二次創作小説(紙ほか)
- 128時間目 放課後ショッピング〜スーパーは辺境魔境〜前編 ( No.243 )
- 日時: 2016/01/22 21:02
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)
造Side
ゆーさんによる作戦会議と今後の予定についての説明が終わったと同時にお昼休みも終わり、そして何事も無く午後の授業が淡々と進みあっという間に放課後の時間となりました。
「いやはや。なんか、こうやって平和に帰れる日って久しぶりな感じがするよなー」
「そうじゃな。雄二の言う通りここのところはずっと補習だらけじゃったしの」
「いや秀吉。補習もそうだが今の俺の言ったことは“平和に帰れる=FFF団の連中が大人しかった”って言う意味なんだがな」
「…………珍しく大人しかった」
「そ、そっちじゃったか……」
「そ、そう言えば今朝は(今朝も?)皆さん暴走してましたっけ……」
ゆーさんの言う通り、朝Fクラスでアキさんとゆーさんが上手に焼かれかけていた事や普段アキさん&ゆーさん&こーさんがFクラスの皆さんに追い立てられている事を踏まえると、本当に平和って素晴らしい事だってよくわかりますよね。
……どうして一介の高校生である自分たちが、ただ単に下校しているだけで平和の素晴らしさを痛感するのか多少疑問ではありますが。
「まあ、連中も明久の同棲生活は単なる早とちりだったって事で納得したようだからな。今後はそうそう襲われるようなことにはならんだろうさ」
「そもそも襲われている事を前提に話すのもどうかと思うんですがね……あ、次は鶏肉ですかゆーさん」
「ああ。時間が時間だし特売でもやってると財布に良いんだが」
そんな事を言いつつ、カートをゴロゴロ押しながら自分にゆーさんにヒデさんにこーさんはお肉コーナーへ向かいます。良いお肉があると良いですね〜♪
……はい?今自分たちが何処にいて一体何をしているのか、ですか?ああ、それはですね———
〜造回想スタート〜
———十五分前:2-F教室———
『よっし、退屈な授業もやっと終わりだな。んじゃさっさと帰るとするか!どっかに寄っても良いがお前たちはどうする?』
『うーん、そうですね……って、あれ?そう言えばゆーさん、聞きそびれていたんですがお昼休みに確か“後は明久の家に行って対策を説明する”って話をしていませんでした?』
『ん?……ああ、そういやそうだったな。ワリィ、造に秀吉にムッツリーニ。お前らの都合を聞かなかったが今から時間あるか?』
『あ、それなら自分は大丈夫ですよ』
『(ボソッ)造が行くなら———ワシも大丈夫じゃ。今日は部活も無いからの』
『…………俺も平気』
『おっし。んじゃ早速行くか明久の家に!』
『その前に雄二ちょい待った……だから何で当の僕らの都合を聞かないのさ!?』
『んなもん必要ねぇだろが。つーかお前と姫路と島田は今現在一緒に暮らしてんだし、お前の家で対策会議する方が何かと都合いいだろ。それにどーせ明日は休み。多少遅くなろうがゆっくり会議できて暇も潰せるってもんだろが』
『ま、まあそりゃそうだけど、せめて最初に家主の都合くらい聞いてよ……もういいけど。なら折角だしスーパーに寄ってかない?荷物持ちとお金を出してくれるなら今日は夕食をご馳走するよ』
『あらあら♪それは楽しみですね。アキさん、ご馳走になりますねー♪』
〜造回想終了〜
と、言うわけで対策会議兼夕食会をアキさんの家でやる事にした自分たちFクラス仲良しメンバー7人。現在夕食の材料を買う為に全員で最寄りのスーパーに来ています。ちなみに自分とゆーさんヒデさんこーさんの4人がお肉。アキさん姫路さん島田さんの3人がお野菜といった感じで、それぞれ分かれて分担してお買物中ってわけです。
- 128時間目 放課後ショッピング〜スーパーは辺境魔境〜前編 ( No.244 )
- 日時: 2016/01/22 20:52
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)
あ、別に組み合わせに他意は無いですよ、ふふふ♪別にアキさんと姫路さんと島田さんにちょっとしたデートをして貰おうなんて考えていませんからねー(←二手に分かれて買い物する事を提案した張本人)
「それにしてもゆーさん。今更ですがどうしてアキさんの家で対策会議をする事にしたんですか?単に広いからって理由でもないんでしょうし、ひょっとして何か理由でもあるとかですか?———あ、これなんてどうです?つやも色も中々良いですし弾力も中々のものですよ」
「おっ、流石に造は察しが良いな。ま、単純に俺の家にはあのおふくろがいるからって理由もあるんだが———特売品にしては肉に厚みもあってかなり良い品だな。んじゃ鶏肉はこれで良いか」
お肉を吟味しつつちょっと気になっていたのでゆーさんに話しかけます。多分ですがゆーさんの事ですし、アキさんの家を指定したのには何か考えがあってのことだと思うんですよね。わざわざ自分らの都合を聞いていつものメンバー全員を集めたくらいですし。
「明久の家で対策会議を行う理由は主に三つの理由がある。おまけに大半が試召戦争関係でな———にしてもどうすっか。俺ら7人と玲さんにチビッ子の2人で9人だろ?何作るかにもよるがこれだけじゃ一品か二品ほどおかずが足りそうにねぇな。味気ない夕食は御免だぞ」
「あれ?そんなに理由があるんですか?自分は他のクラスの方々に聞かれたくないからかなー?って理由くらいしか思いつかなかったんですが———それだけの大人数ですし、いっそこの前みたく鍋にします?まあ、この前の闇鍋(ダークマター)が鍋料理に含まれるかは疑問ですが。例えば水炊きとか鶏肉と白菜の塩鍋とかはどうでしょう」
「あー……造に雄二よ。試召戦争の話をするか料理の話をするかのどちらかにせい。お主らの同時進行のバラバラ会話は聞いていて頭が混乱しそうじゃ」
「…………二人とも交互に別の話するなんて器用だな」
「「へ?」」
感心しているような呆れているような、そんな微妙な表情で自分たちの会話にストップをかけるヒデさんとこーさん。おっとと、これは失礼しました。一旦手を止めて一先ずゆーさんにアキさんのお家で対策会議を行う理由から聞きますかね。
「ワリィワリィ秀吉にムッツリーニ、じゃあ一旦話を元に戻すぞ。造が言った通り、一つはやっぱり盗聴に気を付けたいって事だな。ムッツリーニがいるとはいえ、学園内で話してたら少なからず何かしらの俺らの作戦の情報が洩れる恐れがある。昼の作戦会議中に大まかな概要までしか話さなかったのはその為だな」
「ああ、やっぱりそうでしたか。Fクラスの弱点対策を他のクラスに聞かれちゃ一番マズイですからね」
「…………壁に耳あり障子に目あり。こう言う事は用心するに越したことは無い」
「盗聴・盗撮に長けたムッツリーニが言うと説得力があるのう」
「…………何の事かさっぱり」
こーさん……それを今更否定するのもどうかとは思いますが。それはともかく確かに盗聴の件はもう少し気を付けた方が良いかもですね。試召戦争は情報が命ですし。
「んでもって二つ目の理由だがな、召喚獣の装備の確認を比較的広い明久の家でやっておきたいからだな。造がいれば教師共がいなくてもフィールド形成の腕輪使ってもらって召喚出来るだろう」
「へ……?それでしたらゆーさん、それこそアキさんの家よりも学園内でやった方が良いのでは?そもそも召喚獣って基本的には文月学園内でしか出しちゃいけないですし」
っと言っても、何だかんだで色んなところで召喚獣として遊んでる(?)自分が言えた事ではないのですが。
「おいおい造。ちょっと考えても見ろ。俺らが教師の誰かに召喚許可出したとして、素直に“そうですか。わかりました、なら許可しますね”って教師共に言われると思うか?」
「え?いや、それは……あれ?」
言われてみれば確かに、普段何かと召喚獣関連の問題を起こしている(と言うよりも問題に巻き込まれている?)自分たちFクラスメンバーに召喚許可を簡単に渡す教師なんてそうそう『『『私たちがいますよ造くん!』』』いないですよね……
……今脳内で自分を生贄にすれば召喚許可くらい渡せそうな先生方が反応した気もしましたが、やっぱり気のせいですね。
「な?そんな教師はいねぇだろ?俺や明久が頼んだところで“何かまた企んでいるんだろう、絶対召喚許可はやらん”って一掃されるのがオチだ。つーか現にさっき試しに明久連れて鉄人に召喚許可貰いに行ったんだが———」
- 128時間目 放課後ショッピング〜スーパーは辺境魔境〜前編 ( No.245 )
- 日時: 2016/01/22 20:51
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)
〜雄二回想スタート〜
『えっと、鉄じ「西村先生と呼べ」西村先生。すいませんが召喚許可を「ダメだ」お願いできま「不許可だ」せんか?「却下だ」試召戦争「断る」も解禁されるし、「諦めろ」新しい召喚獣を「無理を言うな」———って断りすぎじゃないですか!?一つのお願いを言い切る前に六回もダメだしされたのは流石に初めてですよ!?』
『吉井、貴様が俺の話を聞かんからだろうが。そもそも前から言っているように、お前の召喚獣は簡単に喚び出してはいけないものだ。許可など誰がするか』
『けどその辺は大丈夫っスよ先生。今まで俺が問題を起こした事があるとでも?』
『良い事を教えてやろう坂本、それに吉井。お前らが一年から書いてきた反省文がこの間ちょうど500枚を突破した』
『『ならその内の499枚は明久(雄二)のだな(ですね)』』
『……ともかく召喚許可は出せん。さっさと戻って次の授業の準備でもしていろ。だいたいお前たちが俺を先生と呼ぶと大抵ロクな事にならないからな。また何か企んでいるんじゃないのか?』
『(あ。雄二、どうやら呼び方が不味かったっぽいよ)』
『(そうみてぇだな。んじゃ言い方を変えてやるか……)』
『よろしく、宗くん(パキュ)』
『頼むぜ宗一(ペキュ)』
『誰が呼び方を変えろと言った。教師をファーストネームで呼ぶな』
『『手が!?手の骨がああああああああっ!!』』
〜雄二回想終了〜
「———ってな具合で問答無用に拒否られた上に手の骨を粉砕されかけた。ったく頭ン中も筋肉もガチガチの鉄人め、無駄な怪我と手間掛けさせやがって」
「いやいや……ゆーさん。それは西村せんせが怒るのも無理ないことですよ」
「反省文500枚とはの……分厚い文庫本並じゃの」
なるほど、休み時間中にどこかへ行って戻ってきたお二人が負傷していた理由はそれですか。それ以前にゆーさんにアキさん?反省文が500枚って何をしたらそんなに書けるんですか……?
「まあ雄二や明久は召喚獣や腕輪を完全に私物化しておるからのう。鉄人に断られるのも無理は無いじゃろう。ここはやはり造あたりが許可を貰えば……いや、それこそ無理じゃな。“お前も何かまた破天荒な無茶をするんだろう、絶対召喚許可はやらん”と鉄人に一掃されるのがオチじゃな」
「えっ!?え、えっと……ヒデさん。自分そんな無茶なんてやった覚えなんてないんですが……?」
「…………召喚獣化して教頭室に花火ブチ込んだ前科あるのに?」
…………ナンノコトカナー?
「つーわけでヘタに学園で召喚したら俺ら全員仲良く鉄人にとっ捕まえられる可能性があるわけだ。その点明久の家で召喚した方がよっぽど安心安全ってこったな。おまけに他のクラスよりいち早く召喚獣の仕様変更が確認できて、召喚獣を暴れさせても明久の家だから問題無し。まさに一石三鳥だ」
そんな事を何だかとっても悪い笑顔で堂々と宣言するゆーさん。なるほど、そう言う事でした……か?ってちょっと待った。
「いやいやいや、流石に最後問題大有りでは……アキさん泣きますよそれ……」
「安心しろ造。明久だから問題ないさ。何を壊しても玲さんに叱られるのは明久だ。んでもって最後の理由は———」
「「「最後の理由は?」」」
「明久の同棲生活を見ておきたかったからだな。姫路に島田に島田妹に玲さんと同棲なんざ……何かアイツを脅す最高のネタになりそうだったしな!」
「最後の理由に至っては最早試召戦争すら関係ないんですか!?それはただ単にゆーさんがアキさん弄りをしたかっただけじゃないですか!?」
……ひょっとして試召戦争対策は建前で、アキさんの同棲生活を冷やかしたかったのが本音なんじゃないでしょうね?アカン、ゆーさんですし十分あり得る……
「んなことより説明終わったしさっさと食材調達続けるぞお前ら。腹減ったしな。さぁて次は……おお、豚肉発見。あ、だが豚肉より牛肉の方が……いや、どうせなら両方か。特売だからこっちのが———」
そう言って再びお肉を吟味し始めるゆーさん。どうやらゆーさんの中ではアキさん<今日の夕食という力関係が成り立っている模様。ああ、でもよく考えたらアキさんもアキさんでいつもゆーさんに対してはアレな対応してますし……
「い、今更口にする事ではないのかもしれませんが……アキさんとゆーさんって仲が良いのか悪いのか本気でわからなくなるんですが」
「相変わらず雄二は明久に、そして明久は雄二に容赦ないのう。もう慣れたがの」
「…………某世界一有名なネコとネズミの喧嘩と一緒だな」
ホント随分奇怪な友人関係……こんなコンビ今まで見たことありませんよ。アキさんとゆーさんには“悪友”って言葉がよく似合いますよね……まあ、何だかんだで仲は良いとは思うんですがね。