二次創作小説(紙ほか)
- 135時間目 ( No.271 )
- 日時: 2016/03/11 20:41
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)
造Side
『嘗めてんのかテメェらは!?一体何だこのマヌケなEクラス戦の結果は!?1年からやり直せやバカ者共がっ!』
Eクラス戦はゆーさんの作戦通り、完璧にこなしたはずの自分たち。ですがどういうわけか、戻ってみるとゆーさんが皆さんに向かって怒鳴り散らす姿が見えてしまいます。え、えっと……これは一体……?とにかくボーっとしていられません。ゆーさんの声に少しだけ怯みながらもFクラスに戻ることに。
「た、ただいまですゆーさん、それに皆さん……」
「あぁん!?…………って、おお。お前らか、スマン怒鳴っちまって」
教室に戻りゆーさんに話しかけると、怒鳴っていたゆーさんも自分たちの姿を見て荒げていた声は止み、少し落ち着いたように声を整えてくれます。
「その、坂本。Eクラスとの交渉は終わったわ」
「うむ。無事に交渉成立じゃ。条件は後日説明すると伝えておいたからの」
「……そうか。さっきの戦いも含め、ご苦労だったな」
一応ゆーさんは自分たちに労ってくれますが、はらわたが沸々と煮えくり返っているようで少し怖いです。見た感じですとどうやら他のFクラスの皆さんに腹を立てているようですし、自分たちに向けられた怒りではないとわかっていてもちょっぴり怯んでしまいます。一体何が合ったんですかゆーさん……?
「あ、あの……ごめんなさい、もしかして私たち何かミスをしましたか……?」
「ゆーさん、ひょっとして時間をもっと短縮すべきでした……?それとも交渉に時間かけすぎましたか……?」
「いや、姫路や造、それに島田に秀吉はよくやってくれた……この短時間で勝負を決めてくれたからこそ次が何とかなりそうだ。マジで感謝している。……だがそれに比べてお前らはどういうことだクソがっ!大体何だその開き直った態度はっ!?」
『仕方ねーじゃんかよ、俺らお前らと違って召喚技術無いしよ』
『誰にでもミスくらいあるだろ。なにカリカリしてんだよ坂本』
『武器も変わったしな。ま、焦らなくても次は上手くやれるさ』
「っ……ヤロ……!」
今にもクラスメイトを殴りかかりかねない程ゆーさんは腹を立てています。ど、どうしたんでしょうか……?Eクラス戦も予告通り一時間以内に終わらせ、見事に勝利したはずですのに……
「あー……4人とも、とりあえず説明するから教室出よっか」
「…………ここは雄二に任せるべきだな」
「あ……アキさん、こーさん。わかりました……皆さんも行きましょう」
激怒しているゆーさんの横にいたアキさんたちが状況を飲み込めていない自分たちに声をかけてくれます。アキさんの提案で自分たちはゆーさんの邪魔をしないように再び廊下に出ることに。
「それで明久君に土屋君。何があったんですか?」
「坂本があれほどキレるなんて、やっぱりよっぽどのことがあったのよね?」
「雄二が真面目に腹を立てること……もしや試召戦争関連かの?」
「お二人とも、申し訳ありませんが詳しく教えて貰えますか?」
「そ、それがさ……ちょっと他のみんながやらかしちゃったって言うかさ」
「…………操作ミス、らしい」
自分たちにそっと状況を教えてくれる二人。ゆーさんほどではありませんが、お二人も苦々しい面持ちで説明してくれたその内容は……それはそれはとてもバッドなニュースでした。
〜明久&ムッツリーニ説明中〜
「———えっ!?……じ、自分たち7人以外のFクラス全員戦死……!?」
アキさん、こーさん曰く先ほどのEクラス戦で戦力的にはかなり有利だったのにも関わらず、先行していた自分たち4人とEクラス戦で召喚獣を召喚していないゆーさん・アキさん・こーさん以外のFクラスのメンバーが全員戦死、それも戦死した科目以外の科目も万遍なく戦死ギリギリに消費されているとのこと。
「うん……何でも普段と武器が違ったり、久しぶりに召喚したせいで感覚が掴めなかったりで同士討ちとかして全員戦死しちゃった……らしい」
「そ、そんなっ!?私たちとあんなに模擬戦や対策しましたのに!?」
「と、言いますか同士討ちに操作ミスですって……?」
う、うそ……?そんなバカな……?姫路さんの言う通り、こういうことを防止すべく予め自分の腕輪を使って召喚獣の操作の練習や模擬戦を非公式ながら一昨日と昨日十分にやったはずなのに……同士討ちや操作ミスでクラスの大半が戦死……?これは流石に想定外過ぎです……
「…………姫路と造たちがEクラス戦を短時間で終わらせてくれたから、補習室からはすぐ出られたらしいが……」
「ちょ、ちょっと待ちなさい。この後Dクラス戦なのよね……?このままじゃ今すぐ補充試験を受けてもこいつらDクラス戦に間に合わないじゃないのコレ!?」
「確か12時きっかりに試召戦争を始めるとDクラスから宣戦布告されておるからの……約1時間30分しかないではないか」
これは確かにゆーさんが激昂するのも無理はないかもしれません。皆さんわざと……ではないと信じたいですが、これは本気でマズい。1、2科目補充できるか出来ないかのレベルですか……とにかく時間がありません。慌てて教室に戻りゆーさんを宥めて作戦会議しなくては。
- 135時間目 ( No.272 )
- 日時: 2016/03/11 20:41
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)
「———大体お前らはな……っ!」
「はい、そこまでですゆーさん」
「……造?」
「アキさんとこーさんに話を聞いて状況は分かりました。ゆーさんの気持ちはわかります、ですがこう言っては悪いとわかっていますがここで怒っても今は時間の無駄です。今すぐ対策を立てましょう、説教するのは終わってからです」
「……そうだな。腹立たしいが今はこんなバカ共相手にしている暇はねぇか。こいつらの処分は後回しにするしかないな」
自分がそう宥めると、爪が食い込むほど拳を強く握りしめ、歯を食いしばり一度大きく深呼吸をしてゆーさんが頭を切り替えます。いつものメンバーも席に着き緊急作戦会議開始です。
「さて。こんなアホみたいな事が起こったんだ。まず想定していたDクラス戦の作戦は使えん。白紙に戻して考え直す必要があるな」
「と言うかさ雄二。わざわざ作戦を白紙に戻さなくてもDクラスに待ってもらうことはできないの?こんなに時間ないわけだし……せめてDクラスに1時間だけでも延期してもらう様に交渉するのはどうかな」
「ダメだ。宣戦布告を受けちまった以上、引くわけにはいかん。一学期初っ端の状況ならお前の言う通りDクラスと交渉も出来たかもしれんが……俺らは今や上位クラスに位置しているんだ。Dクラスの連中の出した条件の宣戦布告に基本文句を言えないからな。ここで延期でもしようものなら協定違反ってことで、その時点で敗北にもなりかねない」
「ならばこやつらが回復するまで先ほど同様にお主らが逃げ回るとかはどうじゃ?」
「……いや、例え俺たちがめいいっぱい時間を稼いでもこのバカ共が点数回復できるのはせいぜい1〜2科目程度だろう。何をどうバカをやったか知らんが、このバカ共は全教科ボロボロだ。回復した教科以外で勝負を挑まれたらまた戦死。そんな無駄なことをする必要はどこにもない」
延期もダメ、逃げ回るのもムダとゆーさんは答えます。となればやはり———
「でしたら……やはりここはこの場の7人でどうにかするしかないですね。戦える人数が圧倒的にこちらが不足している以上長期戦は不利。まともに戦える科目等も考えると何が何でも先手必勝、向こうに満足な準備もさせない程の超火力・超短期決戦で挑む他ないと思います」
「……それしかないな。本来ならここで造・姫路・島田・秀吉の補充試験に入る予定だったが時間がない———作戦変更だっ!辛いとは思うが科目は使っていないものを用いてさっきの特攻メンバー+俺・明久・ムッツリーニで一気に攻め込む!この際戦力温存なんて言ってられん、各々の腕輪・能力その他諸々使わざるを得ないなら存分に使い全力且つ速攻でDクラス本陣を叩くッ!」
Dクラス戦開始まで時間も無いので、即興の作戦をゆーさんが立てます。この切り替えや思い切りの良さは流石ゆーさんですね。
「今言ったメンバー以外は戦死しているし、全員今すぐ点数補充だ。お前ら、補充試験も嘗めた真似するようならぶちのめすから覚悟しておけよ……オラ、とっとと行ってこいやっ!」
「「「へいへーい」」」
「(……ちっ、こいつらは一体何だ……?今朝もだがやる気ねぇな畜生が……)———こいつらが使えん以上、俺たちで何とかするしかねぇ。増援もないものと思って7人で戦うことになると思ってくれ」
「それはわかりましたが……坂本君まで戦うんですか?攻め込むのは私たちに任せて代表の坂本君はどこか本陣を作ってそこで待機しておく方がいいのではないですか?」
「あ、それウチも思った。アンタがやられたらウチらの負けでしょ?アンタまで攻めるってめちゃくちゃ危険じゃないかしら」
戦死した皆さんを蹴り倒す勢いですぐに補充室に向かわせるゆーさん。そのゆーさんに姫路さんと島田さんが一つもっともな質問します。ですが……
「いえ、自分もゆーさんは自分たちと一緒に行動した方がいいと思います。今朝のように近衛兵を置ける状態ならお二人の言った通りにした方が絶対に安全ですし定石通りと言えるでしょう。ですが今回は近衛兵を置ける余裕は無し、ゆーさんだけ別行動したり本陣にゆーさん一人にするのは逆に危険になるかと」
「造の言う通りだな。今は近衛兵を置けるほど戦力を割く余裕もない。つまり俺一人で待機しなきゃならんことになるからな。もし出し抜かれて俺のところに攻め込まれれば俺たちの敗北決定だ」
「ならいっそ雄二も攻撃隊の戦力として入れる方が勝率も上がるってことなんだね。雄二が僕らと一緒にいるならもしもの時誰かが雄二を守ればいいからね」
「そう言うことだ、後はいちいち俺とお前たちが離れてたら情報伝達や作戦指示が遅れちまう。だったら本陣にボーっと居座るより即興で指示がとばせる分一緒に戦っていたほうがまだマシだ」
まあ、とは言え本来だったらクラス代表を前線に出すのは自殺行為。もし自分たちのフォローが間に合わなければゆーさんは敵本陣で袋叩きに遭うのと同義という危険な賭けではありますが……今はこれしかありませんね。
「とりあえず一時間弱しかないが造・姫路・島田・秀吉の4人は一番消費している科目の点数補充を頼む。開始五分前には回答途中だろうが切り上げてここに戻ってきてほしい。明久・ムッツリーニは俺と一緒に詳しい作戦会議及び情報収集だ。少しでも現在のDクラスの情報が欲しいからな」
そう自分たちに指示を飛ばしたあと、気合いを入れるためいつものメンバーで円陣を組みます。
「さて、7人での戦いとなっちまった。俺らと向こうで約7倍の人数差。だが———心配すんなっ!人数差7倍?知ったことか、戦力はこっちが圧倒的に上だっ!いいか、前にも言ったがやれないことはない!自信を持て、気合い入れろ!こんなところで立ち止まってる暇はない!あくまで目標は打倒Aクラス!とっととDクラスを潰すっ!行くぞお前らっ!」
「「「「「「応っ(はいっ)!」」」」」」
いつもの仲良しメンバーにそう告げるゆーさん。つまり今から始まるのは以前から想定はしていた、このいつもの7人とDクラス全員との戦いってことになりますね。……戦力を踏まえれば一応やれなくもないとはゆーさんとこーさんの分析でわかってはいます。ですがあくまでそれは流石に唯の机上の空論だとばかり思っていました。まさか早速実戦でやらねばならぬとはね……
ですが泣き言も言っていられません。ここまで来たからには全力で当たって敵を砕くのみ、です!いざ行きましょうDクラス戦!