二次創作小説(紙ほか)

127時間目 進軍?防衛?今後の計画〜作戦会議と昼休み〜 ( No.234 )
日時: 2016/01/08 21:14
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

造Side


今週末から解禁される試召戦争の件で中断していたお昼でしたが、とりあえずお腹も減りましたし食べながら戦略を練る事にした自分たちFクラス仲良しメンバー。腹が減っては何とやらですし。

「…………?明久が弁当なんて珍しい」
「へ?あ、そっか。ムッツリーニには言ってなかったっけ。瑞希たちの朝食作るついでにまとめて作って来たんだよ」

と、机で(珍しく)弁当箱を広げるアキさんを不思議そうに見つめるこーさんにアキさんが照れながらそう話します。そう言えば姫路さんたちが休み時間に『アキ(明久君)にお弁当を作ってもらった』ってノロケて———もとい言ってましたね。

「えへへ♪明久君の手作りのお弁当です。今日は本当にお昼が待ち遠しかったです」
「ふふっ♪瑞希ったらはしゃいじゃって。って言うウチも楽しみだったんだけどね」

そう言ってお弁当を大事そうに開ける姫路さんたちの方を見ると———なるほど確かにアキさんとお弁当のおかずが一緒みたいです。しかも流石は料理上手なアキさんの作ったものなだけあって、とても美味しそうですね。

「…………三人とも同じ弁当とはな。もげろ明久」
「ハハッ!このリア充め、爆発しろ明久」
「お嫁さんがいる雄二が言うな!ってか、そんなこと言っていいのかなムッツリーニに雄二?僕の次の言葉を聞いたら皆感謝せざるを得なくなるのに」

「「「「感謝?」」」」

そんな風にからかうこーさん&ゆーさんを少しジト目で急にそう言うアキさん。はて?それってどう言う意味でしょう?何故に感謝する事に———

「(ボソッ)僕が作らなきゃ瑞希が皆の分までお弁当を作ってたんだけど?」
「(ボソッ)そうそう、そうだったわ。ウチも瑞希を止めるの苦労したのよ」

「「よくやった明久に島田っ!」」

「アキさんっ!自分のお弁当のおかず、好きなの持っていってください!」
「うむ!島田もワシのも好きな物を持っていくと良い!」

ホントにナイスですアキさん島田さん!あ、危なかった……そうですね、アキさんか島田さんのお二人が作らなきゃ姫路さんが料理を作る事になるんですし、そう考えるとアキさんたちの同棲生活って色々と(命的な意味で)綱渡りな生活って事なんですよね。なんて恐ろしいのでしょう。

「?皆さんどうかしたんですか?」
「何でも無いよ瑞希!さあ、早く食べようね!」
「あ、はい。お腹空いちゃいましたもんね」
「そうしましょうねー!では……頂きます」

「「「「「「いただきます」」」」」」


〜少年少女昼食中〜


それはさておきようやくランチタイムです♪皆さんでお弁当の中身を交換したり、おかずのレシピの話で盛り上がったり、アキさんとゆーさんがおかずの取り合いをしたり、姫路さんが「バルサミコ酢って酢酸にバルサンを加えたものですか?」と不穏な発言をしたりと———あ、あれ?これ楽しいお昼ですっけ?

ともあれ色々ありましたが久しぶりに(姫路さんの手料理を食べることなく)無事に昼食を乗り切り、自分の作ったモンブランを出して皆さんに配り終えたところでゆーさんが先程の話の続きを話し始めました。

「サンキュー造。さてお前ら、それ食べながらでいいから聞いてくれ。さっきの話に戻るんだが」
「さっきのと言うと……今後の試召戦争の計画ですか?」
「ああ———っと、その前にムッツリーニ。手間かけさせて悪いがこの話が盗聴されてないか確認して貰えるか?もう情報戦は始まっているだろうからな、念には念を入れておきたい」
「…………30秒くれ」

そう言った次の瞬間、こーさんが懐からよくわからない機械(?)を取り出したかと思うとその機械を持ったまま一瞬のうちに教室の四方へ移動して———ジャスト30秒で元いた位置に戻って来ました。

「…………問題無し。盗聴盗撮の気配無し。教室内にはFクラスの連中だけ。廊下にも他クラス生徒はいない」
「よし。んじゃ早速さっきの話の続きといくか」
「確か仕掛けるか防衛するかじゃったかの?」
「ああ。で、とりあえずの俺の意見なんだが———今回は“防衛戦”を前提に準備していこうと思う」

「「えっ?防衛戦?」」

そんなゆーさんの言葉に見事にハモりつつ思わず聞き返してしまう自分とアキさん。ゆーさんが防衛戦……?何だかちょっと意外ですね。

「ん?なんだ明久に造?二人してそんな意外そうな顔して」
「いやだって……雄二が守りに徹するなんて、ねぇ?雄二らしくないじゃない?何と言うか随分消極的って言うか」
「そうですね。自分はゆーさんの事ですし、他クラスから狙われる前に先手必勝でAクラスを落とすかなって思っていました」
「むぅ。そう言われれば確かに雄二らしくないのう?」

ゆーさんのこれまでの行動から考えると、宣戦布告を受ける前に真っ先にAクラスに攻め込むかなって思っていましたからね。それはアキさんたちも同じように考えていたらしく、頭に疑問符を浮かべている模様。

「まあ待て。お前ら何か勘違いしているようだが防衛って言葉に惑わされんな。あくまで“防衛”は建前。“本来の目的”はまた別にあるからな」

そんな自分らを見つつゆーさんはニヤッと笑い返してくれます。あらら、このゆーさんの顔……ひょっとして何か悪い事考えていますかね?

「なーんか悪い顔してるけどさ雄二、もったいぶらずに教えてよ。それってどういう意味さ?」
「別にもったいぶっているわけじゃねぇが……ま、ぶっちゃけて言うとだな。Aクラスを除くほとんどの連中にクラス設備が狙われているって言うこの状況を逆に利用したいって思っている」
「利用ですか?それって一体何に対してどういう意味で利用したいんですかゆーさん?」
「決まってる。クラス設備に釣られた連中を全て返り討ちにして“対Aクラス”用の駒にする」

「「「「「「……あー」」」」」」

127時間目 進軍?防衛?今後の計画〜作戦会議と昼休み〜 ( No.235 )
日時: 2016/01/08 21:04
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

目標の為に使えるものは何でも最大限に利用し、ありとあらゆる知略戦略を用い勝利をもぎ取る———ゆーさんはやっぱりどこまでもゆーさんです。つくづくゆーさんが味方で良かったですよ。小暮さんとゆーさん、この二人が敵になったらと思うと……

「…………大体いつも通りだな。で、具体的には?」
「順を追って話すとだな、これは最初の試召戦争の時にも言った事だが———“どんな作戦でも、普通にやったら俺らの戦力じゃAクラスには勝てやしない”———これは一度Aクラス戦をやってみてよく分かっただろ?いくら策を練ろうが“Aクラス”と“Fクラス”のクラス単位の実力差を埋められるほど試召戦争は甘くはない。地力の差が歴然としてるからな」
「それは……そうですね。前回はAクラス自体が油断していた上にある程度Fクラスが有利な条件で戦って、それでもやっと引き分けに持ち込めたくらいでしたよね」

寧ろ今考えると引き分けに持って行けたことが奇跡に近かったかもしれません。もし引き分けにならずにそのまま延長戦に入っていたら間違い無くFクラスの敗北と言う結果に終わっていたはず。それに加えて現在のAクラスは油断もしていなければ学力もまさにトップクラス。メンバー全員もそれがわかっているようで、少しばかり緊張した面持ちです。

「っと、お前らそんなに気を落とすな。今のは言い方が悪かったが、俺たちは各々に見えにくいがAクラスの連中にも勝る優れた能力がちゃんとあるだろうが。そもそも学力最低クラスのFクラスがAクラス戦を引き分けに持ち込んだのは伊達じゃねぇしな。ハッキリ言って今の俺らの実力ならB〜Eクラスなんざ敵にならないぞ」
「え?そうなんですかゆーさん?流石にそれは誇張しすぎでは無いでしょうか?」
「いや、それがそうでもないんだ。現にやろうと思えばこの場にいる七人だけでもBクラスに勝てるくらいだからな」
「は……?Bクラスをこのメンバーだけで?雄二、それはいくらなんでも無理なんじゃないの?」
「そうよね。坂本、ウチらにそんな実力があるの?」
「私も正直実感があまりないんですが……」

ここで朝から自分の世界に飛んでいた島田さんと姫路さんが現実世界に帰還して会話に加わってきます。まだ若干頬が緩んでいるのは置いておくとして———確かに自分もお二人と同意見です。そんなに凄いんですかね?

「驚くのも無理はないが事実何度かシミュレートしてみた結果から言っている。多少の無理はするが普通に何とかなるレベルだったぞ」
「…………俺もそれは確認済み。条件さえ整えられれば、俺ら7人だけでBクラス上位〜Aクラス下位の戦闘力」

おおぅ……まさかそこまでとは。でもゆーさんとこーさんのシミュレーションなら信用できますし、実際姫路さんを始め皆さんがそれぞれ様々な部門で力があることはこのクラスにいて良くわかりますからね。

「ま、その辺のシミュレーションやら現段階の俺らの実力的な話は長くなるから後で説明するとして……話が大分脱線しちまったが、要するに俺らを含めた今のFクラスなら攻め込んでくるヤツらを返り討ちにするくらいは朝飯前だってこった。ここまではいいか?」

えっと、つまりさっきまでのゆーさんの話をまとめると、今のFクラスの立ち位置としては———

①現在Aクラスを除いたすべてのクラスから試召戦争を挑まれる可能性がある
②ただしB〜Eクラスをあしらえる実力をFクラスは所持しており、攻め込まれても問題なく対処できる
③その実力をもってしてもAクラスに挑んで勝利することは現時点では難しい

って事ですかね。単純な話、ゆーさん曰くAクラス>Fクラス>B〜Eクラスって力関係で成り立ってるようです。いつの間にかクラス間の戦力が面白い具合になっていますね。そう言う意味では今の教室設備に相応しいクラスって胸を張れますね。

……もしかしたら学園長もそれがわかっていた上でFクラスの教室の改装に踏み切ったんでしょうか?もしそうだったら流石は学園長ですね♪こうなると見越してわざわざ手間をかけて設備のランクアップをやってくれたんですし。(※実際は単純に面白そうだったから byカヲル)

「なるほど……雄二、とりあえず続けて」
「……明久、一応聞いておくがお前は今の話をちゃんと理解できているのか?」
「失礼な!…………ただちょっと雄二の説明は分かりにくいから、造たちに後で概要をまとめてもらうつもりではあるけど」
「これくらい自分で理解しろバカ久。ともかくこっからが本題だ。ならどうして軽くあしらえるはずの防衛戦に力を入れるのかって事だが———」
「む、そこでもしや最初に言っておった“対Aクラス戦の駒にする”という話に戻るのかのう?」
「おっ!いいぞ秀吉、良くわかったな。そう“防衛戦”の真の狙いはな、いずれ行うAクラス戦に向けての戦力と戦略を増やす事にある」

戦力と戦略を増やす、ですか……さてさてうちの策士ゆーさんは一体何を考えているのやら。ちょっとした不安とワクワクを胸に作戦内容を尋ねることに。

「それでゆーさん、具体的にどうするつもりですか?」
「決まってる。クラス設備に釣られたAクラス以外のすべてのクラスを全て返り討ちにしつつ点数の補充を行い、ついでに連中にはこっちの“駒”になって貰う。具体的には防衛戦で潰したクラスのクラス交換をしない事を取り引きに、来るべきAクラス戦で俺らの言う事を聞いて貰うってこった」
「あ、何だ。随分ともったいぶってたけど、それって結局一学期の試召戦争と一緒じゃないか」
「いいや。状況は似てるが“俺らが攻め込む”って場合と“他クラスに攻め込まれる”って場合とは本質がかなり違ってくるぞ明久。意気揚々と挑んで負けたとなりゃ負けたクラスは俺らに“多少無理な事”でも従わざるを得ないだろ?Aクラス戦では良い働きをしてもらうつもりだ」
「す、凄い事考えてますね……ゆーさん、恨まれても知りませんよ?」

と言いますか、まだ倒していないのにすでに駒として他クラスを戦力に組み込むのは皮算用のような気も。大丈夫でしょうか……?

127時間目 進軍?防衛?今後の計画〜作戦会議と昼休み〜 ( No.236 )
日時: 2016/01/08 21:09
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

「恨まれる?いやいや何を言う造。———正当防衛って言葉もあるだろ?前回見たく俺らが宣戦布告するならいざ知らず、向こうから勝手に喧嘩売って負けたとなりゃ進んで言うこと聞いてくれるハズだ。恨まれる心配はないから安心しな」
「か、カウンター前提の正当防衛って過剰防衛では……?」
「学力最低クラスに挑んでおいて負ける方が悪い」

そんなどう考えても悪役なセリフを自分に堂々と言い放つゆーさん。目的の為、使えるものは何でも最大限に利用し、ありとあらゆる知略戦略を用いて勝利を掴むその姿勢———正直に言いましょう、ちょっぴり憧れちゃうと思ってしまうのは自分もFクラスに染まっている証拠かもしれませんね。

「……うーん、ねえ雄二。ちょっと思ったんだけど何だかそれって正直まどろっこしくない?」
「ん?何だ明久。不満か?」

と、そんな中アキさんが神妙な顔でゆーさんに意見を発します。

「不満って言うか……変だなって思って。そりゃ交渉をスムーズにやりたいって気持ちはわかるけど、そもそもどのクラスとやっても勝てるなら攻め込まれるまでわざわざ待つより僕たちから宣戦布告した方が楽じゃないの?何でまた手間をかけてまでそんなことするのさ」
「そりゃ確かにお前の言う通り面倒だが確実に駒を手に入れられるに越したことは無い。つーか一学期から色々やらかした俺らがまた宣戦布告しても見ろ。後の戦後交渉でFクラスに更に反感が生まれてAクラス戦時に裏切られたら元も子もないだろうが」

確かにゆーさんの言う通り、良くも悪くもFクラスは目立っていますからね。ここで下手に大きな動きを見せれば出る釘は打たれちゃうかもですし。何よりクラス間同士の友好関係にひびが入りかねません。一応ゆーさんもその辺は気にしてるんですね。

「じゃが雄二よ。いくらワシらに実力があるとはいえ、B〜Eクラス全てとの戦争となると厳しくは無いかのう?」
「いや秀吉、B〜Eクラスに狙われてるって言っても、別段合宿の覗き騒ぎの時みたく束になって襲われるわけじゃないだろ?連戦にはなるだろうが基本はクラス毎の一対一の戦争だ。おまけに戦争終了後には点数補充の期間もちゃんと与えられるしな。そう言う意味で“防衛戦”って事が活きてくる。他クラスが宣戦布告するまでは慌てずじっくり点数補充が出来るからな。そこで対Aクラス戦用科目の補充を行う」
「…………戦力を増やすってそう言う意味もあるのか。だが、その肝心の防衛戦で折角溜めた点数を使うなら意味が無いんじゃ?」
「そうでもない。何せ俺たちには他のクラスには無いもの———白金・黒金の腕輪が揃ってるだろ?」

ゆーさんがそう言いつつ自身の【再設定】の腕輪とアキさんの【同時召喚】の腕輪、そして自分の【フィールド形成】の腕輪を指差してニィっと笑います。ああ、なるほどそう言う事ですか。腕輪を使ったゆーさんの十八番の作戦ってわけですね。

「基本的に攻める場合は高火力の姫路や造を中心とした短期決戦でいく。姫路の金の腕輪の能力や造の点数消費型の箒で多数を殲滅、穴の開いた敵陣を一気に攻め込むって寸法だ。だがそれだと二人の点数消費が激しい。Fクラスの最大の特徴は爆発力がある分持久戦に弱いって点だな。普通ならムッツリーニの言う通り折角溜めた点数を使っちまうことになる」
「うん、それだと点数を補充した意味ないよね」
「ああ。だが召喚野球大会を思い出してみろ。試合中に造の消費した点数を回復させたことがあるだろう?今回もあの時と同じことをすればいい。つまり俺、明久、造の腕輪持ちが中心となる裏ワザだな。予め使う科目を決めておき、造がフィールドを形成し俺が再設定の腕輪を使えば———簡易的な回復地点の完成ってワケだ」
「回復地点……へえ、それはゲームみたいで面白そうだね。ってことはそこさえあれば造や瑞希が腕輪の能力を使っても補充試験を毎回受けなくても回復できるってことかな?」
「お前ゲーム関連に例えると多少は呑み込みいいんだな……まあ、明久の言う通り造が点を消費したり姫路が金の腕輪を使ってもすぐに回復すればわざわざ補充試験を何度も受けずに済むってわけだ」

補充試験の回数を減らせるのは作戦上非常に大きい意味を持ちますからね。腕輪を使った良い作戦ですね。

「敵もそれを見れば俺と造を真っ先に潰しに来るだろうが、そこは召喚技術が高く小回りが利き二重召喚できる明久が俺らを守る盾として潰しに来た連中を返り討ちにすりゃいいってわけだ」
「なるほどの。久保や根本と戦って召喚技術に更に磨きのかかった明久じゃ。その盾を崩すことは相手にとっては相当骨じゃろう」
「…………明久は厄介な盾になる」
「いや、盾って……まるで僕がそれしか役に立たないように聞こえるのは気のせいかな三人とも?ま、まあいいけどさ」

ゆーさんは盾と言ったものの、アキさんの召喚獣の操作技術は先生方を除けば多分学園トップ3に入るほど。そのアキさんに守られれば怖いものはありません。手持ちの手札をすべて使い、全員の能力を最大限に活かしたゆーさんの戦略。見事と言う他ありませんね。

「ホントゆーさんよく考えてありますね。……まあ多少ルール違反ギリギリの気もしますが」
「うん、雄二らしい卑怯で卑劣な手だよね」
「悪知恵しか出来ないゲーム脳の明久に言われたくないがな。それと防衛戦に徹するもう一つの理由だが、何せ久しぶりの試召戦争だからな。Aクラス戦前に召喚獣を馴らしておきたいって気持ちもある」
「え?召喚獣を馴らすってどういうことよ坂本?結構事あるごとに召喚獣を呼び出しているウチらにそんな必要あるの?」
「そりゃ“俺らは”な。考えてもみろ島田。他のFクラスの連中は4月の試召戦争と肝試しの時だけしか召喚してねぇだろ?」

「「「「「「あっ……」」」」」」

なるほど、そう言えば確かにそうですね。自分たちは頻繁に自分の腕輪を使いまくって色々とやってましたから召喚獣の操作にも慣れていますが、他のFクラスの皆さんは本当に久しぶりの召喚と操作。そんな不安定な状態でAクラスに挑むのは流石に無謀ですよね。

「ついでにババァが言ってた通り、二学期になってから召喚獣の装備の変更を行うそうだからな。俺らも普段の装備に慣れてる分、突然装備が変わっちまったら却って扱いが上手くいかないかもしれねえだろうが」
「そう言えば学園長先生がそんな事も言っていましたね。私たちの召喚獣の装備をリセットするって」
「そっか、すっかり忘れてたけどそんな話もあったっけ。期末は僕も中々の成績だったしひょっとすると木刀からランクアップしてるかもしれないんだよね」
「そうですね。実力を蓄えられる機会を与えてくれた学園長に感謝感謝です♪」
「ま、そもそもそのババァの度重なる召喚システムの調整のせいでここまで試召戦争が延ばされたんだがな」

たはは……相変わらずゆーさんは学園長に厳しいですね。あ、これは余談何ですが召喚獣の装備のリセットはあくまで建前で、実際は自分と文さんの調整や検査の為に試召戦争が延ばされたんですがね。一応学園長からは他言しないように言われているのでゆーさんたちには言いませんが。心配されるのも嫌ですし?

「そんな感じで無事に防衛戦が済み、駒と戦略が揃い次第Aクラスを攻めに行く。一応これが俺の考えているこれからの試召戦争の計画だな。明久以外で今の作戦に質問がある奴はいるか?「雄二、何でナチュラルに僕をハブるのさ!?」よし、無いようだな!」

“防衛と言う名目で他クラスを倒せば交渉がしやすくなる”“防衛戦を利用し、対Aクラス戦に備え少しでも召喚獣の操作と試召戦争の戦闘経験値を増やす”———ですか。ゆーさんって将棋強そうですよね。取った駒を利用して敵陣に攻め込み大将を討つって将棋そのものですし。

「つーわけで当面は点数補充を行いつつ機会を待つ。しびれを切らして攻め込んできたクラスを片っ端から迎え撃てばいい。長くなったが———これから色々忙しくなるだろうが、これは全て俺らの悲願“打倒Aクラス”の為だ。お前らには無理させることになるのはわかっているが……どうか力を貸してほしい!いいか、ぜってぇ勝つぞっ!」

「「「「「「おーっ!」」」」」」

ゆーさんの掛け声に自分たちも力強く応えます。いよいよ始まる二学期試召戦争、自分たち仲良しメンバーの気合は十分。さてさて、一学期果たせなかったAクラス戦勝利を目指して……自分も頑張っていきますか!






『———先程のヤツらの会話、録音完了しました会長』
『うむ、ご苦労。ではすぐに各クラスにこの情報を渡してこい。ただしAクラスはダメだ。ヤツらは特にAクラスと親しいからな。下手をすれば我らの動きを密告される恐れがある』
『了解しました!』
『くくくっ……盗聴器を仕掛けられていないって事だけで安心したなバカ共が。楽に逝けると思わん事だな、3バカ共よ』