二次創作小説(紙ほか)
- 番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その⑤ ( No.191 )
- 日時: 2015/12/04 21:12
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
秀吉Side
「「「「どりゃあああああ!!」」」」
【【【【ぎにゃあああああ!!】】】】
ワシ・明久・雄二・ムッツリーニの四人がハモるようにそれぞれの召喚獣をゴミ箱に蹴り込む。この作業は、本音を喋ってしまう召喚獣の試運転が始まってから、一体何度目じゃろうな……?
「くぅ……どうしてワシらがこんな目に……もう身体が持たぬぞ」
「まったく、だ……実体化した召喚獣がここまで厄介だとは……」
「…………今日はいつになく、ハードだ……」
「はぁ、はぁ、はぁ……秀吉と雄二とムッツリーニはまだいいよ。僕なんて、フィードバックまで付いてくるから」
四人で何とか息を整えながらこの状況を嘆く。まあ、そんなことをしてもどうにかなると言うわけではないのじゃがの……
《うぅ……それでもアキさんたちは召喚獣を止められるからまだいいじゃないですか。自分は本音や秘密を全く抑えようがないんですよ……?》
【秘密と言えばこの前デパートに買い物をしに行った時、迷子と勘違いされて———】
《あぁもう!?ホントに抑えようがないんですからっ!?》
そしてある意味一番厄介そうな造が涙目でワシらに語りかけてくる。そうか……造の場合は止めようにも自身が召喚獣じゃからの。止める媒体がない故に、どうしようもないようじゃな。
【それにしても、涙目な造は中々に保護欲を掻き立てられ———】
「口を噤むのじゃワシの召喚獣よ!?」
……本当に厄介じゃの。油断するとすぐコレじゃ。そうそう、ちなみにワシらと同じく召喚獣を出してしもうた姫路・島田はと言うと……
『うぅ……止めようとすればするだけ、この子たち、勝手に喋っちゃいますよね』
『どうしたらコイツら喋らなく出来るかしら……?隠そうとすればするほど隠したい秘密を喋っちゃうし』
【明久君の抱き枕……結局お母さんに見つかったんですよね。一応“最近の流行”って言い訳してみたんですが】
【ウチもバレたのよね……おまけにいつの間にか葉月に何枚か持っていかれたし、そのとこで家族会議に発展しかけたし】
少し離れたところで自分たちの召喚獣が話す本音を聞かれないよう必死でガードしておる。あの二人も手を焼かされておるようじゃの。……話している内容に若干ツッコミを入れたいが、それは今は置いておくとしよう。
「てか……何でこんなにも攻撃しているのに召喚獣が消えないのさ……?」
「…………俺たちの召喚獣の点数なら、もうとっくに戦死してもいいハズ」
と、明久とムッツリーニが息を整えつつ疑問を口に出す。むぅ、確かにおかしいのう……
《あー……多分ですが、これは試運転用に設定されているフィールド内の召喚獣だからだと思います。試運転中に消えてしまっては実験にならないので、滅多な事では召喚獣が消えないように設定されているはずなんですよ》
「だろうな……くそっ!あんのババァ、初めからこうなるってわかって仕組んだな……覚えていやがれ……」
と、造と雄二が同じく息を整えつつ応える。なるほどの、これでは対策が取れぬの。
「……雄二、もっと雄二の本当の気持ちを聞きたい」
「そうだね〜♪それと折角だし、普段聞けない皆の気持ちも聞いてみたいね〜♪」
「そうね。アンタたちのヒミツ、アタシも興味深いもの」
と、召喚獣を出していない姉上たちAクラス三人娘が余裕の表情でワシらに話しかける。まあ、この三人なら召喚獣を喚び出しても余裕な気もするがの。と言うか、姉上の本音を聞くのはかえって恐ろしいことになる気がする。ワシらについて普段何を考えているのやら?
「ん?どうしたの秀吉?アタシを熱っぽく見つめて♪惚れ直したのかしら?」
「改めて、姉上が何を考えているのかわからぬようになったぞい……」
……まあワシらの事以外、何も考えていなさそうじゃな。さて、どうしたものじゃろうか。ん?待つのじゃ———“何も考えていない”じゃと?これは……イケるやもしれん!
「のうお主ら。いっそ何も考えずに、瞑想……してみるのはどうじゃろうか?」
「「「《……瞑想?》」」」
と、男子メンバー全員が首を傾げつつ聞き返す。まあ、上手くいくかはワシにもわからぬが、
「妙な事を口走られるのは、ワシらが取り乱しておるからじゃろう?だったら修行僧になった気持ちで邪念を祓い、何も考えずに瞑想して気分を落ち着かせておればあるいは……」
《あ……なるほど、召喚者の無意識の中の意識を読み取って本音を喋るワケですからね》
「根底にある意識を空にすればあるいは……そうか、それならいける!ナイスアイデアだ秀吉!」
「そうすれば召喚獣も大人しくなるの!?や、やってみる価値あるよそれ!」
「…………良い案だ」
ワシの提案に全員が希望を持った目で頷く。と、その時。
「……雄二と吉井の召喚獣連れてきた」
「あはは♪こーたくんの召喚獣もつっかまえた〜♪」
「秀吉、アンタの召喚獣もちゃんといるわよ」
「「「「え゛?」」」」
と、霧島、工藤、姉上の三人がワシらの召喚獣を胸に抱えてやってきおった。い、いつの間に……っ!?マズイ、こうなれば一か八かさっきのワシの案を決行するしか……
「「「さぁ……皆の本音、聞かせて♪」」」
【【【【【本音?それは……】】】】】
満を持してワシらに質問してくる姉上たち。召喚獣が余計な事を喋る前に男子メンバー全員にアイコンタクト。そう、『瞑想をするのじゃ!』と。それに従い、大急ぎで座禅を組むワシら。頼むのじゃ……これで何とかなってくれいっ!
【【【【【…………】】】】】
と、ワシらの召喚獣は口をつぐみ、黙ってその場で座禅を組み始める。よしよし、思った通り効果ありじゃな。
「あれ?こーたくん?それに皆?」
「……雄二?返事は?」
「秀吉に造くん、どうしたのよ?」
【【【【【…………】】】】】
召喚獣は沈黙を守っておる。うむっ!これならいけるぞい!
- 番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その⑤ ( No.192 )
- 日時: 2015/12/04 20:55
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
『見てください美波ちゃん。瞑想したら大丈夫みたいですよ』
『ホント!? じゃあウチらも真似しましょ!』
【って瑞希と美波、スカートで座禅してんの!?見たい見たい!】
「しまったぁああああああああああっ!邪念がぁああああああああああっ!!」
「《あ、アキさん(明久)……?》」
……あ、明久の奴はこんな時なのにどれだけ欲望に忠実なのじゃ……?まああやつらしいと言えばらしいが……いかんいかん瞑想せねば。
【スカートで座禅……俺は翔子の———】
【…………俺は工藤のが———】
「「邪念がぁあああああああああっ!!」」
……め、瞑想瞑想。あやつらに気を取られてはならぬの。
「「あ、アキ(明久君)……」」
「ち、違うんだ!誤解だよ!そうじゃなくて僕は【なんだー。二人とも座禅じゃなくて正座じゃないかー】ごめんなさい!いやらしい事を考えてました!」
「……雄二、いつでも来て♪」
「ち、違うぞ翔子!俺は別に【そうか!いやぁースカートで座禅なんて言われたら反応するのが男の本能だからなー】ぐおぉおおっ!明久ぁああっ!テメェが余計な事を言うから連想しちまっただろうがぁああっ!!」
「あはは!こーたくん面白いね〜♪」
「…………違っ【…………あの時工藤はライトグリーンだった。今日は一体どんな】…………違っ!」
なんとも恐ろしい状況じゃな。一瞬の邪念が命取りになっておるの。そうそうちなみに、
【ツ、ツッコミたい……この状況でもそう言う想像が出来るアキさんたちにも……女性陣の皆さんの反応に対しても、いえ、寧ろこの状況そのものをツッコミたいっ……!】
《うぅ……瞑想に集中できません……》
……根っからのツッコミ役の造は、別の意味で苦悩しておった。更に、
【んっと、今日の私の下着はピンクだったよね?】
【ウチはみずいろだよ〜】
「「いやぁああああああああああああああっ!!」」
女性陣もこの通りじゃな。とにかく改めてこのまま瞑想を続ける事に。
『ねぇねぇ、こーたくん。それに皆』
『……雄二』
『秀吉に造くん?他にはないのかしら?』
「「「「《…………》」」」」」
目を閉じている中女性陣が呼びかけるが、ワシら迷走状態を崩さずにジッと座禅を組み続ける。外界の情報を遮断せれば後は何とかなりそうじゃからの。
『ん〜、なんだか静かになっちゃったね』
『……困る。雄二にまだ色々と聞きたいのに』
『そうね……まあ、流石に対策取られたかしらね?』
安全地帯の三人の呟きが聞こえる。何やら面白そうな事を期待しておるようじゃが、ここから先はただひたすらタイムアップを目指し瞑想するだけじゃ。
『あ。そう言えばボク、さっきこの教室に入る前、学園長先生に会ったんだけど』
『……うん』
『その時、全員の動きが無くなったら使うようにって渡されたものがあったんだよね』
『ん?渡されたもの?何よそれ』
『えっと、この箱なんだけど、なんかここから1枚ずつ取り出して、ソレを読み上げなさいって』
……?少し気になり薄眼を開けてみると、工藤がいくつかの箱を取り出した。何じゃアレは———おっと、いかんいかん。瞑想を続けねば。
『箱の中に三枚のカードが入っているわね』
『……もしかして連想ゲーム?』
『よくわかんないけど、そういうことかなぁ。まぁとりあえずやってみよっか。えっと、まず一枚目。はい』
『……“しましま”?』
『はい、二枚目』
『えっと、“ピンク”ね』
『はい、三枚目』
『……“みずいろ“』
『この三つから連想される物か〜なんだろうね?』
『……難しい』
『んー……アレかしら?多分———』
【【【パンツ!!!】】】
【アキさん、ゆーさん、こーさん……】
【お主ら……随分想像力が逞しいのう】
三人の召喚獣が力強く答える。お主らはホント懲りんのう……と言うか、今のでよく“それ”と想像できるのう……?気を取り直して再び無心状態を保てるように心がける事に。
『じゃあ、次行くね。一枚目はこれだよ』
『“浴衣”ね』
『二枚目はこれだね』
『……“メイド服”』
『それで三枚目』
『“セーラー服”♪』
【姫路瑞希と島田美波!】
【霧島翔子!】
【工藤愛子!】
【【吉井明久!!】】
【【姉上(優姉さん)と先生たちの私物!!】】
「って待った!?ちょっと!?何で僕だけ女装になるの!?瑞希に美波、説明してよ!?」
「「…………」」
「ここで瞑想しないでっ!?と言うか、二人とも色んな意味で迷走しないで!?」
明久は災難じゃのう……ちなみにワシと造は同じ答えじゃな。と、ソレを聞いた姉上は心底不思議そうな顔で———
「何言ってんのよ秀吉、造くん?さっきのラインナップはアタシの私物じゃないわ。アレは———アンタたちの二人の正装でしょ?立派に吉乃ちゃんと月乃ちゃんになる時用の♪」
「《【【姉上(優姉さん)?それは本音ではないじゃろ(ないでしょ)?本音じゃないって言ってくれまいか(言ってください)!?】】》」
くぅ……姉上には後でじっくりと今後のことについて話をせねばならぬようじゃが、ここは一旦置いておくとしよう。
『更にもう一回。はい』
『……“いやらしい事”』
『二枚目ね』
「“囁きかける”って』
『三枚目っと』
『……“月野と吉井に”?』
「《どうして僕(自分)らなの(なんですか)!?》」
不憫な……学園長も人が悪いのう。やはり明久たちの言う通り実験ではなくワシらで遊ぶことが目的だったのじゃろうか……?
『うーん、吉井君と月野君にねぇ?どうする優子、代表?』
『そうね、それじゃアタシは造くんと秀吉に囁くわ。愛子は吉井君にやってみたら?』
『……雄二にするんじゃじゃないから、それは任せる』
『オッケー♪んじゃ優子は二人をお願いね』
『ええ♪とりあえず二人はあっちでやってくるわね』
「何故じゃ姉上!?」
ま、待つのじゃ!?何故か名指しられておらぬワシまで標的にされたのじゃが!?何をする気じゃ姉上は!?抵抗する間もなくワシと造は姉上に引きずられて教室の端まで移動される。
「さて……秀吉、造くん?」
「《……はい(ガクガクブルブル)》」
くぅ……姉上の事じゃ。何かとんでもないことを言ってワシらを弄るに違いない。衝撃に備えて造と肩を寄せ合い震えておると———
「ああ、安心なさい。アタシは別にアンタらにやらしいことなんて囁かないから」
「《……へ?》」
むぅ?と、ワシらの予想に反して妙な事を言い出す姉上。何じゃ急に?
「だってさ、アンタたちにそう言う事聞いても大して面白い反応は期待できないでしょ?ほら、あんな感じの反応とか、絶対しなさそうだし」
姉上がワシらがさっきまでいた明久たちの方向に指差す。つられて見てみると、
『ひぁああああああああっ!?!?!?ちょっ!工藤さん!?今もしかして僕の耳に息を』
【うー……なんか、耳や背中が変な感じ】
『さー?なんだろね〜♪』
『あ、愛子ちゃん!ダメですよっ!明久君にそう言う事をするのは【さっきの明久君の声、可愛かったです!また聞きたいです!】きゃぁあああああああああっ!』
『そうよっ!アキにそういうのは【アキって耳や首が弱いのかな?今度試してみたいわ】いやぁあああああああああああっ!』
- 番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その⑤ ( No.193 )
- 日時: 2015/12/04 21:08
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
「———ね?アンタたち、あれだけのリアクション取れる?無理でしょ」
「《……あー、確かに》」
何をどうしたのかわからぬが、工藤が明久を弄りつつ間接的に島田と姫路も弄るという器用で高度な事をやっておった。まあ、あんな反応はワシらは出来ぬじゃろうし、冷静になって考えてみればワシも造もそもそもやらしいことと言っても興味があまりないからのう。
《あれ?それじゃ何の用ですか優姉さん?》
「ワシらはあまり興味がないから意味ない事じゃし、やらしいことを聞く為にワシらをここまで連れてきたわけじゃないのじゃろう?一体何をする気じゃ姉上」
「んー、まあ聞きたい事って“そこ”なのよね。前々から聞きたかった事があるんだけど……二人ってさ?」
「《……?》」
「二人って———異性に興味ないのかしら?」
「《…………は?》」
あ、姉上のヤツ、随分と妙な事を言い出したのう……?な、何と答えればいいのやら……非常に答え難い質問じゃな。
「あ、一応言っておくけどBL的な意味じゃないのよ?勿論ソッチの話してくれるなら大歓迎だけど」
《【何の話ですか優姉さん……?】》
「造、今のは空耳じゃ、気にせんで良いぞ」
「まあ、ソッチは置いておくとして。で、どうなのよ二人とも。異性については」
「い、いや……ワシはその———【興味がないわけでもないが、今は異性として興味を引かれる人物はおらぬの。昔から姉上の素行を見ておったせいか、女性像がやや屈折しておるし】…………あ、姉上?今のは、その。召喚獣の小粋な冗談じゃからの?」
「ふふっ秀吉♪今日は徹夜のコスプレ大会決定ね」
「理不尽じゃ!?」
ホントにこの召喚獣は余計な事ばかり言いおってっ!と、ワシが落ち込んでいる間に造が姉上の質問に少し考えて答えを出そうとする。
《……自分は、どうでしょう。正直よくわかりません。(ボソッ)ちょっぴり気になる方がいないわけでもな———いえ、やはりよくわかりません》
「ん?わからないってどういうこと?」
《まあ、色々と……その、自分に問題が山ほどありますので。これからどうなるかとかわかりませんし……それに———【自分もヒデさんと一緒で傍若無人なサクヤさんや母さんをずっと見てきたせいで、女性像が歪んでいるので興味を持てるかわからないですし】……い、今の聞かなかったことにしてくれませんかね優姉さん?》
「おっけー、ちゃーんと師匠に懇切丁寧に説明しておくわね♪」
《勘弁してくださいお願いしますっ!?》
と、造もワシと同じように答え、同じように自爆してしまう。確かに造は“あの”日高先生に育てられただけあって、色んな意味でトラウマがあるんじゃろうな……
「そっかそっか。つまり二人ともまだまだ恋するには早いってことかしらね」
【それは姉上だって言える事じゃろうに】
「……ふふふっ、今日はすっごくハードなコスプレさせるから覚悟なさい秀吉」
「もうこんなのは嫌じゃぁあああああああああ!?」
《ひ、ヒデさん落ち着いて。取り乱せば更に厄介なことになりますよ》
「ついでに造くんも来なさい。師匠と先生方呼んでおくから」
《【自分何も言っていないのにですか!?】》
横暴じゃ……理不尽じゃ……何故にワシらがこんな目に……
「ま、とにかくほっとしたような不安になるような、そんな気分ね」
「……ほっとした?不安……?何の話じゃ姉上よ」
《寧ろ今日の夜何をされるのか非常に不安なのですが……何のことですか?》
「ん?いや、ほら。美波とか瑞希とか代表とか愛子とか、アタシたちの周りって結構恋してる子たち多いじゃない?造くんも秀吉もひょっとして———って、思ってたんだけどね。取り越し苦労だったってわけ」
ああ、だから姉上はこんなことを聞いてきたというわけじゃな……確かにいつものメンバーの中で今のところそう言う恋愛関係の話が無いのはワシと姉上、造くらいじゃしの。気になるのも無理はないのかもしれぬ。
「恋愛……まあ明久たちを見ておると、悪くはないとは思うがの」
《ですね……ただ、こういうのはあまり焦っても急いでも必ずしも上手くいったりするものではないので。アキさんたちのように一生懸命頑張って恋愛をやるのも素敵ですし、逆にゆっくり時間をかけて“愛”や“恋”を見つけていくのも……それはそれで良いものではないでしょうか》
「あら♪なかなか素敵なこと言うわね造くん。やっぱりロマンチストなのかしら」
姉上がそう茶化すと、造は少し恥ずかしそうに頬をかく。
《ま、まあそんな偉そうなことを言っていながら、恋愛とか付き合うこととかやったことが無いので恥ずかしくはありますね》
「む?造は恋愛をしてみたいのかの?」
《んー……憧れてはいますが、その……色々な意味で早いですからね。(ボソッ)問題も山積みですし———コホン、それに……》
「「?それに?」」
そこまで言うと造はワシと姉上に最高の笑顔を魅せて……
《今は……ヒデさんも優姉さんもいますからね【二人といると本当の兄弟が出来たみたいですっごく楽しいですもの。優お姉ちゃんとヒデ兄さん的な♪素直に甘えられますからね〜】って!?だからそこまで言わないでください!?》
「「…………っ!?」」
……何の前触れもなく、とんでもない一撃をワシらに喰らわす造……ヒデ兄さんじゃと……ひ、卑怯じゃぞ……そんな急に……て、照れるではないか!
《あ、あはは……今のは気にしないでくださいね?まあ、お二人ともお嫌かもしれませんが、その———ふ、二人といると楽しいってことですよ!》
「……そ、そうか!い、いや別に嫌というわけではないのじゃぞ【“ヒデ兄さん”か♪造にあんなこと言われて嬉しくないわけなかろう———】こ、これ!?何を言っておるのじゃワシの召喚獣よ!?」
「ふ、ふふふ……ふふふっ!そう、そうだったのね!そんなこと考えていたのね造くんは!」
と、そんな造の【物凄く嬉しい(バシッ!)】言葉に浮かれた姉上【ワシも浮かれておるが(バシバシッ!)】が目を血走らせて造とついでにワシに迫る。な、何事じゃ……?
《ゆ、優姉さん……目がちょっと怖いですよ?》
「姉上……正直見てて身の危険を感じるのじゃが?」
「ふふふっ!いいわよっ!優お姉ちゃんはずっと造くんのお姉ちゃんだから安心してねっ!そしてドンドン甘えて良いのよっ!勿論秀吉もねっ!」
そう言って精神がどこかにトリップさせる姉上。【ワシと同じように(バシィ!)】何やら姉上に妙なスイッチが入ったようじゃな……
《【ううぅ……赤っ恥です。ヒデさんと優姉さんよりも自分の方が年上なのに……お姉さんとかお兄さんって……ヒデさん、恥ずかしい思いさせてゴメンなさいです……】》
「い、いや……造が謝る事ではないぞい【ワシは造のお兄ちゃんなのじゃ!】だああああああああああああああああ!」
《ちょ!?ひ、ヒデさん?どうしました急に?だ、大丈夫ですか!?》
造に余計な事を聞かれる前に思わず召喚獣をゴミ箱の中に叩き入れる。もうこんなのは嫌じゃ……恥ずかしくて死にそうじゃ……
少し居たたまれなくなり、ふと明久たちの方を見ると———
『『『『『どぉりゃぁああああああああああああっっ!!』』』』』
明久たちだけでなく、姫路と島田までもが自身の召喚獣を別のゴミ箱に叩き込む光景が見られた。あやつらも大変じゃな……
試運転は一時間程度のハズじゃったが、ワシは今までこんなに一時間が長いとは思わなかったのう……解放されるまで、まだ三〇分以上残っておる。ここは地獄かなにかなのかの……
「……と言うか、ワシらの異性との交友関係を聞いて姉上は何がしたかったのじゃ……?」
「ん?いや、姉なら弟の交友関係をしっかりと把握しなきゃならない義務があるでしょ?もしも変なことしてた場合はお嫁に行けなくなるチュウをしないといけないって———」
《い、いやいやいや!?それがさも当然みたいに言われましても困るのですが……?》
「え、だって———吉井君のお姉さんの玲さんからそう教えてもらったんだけど」
【【…………アキさん(明久)もやっぱり苦労しているんですね(のじゃな)……】】