター?………ハスターって………
知り合い………?

「………嘘だろ………!」

ソウスケまで。

「オゥ……ノウウェイ……」

ダイカも。みんなこの人知ってるの?

「会いたかったデス!マイ・フィアンセ!」

フィアンセ……?
ブンゴの………?

「オゥ!あなたがこの家の主人デスか?」

女の子があたしに聞いてきた。

「えっ………えっと………まあ………はい……」
「オォ!ではご挨拶しなくちゃデスね!」

え、挨拶……?

「はじめマシテ!私は山下ブンゴのフィアンセの、御影=ハスター・純デス!よろしくネ!」


…………え。

「えぇええええぇええ!?」

続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.469 )
日時: 2017/03/14 21:38
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

>>アッキー

じゃあタメ口で、アッキーって呼ばせてもらうね!ワタシのこともタメ口でオッケーです!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.470 )
日時: 2017/03/15 15:38
名前: アッキー (ID: nyr1MBL9)

アッキーでーす!
タメ口で良いなら私もタメ口でいくね!
あのー
ホープスプリングってちょっと長いから次からホープって呼んで良い?

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.471 )
日時: 2017/03/15 18:07
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

>>アッキー

もちろん!ちょっとワタシの名前長いからね!よろしくね!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.472 )
日時: 2017/03/15 19:04
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

ホープありがとう!
こちらこそよろしくね!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.473 )
日時: 2017/03/15 21:10
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

では続きです。


「何なんだ朝から。騒々しい」

ゲ、ゲンパチ。いつからそこに……

「たった今来たところだ」

そうなんだ……って!

「今はそれどころじゃ……!」
「確かに、そうだな」

ゲンパチ!何でやけに落ち着いてんの!?

「やはり、御影さんは来ていましたか」
「オォ!ゲンパチ!久しぶりネ!」

えっ、ゲンパチとも知り合いなのこの人!
どういうことなの!?

「彼女の親とは、とても重要な取引があるんだ。その取引を成功させるかわりに、彼女とうちの弟を婚約関係してほしいと」

それでブンゴはあっさりオーケーしたの…?

「いや、最初はブンゴも反対していた。だが、それをうちの親が許さなかった」

その瞬間、ゲンパチが暗い顔をした。
……もしかしてあたし、なにか聞いちゃいけないことをきいちゃったかな……

「今だって、ああやってブンゴはなにもできずにいるが、本当は………」

え、本当は、なに?

「……いや、なんでもない」

…なにが言いたかったんだろう…

そしてその女の子をよくみれば、とっても美人。
目はガラス玉みたいな透き通る水色の瞳に、サラサラでツヤツヤしてそうな綺麗な金髪を腰までおろしていて、背はダイカと並ぶくらい。

確かにこの人なら、ブンゴの婚約者って言われても、違和感ないような……




………………なんか…………………




__________いやだ。


ってあれ。あたし、なに思ってんだろ。
…あはは、あたし『いやだ』なんて、なに考えてんだろ……

っていうか、ソウスケも、ダイカもさっきから固まったままなんだけど。そんなこといったらブンゴもだけどね。

「おまえ、何でこんなところに…」

ソウスケ?

「おぉ、ソウスケサン!アナタもここの住人だったんですネ!」

ガバッ!

「ちょっ!おい……!」

ブンゴに続いて、ソウスケにまで抱きついてる。
それより、知り合いだったの?

「あぁ、占いの仕事先で一緒になることが多くてさ。御影は、最近占い師として有名になってきたんだよ」

そうだったんだ…占いの仕事もやってたんだ…

「それよりも御影、人にいきなり抱きつくのはやめろってこの前の仕事でも言ったよね」

……いや、ソウスケもそれやってるよ。

「てめえもな」

ほらブンゴにも言われた。

「それが挨拶というものデショ?」

御影さん、キョトン。

それでふとダイカをみれば、ずっと驚いた顔をして固まったまま。
でもすぐふっと表情を変えた。

「……まさか、こんなところでまた会えるとは……」

それはなんだか………とても、悲しげな表情。
そしてソウスケから離れた御影さんに歩み寄った。

「_____久しゅうござるな、御影=ハスター・純」

そのダイカの声にハッとしたように気づき振り向いた御影さん。
しばらくして、ダイカと同じような切ないような表情になった。

「……元気でしたカ、ダイカ」


続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.474 )
日時: 2017/03/15 22:01
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

続き。


「_____元気でしたカ、ダイカ」


え、二人は一体どういう関係…?
と、その時、

「みんな、遊びに来た、かも」
「なんだなんだ?みんなして深刻そうな顔して」
ケノとミッチーがきた。それにシノが気づいて、

「えっと、みなさん、ここで立ち話をするのもなんですし、お茶にしましょう」

シノが言ってから、みんなそれぞれ席についた。


「……で、なんでおまえがここにきてんだよ」

まずはブンゴが話を切りだした。

「私は、私のフィアンセがどのような方なのかをちゃんと知りたくて、ここに来たんデスヨ」
「オレらがどこに住んでるのかも勝手に調べたってのか」
「イエ、アナタには申し訳のないことをしてしまいマシタが、心を読ませていただきマシタ」

この人も、ソウスケと同じように心を読むことができるんだ……

「だからってやっていいことと悪いことがあんだろ」
「おいブンゴ、今は落ち着け」
「落ち着いていられっかよ……」
ソウスケがなんとかブンゴをなだめてくれた。

「それで、話を戻すと…御影はブンゴに会いに行くために、ここに来たの?」
「その通りネ」
「本当にそれだけ?」

それだけって……どういうこと……?

「…さすがはソウスケサン、鋭いですネ」

え?なになに?

「___ソウスケサンの言うとおり、それだけではないんデス。ここにいけば、ダイカに会えるかもしれないと、自分の占いに出ていたから……」

___それでここに来たのかな。

「……本当に、お互いにこうやって会うのは、久しぶりでござるな」

ダイカが下を見ながらゆっくり目を細める。

「____そうデスね」

御影さんも顔がくもる。

そもそも、

「二人は、一体どんな関係だったの?」

あたしが聞くと、ダイカがこちらを見て答えてくれた。

「ミーと純は、昔からの付き合い……つまり、幼馴染でござるよ」

幼馴染だったんだ……

「____今から話すでござる。ミーと、純の間に何があったのか」


続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.475 )
日時: 2017/03/19 17:24
名前: うさぎちゃん (ID: SR0aabee)

やほー!うさぎでーす!!
スプっち、おひさ☆☆
最近カキコ来てなかったからなぁ(汗)

さすがスプっちだよー!
相変わらず、めちゃうまだよー♪
面白い!!続き楽しみ!頑張って!

アッキーさん、はじめまして!
呼びためokですか?
私はokです!ヨロシクです!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.476 )
日時: 2017/03/19 18:45
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

うさぎちゃんはじめまして!
アッキーです!
タメ口OKです!
私は『さとみちゃんちの8男子〜一難去ってまた一難?!〜』を書いています。
よければ来てください!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.477 )
日時: 2017/03/27 14:18
名前: ホープスプリング (ID: ak9ikTR3)

>>うさぎちゃん

お久しぶり〜!確かに最近カキコにきていませんでした(汗)
ちょうどこの前卒業式を迎えたばかりだったもんで、バタバタとしてて…
いえいえ上手いだなんてとんでもない!でもうれしいです!ありがとう!
更新頑張ります!

>>アッキー

来てくれてありがとう!こんな駄作に来てくれるなんてうれしいよ(泣)
「スプリング何泣いてんの?」
「スプリングでも泣くんだ」
……おいおい誰だスプリングでも泣くって言ったやつは。

更新頑張るね!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.478 )
日時: 2017/04/14 16:43
名前: ベル (ID: CCab1VcE)

ホープって、高校生だったの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は小5!
更新、頑張って!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.479 )
日時: 2017/04/14 17:27
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

ベルちゃんは小5だったのね!
ワタシもあっというまに高校生ですよ〜。
まだまだ分からないことだらけだけど笑
更新頑張ります!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.480 )
日時: 2017/04/14 17:33
名前: ベル (ID: CCab1VcE)

ホープ!訂正だよっ!

私の年齢  小6です!

間違えてた〜〜〜〜

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.481 )
日時: 2017/04/14 19:03
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

小6だったのね!オッケー!了解!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.482 )
日時: 2017/04/15 07:15
名前: ベル (ID: CCab1VcE)

今日も更新、頑張って!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.483 )
日時: 2017/04/15 12:12
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

ベルありがとう!

ではでは、久々の更新。


「___今から話すでござる。ミーと、純の間に、何があったか」

ダイカはゆっくりと御影さんの方を向いた。

「純、話してもよかろう?」
「……イエス。私のことを知る、良い機会のはずですカラ」

頷いたダイカは前を向き、目をとじた。

____ミーと純が最初に出会ったのは、とても幼いころでござる。ある日、父上と母上がミーに外で遊んでおいでと、言ってくれたのでござる。そのころのミーは、父上と母上からは、なかなか外で遊ぶことを許してはくれなかったので、その言葉を聞いた時は、本当に嬉しかった。

___その後、外に出たミーは、色々な場所を散策したでござるよ。城の周りや、近くを流れる小川、それからミーがいた国の町の人たち……どれもミーにとっては、楽しいものでござった。

___そして、国を一望できる丘を見つけたのでござる。その景色はそれはそれは綺麗なもので、皆にも見せてあげたいくらいでござった。……その時に、初めて純と出会ったのでござる。

___丘の上にたった一人、女の子が座っていたでござる。ミーが近づくと、その女の子はこちらを向いて、きらびやかな笑顔を向けてくれたのでござる。女の子はミーにこう言ったでござる。
『こっちにおいでよ。一緒に見よう』と。

___ミーはその女の子の隣に行き、一緒に景色を見ていたでござる。そのあと、女の子はミーに話しかけたでござる。
『私の名前は、純。上の名前は長くてめんどくさいから言わないけど、純って呼んで!』

___そのころのミーは少々、人見知りだったゆえ、そのようなことを言ってきて、驚いてしまったでござるよ。もちろん、ミーの名前も名乗ったけれど、声が小さくなってしまってのう。でも、純はそんなミーを、面白いと言ってくれた。

___それからというもの、父上と母上には黙って城を抜け出しては、丘まで一直線に走り、純を見つけて、たくさんのおしゃべりをしたでござる。
お互いの趣味や、好きな食べ物、好きなタイプ……

「…あれ。今好きなタイプって言った?ダイカ、小さいころにもうそんな話してたの?」
「まぁまぁ、細かいことは気にせずに」

うまいことかわされた………

___純と話していた時間は本当に楽しかった。あっというまに時は過ぎていったでござるよ。でもこの時のミーはまだ気づいていなかった。純の小さな異変に。

___ある日、いつものように丘の上から景色を見ていたら、純がこちらを向いてこう言ったでござる。
『ダイカくんは、私と一緒にいると、楽しい?』とな。
もちろん、ミーは本当に楽しかったので、大きくうなずいたでござる。うなずいたミーを見た純は、とても嬉しそうな、かといって儚げな笑顔を向けて、お礼を言ったでござる。

___次の日、また気づかれないように城を抜け出して、丘へ行ったでござる。でも、純の姿は見当たらなかった。その時は、たまたま来れなかったのだろうと、思っていたでござる。気を新たにして、次の日にも、丘へ行ったでござる。でも、その日も純の姿は見えなかった。次の日も、また次の日も、さらに次の日も行ってみたけれど、純の姿は、どこにも見当たらなかった。

___ミーは絶望的な気持ちであった。同時に、ミー自身のことも責めた。ミーが気づかないうちに、彼女を傷つけてしまっていたのではないかと。でも、今更そんなことを思っていたとて、純にわかるはずもなく、ミーたちの関係は終わったのでござる。


「そうだったんだ……」

そんな辛い過去があったなんて……

「……わかりきったことデシタ。もともとダイカのいた国を去ったのは、まぎれもない私なのだかラ」

御影さんは、深いため息をついた。

二人とも、辛かったんだね……


続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.484 )
日時: 2017/04/15 17:21
名前: ベル (ID: CCab1VcE)

更新更新〜〜〜〜〜〜〜

待ってまーす♪

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.485 )
日時: 2017/04/16 08:22
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

ベルありがとう!

では更新です。

「ダイカ様と御影様にそのようなことがあったなんて……衝撃ですね」

シノがダイカと御影さんを交互に見た。

「なんか…悲しい再開かも」

ケノはシンベーの毛皮に顔をうずめた。

「……で、ハスター。お前は、今日はどういう用件でここに来たんだよ」

ブンゴはめんどくさそうに頭をかいた。

「なんか理由があってここに来たんだろ」

御影さんはブンゴを見て微笑んでから話した。

「そうデスヨ。先ほども言ったように、自分のフィアンセがどういう人物かを確かめるのも、目的のひとつですガ、ダイカに会うのも、目的のひとつに入ってマス」

ダイカは少し反応した。

「あの別れから時が経ち___私にはこうやってフィアンセがいるということを見せてあげたいと思っていまシタ」

なっ!まさかダイカに見せびらかすためにわざわざここまで来たっていうの!

「…………………」

ダイカ、ずっと下を向いたままじゃん!

「ちょっと!いくら何でもダイカに向かってそんな言い方……!」
「サトミ、落ち着けって」

ソウスケ!

「だって、そのためだけにダイカに会って、挙げ句の果てにそんなことを言うなんて……!」

ひどいにも程がある!

「サトミ殿、ソウスケ殿の言う通り、気を静めるでござる。___それに、純にそんなことを言われたとて、ミーは気にしてないゆえ、平気でござる」

でも………!

「それに、ミーは嬉しいのでござる。こうして、また元気な純の姿を見られただけで。……それでじゅうぶんにござる」

ダイカ…………

「………オゥ!もうこんな時間デスネ!それじゃあ、私はこれで失礼させてもらいマス!」

御影さんはそう言って立ち上がり、次の瞬間、こんな行動に出た。

___みんなの見ている前でブンゴに近づき、顔を寄せて、ブンゴの頬に___

「なっ!!」
「おい!」

あたしは絶句した。今の光景が信じられなくて。もちろん、ブンゴも。

「また遊びに来マス。グッバイ!」

そして、家を後にした。



「……っ何なのあの人!」

あたしは我慢の限界だった。

「まぁまぁサトミ!どーどー」

ミッチーがあたしをなだめたけど、あたしはまだ許せなかった。

「ダイカにあんなひどいこと言ってみたり、ブンゴにもっ……!」
「あれが彼女自身のやり方なのだろう」

ゲンパチ!なんでそんなに落ち着いてられるの!

そしてブンゴはというと。

「ちょっと!ブンゴもなんか文句のひとつでもないの!?」
「………あ?………あぁ」

あっけにとられたままだった。

「もぅーー!!」

本当になんなのあの人!


続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.486 )
日時: 2017/04/16 09:15
名前: ベル (ID: CCab1VcE)

ブンゴぉ〜〜〜〜〜〜

続き楽しみ♪

頑張って!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.487 )
日時: 2017/06/15 18:57
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)


日にちがかなり空きましたが…

久々の更新です↓



嵐のようにこの家を去っていった、天使とも、悪魔ともとれる御影さん……

あたしたちはあっけにとられたまま、しばらくの間、動けなかった。

それでもボーッと突っ立ってるわけにもいかないから、あたしはみんなに声をかけた。

「…と、とりあえず、ご飯にしよっか!こんなとこにいてもあれだし…ね!」

あたしに続いて、シノも。

「そ、そうですよ!ご飯にしましょう!サトミ様、ナイスアイデアです!」

そう言ってから、シノはそそくさとキッチンへと消えた。




その後、なんとなく気になってブンゴたちを見たら、

「「「……………………」」」

ソウスケはあたしの視線に気づいて、こちらを向いて、肩をすくめてみせた。
ブンゴは、困ったような、怒ってるような複雑な表情を浮かべてるし、ダイカは、ずっと下を向いたまま。

3人の間には、とっても気まずい空気が流れていた。

………え〜っと。どうしたらいいこの状況……?

と思ってたら、ソウスケが手を二回叩いた。

「はいはいこれ以上気まずい空気流すのやめ!シノも夕飯作ってくれてるわけだし、ほらほら、行った行った」

いつまでも動かない二人を促してくれた。

「ありがとね、ソウスケ」

ソウスケにお礼を言った後、彼はこう言った。

「いや、先に動いてくれたのサトミだしさ。……ところで、あの二人にやけに動揺してたけど……あれは絶対何かあったっぽいね」

…うん。確かに……

「しばらく二人の様子、見てみないか?」
「そうだね。気になるし!」

ソウスケと頷きあったあと、ブンゴとダイカの様子を、しばらくみてみることにしたんだ。

でも、二人に特に目立った様子が見られなくて……

半年が過ぎていった。

そして_____また嵐のように、御影さんはうちにやってきたんだ……

続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.488 )
日時: 2017/06/15 20:40
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

お久しぶりホープッ!

やっぱりホープの小説は面白いねっ!
これからも頑張って(^_^)v

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.489 )
日時: 2017/06/15 20:50
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

アッキ〜〜!久しぶり〜!
面白いだなんてとんでもない!アッキーの方が面白いよ!
でもこんな駄作でも面白いって言ってもらえて嬉しいです!
これからも頑張ります!
アッキーも頑張ってね!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.490 )
日時: 2017/06/18 10:17
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

ホープ面白いって言ってくれてありがとっ!

私も頑張りますっ!
超たまにでいいから来てくれると嬉しいですっ♪

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.491 )
日時: 2017/06/24 13:25
名前: SUZU (ID: 4.2P0hz.)


ホープスプリング!!!

久しぶり!
覚えてる、かな?
今日ね、久しぶりに2作品、更新したよ!
ほんとに久しぶりすぎて、どういう風にやるか忘れたりしちゃったけど
でもね
やっぱりカキコ楽しいね
これからもちょくちょく来れるように頑張る!
ホープスプリングもがんばれ!
今からこの作品をゆっくり読んで行きたいと思いまーす!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.492 )
日時: 2017/06/25 10:43
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

SUZU〜!久しぶりです!
もちろん、覚えてますとも!
わたしの駄作にきてくださり、本当に感謝しておりますですよ!

「おいスプリング、せっかくSUZUが来てくれてるんだから、ちゃんとやれよな」

…ブンゴくん。君には言われたくない。

わたしもあまり更新できてないから、更新頑張ります!
SUZUも頑張れ!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.493 )
日時: 2017/06/25 11:19
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

ではでは更新。


____数ヶ月たった、梅雨の時期のある日____

あたしたちは、学校が終わって家に帰って来てからしばらく、くつろいでたんだ。

「…はぁ…今日も学校疲れた〜…」
「サトミ〜!今日も学校お疲れ様!」

ガバッ!

……はい。お約束です。いつものことながら、ソウスケが抱きついてきた。

「ソウスケ!いい加減抱きつくのやめてよ!」

あたしがそう言うと、ソウスケは離れてくれた。

「サトミが疲れてるから、癒してあげようと思ってさ♪」
「いいからそういうの!」

それでふと、あたしはあることを思い出した。

「ソウスケ、あれから御影さん見かけなくなったけど、何か分かった?」

そのことを話すと、ソウスケの目つきが真剣なものに変わった。

「いや……まだなんとも言えないだよな」
「そっか……」

突然家に来て、突然去っていった御影さん。まだまだ分からないことがたくさんあるから、謎が増えるばかりなんだよね……

「でも、今日は……」

ソウスケはそう言って、何か考えてるみたい。

「今日の占い、なにか不吉なことが書いてあったの?」
「そういうわけじゃないんけど…」

ソウスケは小さな声で話し始めた。
丁度キッチンでは、ダイカとシノが夕飯の支度をしてる。それを配慮して小さく話そうとしてるのかな。

「占いに、また近々来るかもしれないっていう結果が出てるんだ」
「えっ、そうなの?」
「ああ。でも、今回の方がちょっと色々厄介かもしれない」

厄介?厄介って…………

「ソウスケ、それってどういう____」

あたしが言いかけたところで、

「おい。なにコソコソ話してんだよ」

……ブンゴが来てしまった。

あたしたちはとっさに立ち上がった。

「ブ、ブンゴ!いたんだね!いつからそこにいたの!?」
「ついさっきからいたけど。なんか文句ある?」

…いえいえ。とんでもない。

「これはこれはコブンゴちゃん!奇遇だね!おれも今さっきここに来たばっかなんだよ!」
「てめーはあいかわらずウソくせえな」
「失礼だな〜。本当だよ。そうだよね、サトミ!」

うわっ!話あたしにふっかけてきた!

「そ、そうだよ!ソウスケ今さっき来て、ソウスケの占いの仕事について、話し合ってたんだよね!」

ブンゴは不審に思ったのか、しばらくあたしのことを見てたけど、ため息をついてから、

「あっそ」

と言って、そのままお風呂場へと消えていった。

「ふぅ…なんとかバレずに済んだかな」
「いや、あの感じだと、多分勘付かれたな」

えっ!

「でも、あえて言わなかったのは…なんでだろうな」

結局さっきの話の続きを聞くことができないまま、その日は終わった。

___嵐が起こるまで、もう少し___

続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.494 )
日時: 2017/07/10 20:43
名前: ホープスプリング (ID: SFu6B5ia)

では続きです。



あれからなんだか、最近ブンゴの様子がおかしい。なにかと理由につけてあたしに意地悪をしてくる。

ん?どんなことされたかって?例えば……………

あたしがテレビを見てたら、いきなりブンゴが来てリモコンのボタンをブチって切ったり、あたしのお菓子を横取りしたりとか。

その様子に、少なからずソウスケも気づいてるみたい。でも_____

「あいつの心の中までは見れないんだ」

だって。

もちろんあたしだっていつまでもやられるわけにもいかないから、ちゃんとやめてって言ってるよ。でもブンゴは、ツーンとそっぽを向くだけ。

それに、なんだか日に日にエスカレートしてきてるような気もする。

あたしも困ってるんだよね。

ホントにブンゴ、どうしちゃったのかな。ダイカもあれからあまりしゃべらなくなっちゃったし。


__数日後__


ガチャ……

「ただいまぁ……」

梅雨の時期だっていうのに、今日はなぜか太陽がギラギラ輝いて朝から気温が一気に上昇。一体なんなのこの異常気象。

「あっつ〜い…」

制服で少しパタパタさせてると。ちょうどブンゴがリビングに入ってきた。

あたしは気にしないで、少しでも涼もうと、あおいでたんだ。

エアコンはさっきシノに、

「電気代がかかるのでダメですっ!」

って言われちゃった。

少しぐらいつけたっていいのに〜。

そんなことを思っていると。

「あおいでやろうか?」

見上げたらブンゴの姿が。

……………ていうか、近いような……………

「いっ、いいよ別に!あたし、扇風機出してくるから!」

そう言ってあたしは立ち上がって扇風機の入っているダンボールを探しに行こうとした。でも、次の瞬間______

「…………っ!?」

首に、かすかに感じたひやりとした風。

……今、ブンゴがあたしに、息を吹きかけたのだった。

「ちょっ、な、なにすんの!」

いきなりすぎて、びっくりしたよ!

「涼みたかったんだろ?」

……そ、そーいう問題じゃなくて!

……逆に、…て、照れ………

って!なに考えてんのあたし!

「じっ、自分の部屋に行く!」

今のあたしにはこれしか言い返せなかった。



そのあと、自分の部屋にこもって涼もうと思ったけど、かえってあつくなるばっかりで、結局涼むことができなかった。

ブンゴがあんなことするから!

___でも、あの時のブンゴの顔、少しだけカッコよかっ…………


っぐぁああああああなに考えてんのあたしは!

と、とりあえず寝よう!


続く

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.495 )
日時: 2017/07/10 21:09
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

ホープ〜!
また来たよぉー
いやぁ……サトミ………あなた恋心に目覚めましたね………
でも、ブンゴ君よ!サトミに意地悪するなよ!
あ、勝手にごめん!
次の更新楽しみにしてるねー

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.496 )
日時: 2017/07/11 16:52
名前: ホープスプリング (ID: nyr1MBL9)

アッキー!きてくれてありがとう〜!
果たしてサトミはついにブンゴに恋心を抱いたのでしょうか?
「そんなわけっ……ないでしょ!」
サトミはずいぶん動揺を隠せないようですが(^ν^)

更新頑張るよ〜!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.497 )
日時: 2017/07/11 19:54
名前: うさぎちゃん (ID: SjxNUQ9k)

三ヶ月ぶりくらいなうさぎです…(T ^ T)
全く来てなかった!!
改めて、お久しぶりです、スプっち( ´ ▽ ` )ノ
いやぁ、こなさすぎて、ページ結構戻ってきた笑笑
これから来れると思うので、更新されてたらコメントしていくね!
またよろしくね(‾^‾)ゞ

P.S. アッキーもお久しぶり!覚えてないかな(−_−;)
三ページくらい戻ってみたらいる!(=゜ω゜)ノ
改めてよろしくね〜(=´∀`)人(´∀`=)

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.498 )
日時: 2017/07/12 20:59
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

うさぎちゃん
お久しぶりー
こちらこそよろしくね!

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.499 )
日時: 2017/07/30 12:08
名前: うさぎちゃん (ID: 8comKgvU)

アッキー!!!
お久しぶり!覚えてくれててありがとう!こんな影薄いやつを!
ヨロシクね、ヨロs((

Re: サトミちゃんちの8男子〜初心に戻って〜 ( No.500 )
日時: 2017/08/05 22:10
名前: アッキー (ID: p81XYxhw)

影薄くないよっ!
逆に私の方が影が薄いしっ!