二次創作小説(紙ほか)

番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その④ ( No.188 )
日時: 2015/11/27 21:07
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

明久Side


これは毎度毎度の事だけど、あの忌々しい妖怪ババァの陰湿な企みにより、とんでもない状況に巻き込まれてしまった僕たち。恥ずかしい秘密や本音を喋ってしまう生意気な召喚獣を黙らせる為に僕や雄二たちは各々の召喚獣を抹殺しようと頑張っているんだけど———

「ぜぇ……ぜぇ……ふぃ、フィードバックが、地味にキツイ……」

———まあ、当たり前だけど僕(と造)の場合は召喚獣を傷つければ、そのフィードバックがもれなく付いてくるわけで……召喚獣を黙らせるたびに、身体の節々に痛みが走っている。ちぃ、ホントに面倒な召喚獣だよ!一先ずは僕の召喚獣が伸びている隙に、また暴走した時に備えて寝転んで僕自身の体力を回復していると……、

「あ、あのぅ……明久君?あんまり無理しない方が良いのでは?」

と、若干心配そうに寝転んでいる僕の顔を覗き込む【いつもの綺麗な(ゴスッ!)】瑞希の顔が見える。そうそう、さっきまで美波も瑞希と一緒にいたんだけど美波は———

【アキが喜んでくれて嬉しい♪ウチ、アキになら何でも———】
『アンタはホントに何てこと言おうとしてるのよ!?止めてっ!?お願いだからっ!?』

————とか何とか言って、【可愛らしく(ゴスッ!)】顔を真っ赤にして自分の召喚獣を連れて離れてしまった。美波の召喚獣が何を言う気だったのかは詳しくはわからないけど、美波もあの厄介な召喚獣には苦労しているみたいだね。

「あー……一応は大丈夫だよ?って言うか瑞希、そう思ってくれるなら何でまた僕に召喚獣を出させたのさ……?」

ちょっと疑問に思ってまだ体力が回復しきれていないから寝転んだまま瑞希にそう尋ねる事に。てか……今更僕に聞きたい事って何だろうか?瑞希に隠している事なんて全然【瑞希の料理以外(ゴスッ!ゴンッ!)】ほ、ほとんど無いハズだと思うんだけど……

「え、えっと……そのですね。ちょ、ちょっとだけ、明久君の意見を聞きたくてですね……」
「へ?僕の意見を?どゆこと?」
「その、明久君は……わ、私を……その」
「???何かな?」

と、モジモジとしながら何か言いたげに、でもまるでそれを言うのが恥ずかしいみたいに口籠る瑞希。……?何だろ一体?よくわからないけど瑞希の反応を見ると、何か恥ずかしいことを聞きたいようだ……?僕に聞きたくて、それでいて恥ずかしいことって言えば———ハッ!?

【もしかして僕が瑞希と美波に抱きつかれてからずっと、やらしいことを考えまくっていた事が実はバレてたとか?瑞希はそれを僕に確かめようとしているのかな?マズイっ!現在進行形であんな事とかこんな事とか考えまくっているから、もしここで瑞希に“明久君は変なこと考えていませんか?”とでも聞かれたりしたら———】
「飛んで逝け僕の召喚獣!お星様になって消えるんだっ!」

微妙に顔を綻ばせ、間抜け面でとんでもないことを語り出す僕の召喚獣。ええぃ!やっぱりコレは完全に消さないとどうにもならないっ!てか、こんなこと聞いたらきっと瑞希も流石に怒って———

「へ?あっ!だ、大丈夫ですよ!明久君がちゃんとそう言う事に関心があるのは———い、良い事です!だってそれくらい誰もが考えますよ!(ボソッ)そ、それを言うなら私も……」
「へ?そ、そう……?」

と、やたら身を乗り出して力説する瑞希。よくわからないけどそっか、あー良かった……てっきり呆れられたかと思ったよ。……ん?てか、聞きたい事ってそれじゃなかったのか。

「それじゃ瑞希、瑞希が僕に聞きたい事って結局何なのかな?」
「あっ……そ、そうでしたね。わ、笑わないで聞いてくれますか?」
「【???はぇ?よくわからないけど、それは大丈夫なんじゃないかな?てか、寧ろさっきから僕が笑いもの何だけどね……】」

笑いものになっている主な原因は、こんな風に変なところでシンクロしたり変なところで余計な事を喋ってしまうこの召喚獣と元凶のババァだけど。

「あ、あはは……そ、そうですか?では———」

深呼吸しながらも、瑞希は物凄く緊張した面持ちで少し声を震わせて、恐る恐る僕に尋ねる。

「明久君!わ、私———重くないですかっ?」
「【…………はい?】」

……瑞希にそう言われて、一時思考が停止する。オモイ?想い?思い?重い?どう言う事?考えられる話としては———

【———それはつまり、瑞希のその一般水準に比べて、かなり発育の良いミラクルな胸のメロンが重いと言う意味————】
「さぁ、僕と一緒に焼却炉の中へ逝くぞ僕の召喚獣っ!フィードバックが何のそのだっ!」

ああもう!真面目そうな話をしている時にまた余計な事をっ!ここまで来るとそろそろ瑞希にセクハラで訴えられてもいいレベルな気がするよ!?マジですんません!抑えきれない欲望の塊でホントゴメンなさい瑞希っ!大人しく焼かれてきます!

番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その④ ( No.189 )
日時: 2015/11/27 21:10
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

「お、落ち着いて下さい明久君!?その……か、身体の事じゃなく———もないんですが、いえ、その……確かに体重もちょっとだけアレかもしれませんが……」

と、お腹に手を当てて呟く瑞希。あ、何だそっちの事なのか。それにしても不思議だ。

「【……女の子ってどうしてそんなに体重の事気にするんだろう?痩せすぎよりもよっぽど健康的で良いと思うんだけどな?瑞希はちょうど良いと思うし?】」
「え!?そ、そうなんですか!?あ、ありがとうございま———ってそっちじゃなくて!違うんです!その、私の考えや気持ちが重くないかなって意味ですっ!」
「……ん?気持ちが?」

と、突然体重から別の話題に変えられた。…………あれ?いや待った、もしかして重い重いって、最初から気持ちが重くないかって意味だったのかな?これはしまった。どうやらちょっと(?)早とちりしてたみたいだね。女の子に重いって単語はNGワードトップスリーに入ると姉さんも言ってたし悪いことしちゃったかも。ゴメンゴメン瑞希。

「んー……別にそんなこと無いんじゃない?と言うか、どうしてそんなこと聞くのさ?」
「だって……例えばですが、私以前明久君と美波ちゃんに“距離を置かれている”って話をしましたよね」
「あー、うん。肝試しの時だっけ?」

思い返せば確かあの時から“姫路さん”から“瑞希”と呼び直すことになったんだよね。まあ、あれもある意味良い想い出だね。

「それなんですけど……後で冷静になったら、明久君たちを困らせたんじゃないかなって思ったんです」
「へ?」
「明久君も美波ちゃんも……私の事、大事にしてくれているのに、私は結局二人に甘えて、子供みたいに駄々を捏ねて何だか困らせちゃうことばっかり言っている気がするんです」

そう、かなぁ?瑞希甘えてたっけ……?正直そんな記憶ないんだけど……?

「いや、別にそんなこと———」
「いいえ。やっぱりそんなことあるんです。“距離を置かないで欲しい”って言っておきながら、まるで自分からお二人に距離を作ってしまっていたり、いつもお二人に支えられっぱなしだったり。そんなことを考えている時点で何だか私って、重い人間なんだなって思うんです……」

……んー?そうだろうか?まあ、確かに瑞希はちょっと考え過ぎなところがある気はする。今この瞬間だってそうなんだよね。普通ならそんなこと気にしなくていいと思うのに。

「自分でも直さなきゃって思っているんです。もっと明久君と美波ちゃんともっと親しく仲良くなる為にも、考えを柔らかくしなきゃって。そうじゃなきゃ私は、このまま二人とも押し潰すんじゃないかなって。でも……正直どうしていいか私ではわかりません。そもそもお二人がその事をどう思っているかも、わかりませんし」
「それで……僕の本音が聞きたくなったってこと?」
「はい……ちょっと卑怯だとは思ったんですけど、これからも明久君や美波ちゃんと一緒に居られる為にも———それで明久君、私重くないですか?こんな面倒な私は、嫌じゃないですか?」

そう言って物凄く緊張した面持ちで僕に問いかける瑞希。ふーむ、これはまたまた難題だね。まあ、瑞希らしいと言えば瑞希らしいかな?“こんな事”の為にわざわざ回りくどい事をする———とても可愛らしいところとかホント瑞希らしい。

「【まあ……そりゃ、重たくないって言ったら嘘になるかもね。瑞希が色んな事を考え過ぎなところは前々から知ってたしさ】」
「……あ、あはは、そうですよね……」
「【おっと!でも勘違いしないでね?】」
「え?」

どうせ本音も喋っちゃうんだし、僕が言う事は決まっている。思っている事瑞希に伝わるように思い切って喋る事にしよう。さあ、今の今まで余計なことばかり言ってた分、ちゃんと僕の言いたいことを伝えてくれよ僕の召喚獣。

「【誰もその事が苦になっているって言ってないでしょ?僕はね?瑞希の言う“重たい”って気持ちも想いも全部ひっくるめて瑞希の事を大事だって思っているんだ】」
「……明久、君」
「【迷惑?困らせる?瑞希わかってないね。寧ろドンと来いだよ。と言うか、今更気にしないし、もっと瑞希は甘えても良いんじゃないかな】」
「で、でも……私は甘え過ぎで———」
「【そうね。それに瑞希?アンタはウチとアキを嘗めてないかしら?】」
「……え?み、美波ちゃん!?」

と、ちょっと反論しようとした瑞希を遮るように、いつの間にか傍に来ていた美波がニッと笑いながら話に加わった。おお、グッドタイミング美波。

「【悪いけど、アンタ程度の重さを支えるくらいワケないのよ。と言うか、ウチらって支え支えられの関係でしょ?何を今更“自分は重たい”って言い出すのよ?今度そんな事言ったらその重そうな胸をウチが貰うわよ!と言うか今すぐその重そうな胸ウチに寄こしなさいな!】
「【み、美波?……話逸れてる、何だか話逸れてるよ?———コホン、まぁ瑞希には僕らが瑞希を支えているように見えるかもだけど、逆に僕も美波も瑞希に支えられていることだってたくさんあるんだ。それはきっと瑞希が気が付いていないだけでさ】」
「美波ちゃん……明久君……」

そう言って僕と美波が笑うと、瑞希はフッと肩の荷が下りたような顔で僕らに続き笑う。……うん、良かった。もう大丈夫みたいだね。これならもう心配いらなさそうだ。やれやれ、何だからしくない会話の反動か、ちょっと気が抜けたかも。

番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その④ ( No.190 )
日時: 2015/11/27 21:23
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

「あ、あはは♪ありがとうございます二人とも。聞きたいことはもう聞けました」
「そっか。まあ、瑞希が満足できたなら良かったよ。ね、美波」
「そうね。全く……アキに何を聞きたかったのかなって思ったら、そんなことだったの瑞希?ウチはてっきりあんな感じの事を聞きたいのかと思っていたわよ」

そう言って、美波が向こうで何やら騒いでいる連中を指差す。ん?あんな感じって何だろ?

『……雄二。私は雄二が大好き。雄二はどう?私の事、どう思ってる?』
『ふん。くだらねえ。そんな質問に答える義務は』
【俺か?そりゃあ俺は勿論———】
「唸れ俺のハリケーンシュート!」
【みぎゃぁあああああああああ!】
『……雄二、召喚獣虐めちゃ可哀想』

『こーたくん、今度ボクが着る下着、一緒に買いに行かない?こーたくんに選んで貰うってことで♪』
『…………興味ない』
【…………すべての予定をキャンセルして死んでも行く(ゴスッ!)叩くな】
『…………黙っていろ俺の召喚獣っ!』
『にしし♪ホントに召喚獣は素直だね〜♪なら次の日曜にでも行こうか♪』

『ホラホラ、他にもあるんでしょ造くんに秀吉、言ってみなさいな』

《『黙秘権を使わせて貰います(貰うぞい)!』》

【多い月には、学園内の過半数以上の男子からの告白、中学男子100人以上のからのラブレターが———】
【この前たまたま会った葉月さんから聞いた話によると、葉月さんの通う小学校で知らない間に自分が伝説のお姫様扱いになっているとか———】

『ふむふむ、なるほどね〜♪』

《『…………』》

うわぁ……向こうは向こうで皆めちゃくちゃ苦労しているみたいだね。まあ、お疲れさんとしか言いようがないけど。この本音召喚獣は本気で頭を痛めるなぁ……ババァは絶対後で滅することにしよう。

「み、皆さんも大変そうですね。私召喚しなくて良かったです……」

と、苦笑い気味にそう言う瑞希。くっ……あの時“サモン”とさえ言わなければ僕もさっきみたいな赤っ恥は……ん?と言うか、そう言えば僕、瑞希の策に引っかかって召喚させられたんだよね?何かちょっと理不尽だ……あ、そうだ!なら折角だし———

「まあ、そうだね瑞希。……ああ、ところで大変で思い出したけど、瑞希も大変だよね。———Gクラスにいる“左門さん”の件は大丈夫なの?」
「左門さん?……あっ!そうそう!そうだったわね!瑞希、“左門さん”との件アンタ忘れてないでしょうね?」

僕の召喚獣に考えを読まれる前に瑞希にちゃっかり話しかけることに。美波にもアイコンタクトで僕の考えを教えたらすぐに乗ってくれた。ふふん、瑞希?今完全に自分は被害が無いだろうって思っているでしょう?甘いってことを今すぐ教えてあげるね☆

「へ?何の事ですっけ?Gクラスの“左門(サモン)”さん?誰です?そんな人、聞いた事も……それに、Gクラスなんてうちの学校には———あっ!」


ポンッ! ←瑞希の召喚獣登場


「「ウェルカム瑞希!さぁ、存分に本音で語り合おうじゃないか(語り合いましょう)!」」

「なっ!?だ、騙しましたね二人とも!?い、イジワルですよぅ!」

いやいや?僕らはただ、瑞希もやっぱり仲良く同じステージに立って貰いたかっただけだよ?嬉しい事に、瑞希も僕らの(地獄の)暴露大会参加決定♪いやぁ、本音で語れる仲間が増えるって喜ばしいよね!

「だ、大丈夫ですっ。私には隠し事なんて」
【実は、さっきから明久君がHなことを考えていた時、私もたまにヘンなことを考えちゃってて明久君と美波ちゃんをまともに見られないっていう———】
「いやぁああああああああああああああっ!?」

瑞希は大慌てで自分の召喚獣の口を塞ごうとしていた。ふふふっ……こっち側にようこそ瑞希!愉しい愉しいゲームの始まりだよ!

「甘いわね瑞希。隠し事のことなんて考えるから逆に召喚獣が口にしちゃうのよ」
【ウチね、毎晩アキと瑞希が夢に出て来て貰えるように、枕の下にアキと瑞希の写真を———】
「こんな風にぃいいいいいいいいいいいっ!?」

美波も瑞希と同じように飛びかかる。ふっ……二人とも、まだまだ未熟のようだね。隠し事について考えるからそんなことに、

【隠し事?隠し事って僕が夜寝る時と朝起きた時、決まって瑞希と美波の写真に話しかける———】
「でぇやぁあああっ!クタバレ僕の召喚獣よ!」
【ふぎゃぁあああああああああああああっ!!】

この忌々しい召喚獣を、全力でゴミ箱へダンク。フィードバック?心の痛みに比べれば何てことないさ!

瑞希の参加により、いつもの僕たちFクラスメンバー全員の召喚獣が召喚されたことに。この暴露大会から解放されるまで、まだまだ時間があるようだね。これからどうなるんだろうか……何と言うか、もう不安しかないんだけど……?






———同時刻———


『あ、あの!久保君っ!』
『ん……?おや、君は確かEクラス代表の……』
『う、うん!Eクラス代表の中林です!』
『ああ、中林さんか。こんにちは。それで、僕に何か用かな?』
『え、えっと……その!き、聞きたいこと……あって“さ。問”題なければ聞きたいことがあるんだけど……じ、時間大丈夫?』
『時間?ああ、大丈夫“さ。問”題演習をさっき解き終わって後は帰るだけだったからね』


ポンッ! ×2 ←中林さん&久保君の召喚獣登場


【い、いきなり久保君ってどんな人がタイプなのか、なんて聞いたら引かれるよね……こ、ここは遠回しに質問して少しづつ尋ねていくべき———】
【好きなタイプ?うん、吉井君の全てかな。あんなにも無防備で愛らしくて素晴らしい。あのバカな行動にあのバカな発言。あのバカな仕草、どれをとっても愛おしいよ】

『『…………』』

『え、えっと……こ、これは……?』
『…………何だろうね?召喚獣の暴走かな。ちょっと気になるから職員室に行って先生方に尋ねてくるよ。と言うわけで中林さん、すまないが失礼するね』
『え、あ……うん……おつかれさま……』






『…………よ、吉井ィ!あ、あんたいつか覚悟しておきなさいよねぇ!!』

……そうそうちなみにこれは余談だけど、僕が全く知らないところで僕は全く関与していないと言うのに再び中林さんを僕が原因で怒らせることになったのはまた別の話だね。うん、やっぱこの召喚実験って誰も幸せになれないロクでもない実験だよねホント……