二次創作小説(紙ほか)

127.5時間目 〜坂本雄二のFクラス戦力分析講座〜 ( No.241 )
日時: 2016/01/15 21:40
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

———昼休み・雄二試召戦争計画説明後———


造Side


「さてと。以上が今回の打倒Aクラスに向けての俺たちのやるべき事だが……まだ時間はあるな。さっきの作戦内容だけじゃなく、他にも何か聞きたいことがあったら聞いてくれ」

今週末に二学期試召戦争解禁と言う事で、早速昼休みの時間を使ってクラス代表兼Fクラス作戦参謀役のゆーさんにこれからの計画を説明して貰った自分たち仲良しメンバー一同。一応作戦としては大体わかりましたが———

「あ、なら雄二質問。霧島さんとどのくらい関係は進んでいるの?」
「黙れ、しばくぞ。明久の戯言以外で何か無いか?この際だから聞きたい事は全部聞いておいてくれ」
「あ、でしたらゆーさん。先程仰っていた“条件さえ整えられればこのメンバーだけでBクラスにも勝てる”って話の内容について、詳しく聞いても良いですか?どうにも実感がなくてですね」

ゆーさん曰く自分たち7人の戦力はBクラスに匹敵するらしいのですが、流石に実感がありません。この際Fクラスの戦力はどのような感じか聞いておくのもいいかもしれませんね。

「うむ、ワシも造と同じくそれを聞きたいのう。お主確かシミュレーションもしておったとか言うておったじゃろ?」
「ああそういや後で説明するって言ってたな。いいぜ、時間もあることだしまずは俺ら7人の個人データから見ていくとするか。ムッツリーニ頼む」
「…………了解」

と、ゆーさんに促されてこーさんがいつの間にやら取りだした資料を片手に説明を始めます。


———Fクラス個人データ———


○吉井明久:観察処分者&部隊長(日本史・世界史)
一言でバカ(待って!?何で最初から僕バカにされてんの!?by明久)ただし観察処分者(バカ)故に召喚獣の操作技術は間違いなく学年一位。加えて二重召喚の白金の腕輪も持っており、召喚大会優勝や強化合宿で久保を倒した実力は本物。得意科目の日本史・世界史のみB〜Cクラス並み。

○坂本雄二:クラス代表&作戦参謀
姫路・造に次いでAクラス上位と並ぶ成績保持者。クラス代表だけあって召喚する機会が一番少ないが、オカルト召喚獣版肝試しにおいて3年二人を相手に単独で勝利したことは記憶に新しい。その肝試し大会優勝の際景品として送られた点数回復の黒金の腕輪はこれからの戦争に大いに役立つだろう。

○月野造:特別観察処分者&部隊長(英語以外の総合科目)
Fクラスが誇るマスコット(マスコット!?それどういう意味ですか!?by造)ほぼ全教科がAクラス上位の成績。ごく一部の科目(=英語)が壊滅的ではあるが、それでもFクラスの主戦力には変わりない。成績とは別に特別観察処分者であるため明久と共にトップクラスの戦闘力を持つ。またフィールド形成の白金の腕輪はFクラスの最大の武器となるだろう。

○姫路瑞希:部隊長(総合科目)
言うまでも無くFクラス最高成績者であり切札的存在。本来なら学年次席になっている成績保持者だけあってFクラス戦力の三分の一は彼女一人が担っている。どの科目も万遍なく点を取っており400点オーバーの証である金の腕輪【熱線】もいくつかの科目で使え、彼女一人で戦況をひっくり返す事も可能。

○島田美波:部隊長(数学・化学・???)
Fクラスの数少ない女子の一人にして数学・化学の部隊長。理数系———特に数学はすでにAクラス中間並みの成績。女子ながら体力や攻撃力(?)は実はつわもの揃いのFクラスの中でもトップクラスであり、体力のいる試召戦争においてもその事が遺憾無く発揮されている。また裏技的にある科目では学園一位になれる可能性も秘めている。

○木下秀吉:部隊長(現国・古典)
最近成績を急上昇させている稀代の美少女(ほう、良い根性しておるのう?by秀吉)Fクラスで唯一の部活生ながら成績はC〜Dクラスに匹敵する。特に現代国語や古典は演技の幅を増やすために様々な本を読みこんでいるだけあってBクラスにも劣らない成績。また得意の声帯模写や演技力が思わぬ助けとなる時も。

○土屋康太:部隊長(保健体育)
現代に生きる忍者。言わずもがな保健体育のエキスパートでこの科目だけなら教師すらも凌駕している。金の腕輪【加速】を使えば並みの相手では姿を捕らえることすら困難。それ以外にも身体能力や俊敏性、さらに隠密活動などにも長けており情報戦が命の試召戦争に貢献していると言えよう。


———ふむふむ、なるほど。とりあえず言う事があるとすれば、

「「「途中の説明おかしいよね(でしょ)(じゃろ)!?」」」

何か非常に余計な枕詞をつけられていた感が多々あるんですが!?アキさんもヒデさんも同じ気持ちのようでこーさんにツッコミを入れる羽目に。マスコットって何ですか全く。

「…………気のせい」
「ま、大体合ってただろ。これが俺らの実力って訳だ。で、説明した通りFクラスの特徴は単教科特化型。科目を限定さえすればこのメンバーは少なくともB・Cクラスにだって引けを取らないってこともわかるだろ」

こーさんへの説教は後ですることにして、それはそうと確かにゆーさんの言った通り総合科目では姫路さんとゆーさんと自分はAクラス。各得意教科を見ればアキさんたちもA〜Cクラスってところですかね。こうして見るとこのメンバーって色々と特殊何ですよね。すっごく今更ですが。

「さて、この俺らの戦力分析を聞いてお前らはどう思った?正直な感想を言ってくれ」

「「アキ(明久君)だってウチら(私たち)のマスコットよ(ですよ)!」」

「誰がそんなどうでもいい感想言えって言った!?姫路に島田、今日のお前ら本気で壊れ過ぎだぞ!?」

そしてとんでもない事を口走るのはこーさんだけではなく、このアキさん大好きな二人も一緒のようです。今日はホント二人とも所々おかしくなってる気が……

127.5時間目 〜坂本雄二のFクラス戦力分析講座〜 ( No.242 )
日時: 2016/01/15 21:34
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

「あー、みんな。今日はもう二人ともちょっと(?)浮かれてるみたいだし、二人には後でちゃんと話し聞いて貰う事にしようそうしよう。と言うか……お願いだから聞き流してくれないかなぁ!?」
「そ、そのようですね。えーっと、それじゃあ一旦姫路さんたちは置いておくとして———気づいたことと言えば、Fクラスって各々の能力のバラツキが激しいような印象ですね」
「そうじゃな。ワシも造と同感じゃ。典型的な例を挙げればムッツリーニは保健体育は教師や学年主席以上。明久は世界史・日本史だけならBクラスや下手をすればAクラス以上の出来なのにも関わらず他で脚を引っ張り過ぎてたりするのう」
「…………その逆で、造は他は良いのに英語が明久以下」

ぐぅ……や、やっぱり英語は自分の鬼門ですからね。誰にだって苦手な科目がありますよね?

「そうだな。お前らが指摘した通り、これがFクラスの弱点でありAクラスに勝てないって理由の一つだ。以前のAクラス戦みたく単純に一人づつの単教科だけで勝負するなら未だしも、クラス単位で戦おうとするとどうしてもFクラスは各々の得意教科と不得意教科で足の引っ張り合いをしちまうんだ」
「なるほど。対してAクラスの皆さんは満遍なく点を取っていますし、そこで地力の差が出てくるって事ですね」

それこそ保健体育のフィールドではこーさんが有利にはなりますが、アキさんの得意科目の日本史に変われば今度はこーさんが動けなくなるって事ですよね。

「その通り。何度も言うがFクラスの特徴は単教科特化型。つまり特定の教科の点数が尽きると他の科目ではロクに戦えねぇから、戦闘から離脱していちいち補充しなきゃ戦力にならないって事だ。その補充のタイミングで敵に攻めこまれりゃ———間違いなく一気に戦況は崩されるだろうな」
「あ、だから雄二は一学期のAクラス戦でわざわざ交渉してまで一人一科目の試召戦争形式で挑んだんだね?」

科目指定を行って戦ったからこそ、Aクラスと引き分けることが出来ましたからね。逆に言えばそれが出来なかったら引き分けるどころか今頃は……

「ああ。それに加えFクラスのもう一つの弱点として“主戦力の息切れが早い”って事もある」
「…………主戦力の息切れ?」
「これは主に姫路と造の話になるが———造は装備自体が“常時点数消費型武器”で、姫路のFクラス最大火力を持つ金の腕輪も点数消費が激しい。さっきの俺の戦術説明で回復地点を作るって言っただろ?アレも腕輪の仕様上多用できないからな。結局戦争中はこの二人が最も多く補充試験を受けなきゃならないのは変わらん。んでもって造はともかく……姫路にはそう何度も試験を受けるとなるとちと体力的に荷が重いだろう?」

ゆーさんの言う通り補充と言っても休憩って意味とは全く別で、点数回復のための試験を受けるって事。一回の補充試験に挑むだけでも結構体力的も精神的にもそれなりにかかるハズです。補充して戦ってまた補充して———なんて繰り返してたら姫路さんじゃなくても倒れちゃいますよね。

「ま、最近は姫路も頑張って体力を付けて来てるようだし、特に心配していないがな。その辺の調節は任せてくれ。無理させない程度で頑張って貰う」
「ふむ……と言う事は二つの弱点をまとめて考えると———Fクラスの課題としては各々の点数補充をいかに効率よく済ませられるか、でしょうかね」
「その通り。Aクラス攻略の鍵の一つは補充試験にあると言っても良い」
「そっかそっか。あ、でもさ。悪知恵しか取りえの無い雄二の事だしどうせ弱点対策も考えてるんでしょ?」
「学力も甲斐性も財力すらも皆無のお前には言われたくないがな。ま、明久の言う通り対策も考えている。って言っても今詳しい作戦を話すと長くなる。もう昼も終わるし、後は今日の放課後明久の家にでも行って詳しい事を話すとしようや」

そう言ってゆーさんが持っていた資料を丸めて鞄の中に入れます。ゆーさんのFクラスの戦力分析も大体わかりましたし、お昼休みも後少しと言う事で今はお開きでしょうかね。

「ちょい待ち雄二……お前は言うに事欠いて僕の取り得は肩たたきだけって言いたいの!?そう言う雄二は悪知恵使って霧島さんってお嫁さんを貰えた事だけしか取り得ないじゃないか!あと何でナチュラルに僕の家を使う事にしてんのさ!?せめて僕に確認とってよ!」
「その歳になってもお前の取り得は肩たたきだけかよ!?つーかいい加減翔子を勝手に俺の嫁にするなバカ久!」
「ああそうか、アホ雄二が霧島さんの嫁だもんね!」
「シメんぞゴラァ!」

と、自分たちを置いていきなり始まったアキさんゆーさんの取っ組み合い。ちょっと二人とも?試召戦争が始まる前に怪我しないでくださいよね?

「「アキ(明久君)の取り得はコスプレと女装が似合うところとか、優しくてカッコいいところでしょ(ですよ)!?」」

「それと姫路と島田!お前らホント今日は暴走しすぎだろ!?」
「瑞希に美波!?最初の二つは取り得にして欲しくないんだけど!?」

そしてこの二人はやっぱり今日はちょっぴり(?)暴走気味のようです。何故か知りませんが、二人から優姉さんやサクヤさんや先生方のようなオーラを感じるんですが?

「暴走なんてしてませんよ!明久君と美波ちゃんと一緒に暮らせて嬉しくてはしゃいでるだけです!」
「それを世間一般的に暴走してるって言ってんだよ!つーかお前ら、やっぱ人の説明を全然聞いてなかったなこん畜生め!?」
「失礼ね……えーっと、確か坂本も翔子と同棲するって話だったかしら?」
「おい待てェ!?トンデモナイ事捏造すんなや!?ええぃバカ久っ!テメェが同棲生活なんか始めたせいでこの二人が壊れ始めてんじゃねぇか!貴重な戦力ダメにする気か!?」
「誰がバカだ!それに雄二だってこれから霧島さんと同棲するんだし人の事言えなくなるだろ!」
「だ・か・ら!捏造すんなゴラァッ!」

「「「…………」」」

えーっと。いつも喧嘩ばかりのアキさん&ゆーさんコンビに、絶賛色ボケ中の姫路さん&島田さんコンビ。この4人ってFクラスのトップ層のハズなんですが———

「……ねえヒデさん」
「何じゃ造?」
「Fクラスには……戦力よりも優先的にツッコミ役を取り入れるべきだと思うのは、自分だけではないハズですよね?」
「うむ、そうじゃの。もっと常識人を増やすべきじゃのう」
「やっぱりそうですよね……」
「…………全くだ」

「「いや、こーさん(ムッツリーニ)が言えたことじゃないですよ(ぞい)」」

「…………っ!?」

———そんなこんなで。とりあえずこれで本当に試召戦争に勝てるのか、ちょっぴり心配になったお昼休みとなりました。