二次創作小説(紙ほか)
- 107時間目 二人三脚・三人四脚〜ドキドキのくじ引きです〜 ( No.29 )
- 日時: 2015/07/26 21:09
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
造Side
「お。戻ってきたか。造、明久」
「ご苦労じゃったな、造に明久よ」
「…………お帰り」
「はい、ただいまです皆さん」
「あ、うん。ただいま」
偵察を無事終えて、中央グラウンドに自分とアキさんが戻ると皆さんが温かく出迎えてくれます。ん?自分がアキさんとどこに行ってたかですか?それはですね……
「それで3−Eと3−Fの試合はどうなってる?俺らの対戦相手は決まったのか?」
早速ゆーさんが自分らに偵察結果を尋ねます。そう、この時間体育祭のプログラム的な意味でも手の空いていた者同士、偵察部隊としてアキさんと自分で次に戦う予定の3年生の試合を見てきました。ちなみにその三年生同士の戦いは、グラウンドで体育祭があっているので場所の都合上体育館で行われています。
「それが……まだ試合中なんですよ」
「そうなんだよね。延長に入ってるし……もしかしたらドローかもよ。だったらラッキーだよね」
と、アキさんと二人で報告します。アキさんの言っているラッキーと言う意味は、時間の都合上今回の野球大会は7回までに決着がつかない場合に引き分け、つまりドローになるということ。まあ両者引き分けと言えば聞こえは良いのですが、その場合はトーナメント表で両者敗退扱いとなるわけでして。
「ふむ。それならば次の試合は不戦勝になりうると言うわけじゃな?」
「いや、それでも一応試合がある事を前提に考えておくぞ……確か、次の勝負は数学・物理・現国・政経・地理だったよな」
と、ゆーさんがプログラムを見ながら確認します。おお♪英語がない上に現国が!これは結構暴れられるかもですね!あ、でも逆にこーさんは……
「…………保健体育が無い」
「って事はムッツリーニは体育祭の競技の方に参加?」
「そうだな。2回戦はそうしてもらうか。まあ、多少の情報収集もついでに頼むなムッツリーニ」
「…………了解」
と、こーさんが抜けることとなりました。これってやっぱり得意教科・不得意教科で、誰をどこに入れるのか頭を悩ませますよね……そこはゆーさんの腕の見せ所ってところでしょうか。
「ふむ。とりあえず打順や守備位置をかなり弄る必要があるな……最初の科目が数学だし島田を1番のピッチャーに配置。2番に須川あたりか。アイツはバントが得意そうだからな」
「僕はどうなるの?数学は苦手なんだけど?」
「数学も、だろ?ま、お前には操作技術があるから、この際3番のままでバントでもして貰うぞ。上手くいけばここで1点だ」
「りょーかい。任せてよ」
気がつけばどんどん皆さんのチームの配置を考えつくゆーさん。こう言う時のゆーさんって活き活きしてますよね。根が指揮官や監督向きなんでしょうね。
「あ、自分の守備位置はどの辺が良いでしょうか?」
「造は今回もショートだ。お前の鬼門の英語もないし、フルで頑張ってもらうからな」
「了解ですよ、任せてください」
「ワシはどこへ行けばいいのじゃ雄二よ?」
「秀吉は結構小回りが利くからな。セカンドにでも行って貰う」
と、いつものメンバーで打順や守備位置を話合っていると……
「「あ、あのっ!アキ(明久君)っ!」」
……何やら妙に真剣な顔をした姫路さんと島田さんがアキさんに迫ってきました。ハテ?一体どうしたんでしょうか?
「ん?どうしたの、瑞希に美波?」
「えっと……大した用じゃじゃないんだけど、ね」
「その……明久君は、何番ですか?」
……何番?えっと、打順の事でしょうか?ひょっとして姫路さんたちも没収品を取り戻す事に必死なんでしょうかね?その割には先ほどのEクラス戦では今ほど真剣ではありませんでしたが……
「何番?……ああ、3番だよ。ナンバースリー」
「「はうぅっ!!」」
アキさんのその言葉に、がっくりと肩を落とすお二方。よくわかりませんが、アキさんの打順に不満があるってことなんでしょうか?そこまで落ち込む意味は全く分かりませんが。
- 107時間目 二人三脚・三人四脚〜ドキドキのくじ引きです〜 ( No.30 )
- 日時: 2015/07/26 21:12
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
「うぅ……確かに瑞希とアキとウチの3人の三人四脚は流石に低い確率だと思ってたけど……」
「酷いです、あんまりです……せめてどっちかだけでもペアになれれば良かったのに……全員バラバラなんて」
「ウチらならいくら確率が低くても、絶対いけると思ったのに……」
「堂々と引っ付く事の出来るチャンスなんて滅多にないですのに……」
「「…………はい?」」
な、何の話でしょうか?よくわからずにアキさんと首を傾げていると……
「ああ、そういう事か。安心しろお前ら。明久が言ってるのは打順の事だ。二人三脚のクジはまだ引いてないぞ」
「「え?」」
「「は?」」
と、事情を察してくれたのかゆーさんがそう言ってくれます。ですが二人三脚?一体何の話何でしょうか?
「む、そう言えばこの二人に言うておらんかったの……二人とも、アレを見てみい」
と、ヒデさんが指差す先には……
『頼む……!なんとか最高のパートナーを……!』
『いいから早く引けよ。後がつかえてるんだから』
『わかってるから急かすなよ……!よし、これだ————チクショオォォォォッ!』
『『『っしゃああああああ!ざまぁみやがれええええええええええ!』』』
…………皆さん一体何をやっているんでしょうか?小さな箱の中身をめぐって一喜一憂しているクラスメイトの姿がそこにはありました。
「えっと、あれって何やってるのかな?」
「まあ、ただのクジ引きだな」
「いえ……それは何となくわかるのですが、何のクジ引きをやっているんですか?」
「次の二人三脚のペア決めじゃな」
「あ、そう言えば次は二人三脚でしたね」
「ふ〜ん。そうなんだ」
召喚野球に力を入れている自分たちではありますが、本来は体育祭がメインですからね。二人三脚も大事な競技、こちらも忘れず頑張らないといけないのは分かりますが……何だか大して興味がなさそうなアキさんですね。まあ、基本アキさんやゆーさんは没収品を取り戻す事の方が本命だからでしょうか。
「なんじゃ二人とも?随分落ち着いておるの」
「そですか?自分は基本誰となってもいいですし……」
「そだね。造と同じで、僕も誰がパートナーになっても気にしないから。どうせ男女別になってるだろうし———」
「言い忘れてたが、二人三脚は男女混合だぞ?」
「…………試獣召喚(サモン)っ!さあ殺れ!僕の召喚獣!このバカ雄二を血祭りにあげるんだっ!」
と、ゆーさんのその発言に、アキさん物凄くご乱心です。
「落ち着け。そもそも召喚フィールドがなきゃ召喚出来んだろうに」
「じゃあ造!悪いけどフィールド出して!男女混合なんて考え出したこのバカを粛正するからっ!」
「いやいや……出しませんよ。あ、でもそう言うことですか。それで皆さん祈るようにくじを引いていらっしゃるんですね?」
皆さん先ほどから、箱の前で祈りを捧げていた理由はそれなんですね。あまりに熱心でしたし何かの宗教的な儀式の一種かと思いましたよ……
「ぐぅうううううううう!瑞希、美波っ!誰とパートナーになったの!?とりあえずそのパートナーを始末してくるから安心してねっ!?」
「アキさん始末って……その発言は寧ろ不安になりそうなのですがね……?」
「そうでもなさそうじゃぞ?ホレ、見てみるのじゃ造よ。肝心の姫路たちは———」
「「アキ(明久君)ウチら(私たち)のことをそんなにも想ってくれて……♪」」
あらら……アキさんLOVEなこの二人は、アキさんのこの態度も何だか嬉しいようですね。ホントにこの3人は……相変わらずご馳走様です。
- 107時間目 二人三脚・三人四脚〜ドキドキのくじ引きです〜 ( No.31 )
- 日時: 2015/07/26 21:15
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
「ったく……明久、先に言っとくが俺も本来は男女混合の二人三脚なんざお断りだぞ?」
「えっ?……あ、ああ!そっか。そんなことしたら坂本翔子さんが悲しむもんね!ゴメンゴメン雄二。ついカッとなっちゃったよ」
「……坂本翔子?ほぅ……良い根性してんなバカ久。とりあえずお前はさっさと異端者として裁かれろや」
「へぇ?……雄二はどうやら、そんなにも異端審問会の審判を受けたいようだね?」
そして相変わらずなこの二人。本当に仲が良いのやら悪いのやら?
「って、雄二なんかと話している暇はないんだった!瑞希、美波!待っててね、二人の引いたくじは僕が引き当てるからっ!」
そう言ってアキさんはくじ箱の方へ駆け出して行きました。
「あらあらアキさんたら……結構独占欲がお有りなんですね〜」
「そうじゃの。それにしても……あやつは姫路たちの引いたくじが何番かわかっておるのじゃろうか?」
「……あれ?そう言われれば……」
「と言うかだな、それ以前に姫路と島田が違う番号であった以上、二人の引いたくじを二つとも引き当てるのはまず不可能な事に、アイツは気が付いてないようだがな」
「…………その辺はやっぱり明久らしい」
と、しばらくして物凄く落ち込んだ顔のアキさんが戻ってきました。あらら……その様子だと———
「どっちも……ダメだった……ゴメンね二人とも」
「そ、そんなことないわ!ウチらだって……」
「そうですよっ!明久君が悪いわけではないんですし!]
———まあ、こうなる確率の方が大きいですし。残念でしょうが仕方ないですね。
「全く……これだから貴方は詰めが甘いのです!それでしたら、お姉様とペアになった豚を買収するか……」
「そうだね、それか二人のパートナーになる相手を再起不能にしておくしか出来ないよね……」
「ふむ、貴方も最近は多少はわかってきているみたいですわね。そうです、お姉様のペアにあの小学生か木下さん以外の豚がなろうものなら……」
「……穏便に買収。上手くいかないならとりあえず滅すれば良いワケ、か。ゴメン清水さん、その時は手伝ってね」
「仕方ありませんね、お姉様のため、手を貸してやりましょう」
あの……アキさん&清水さんは物騒なものを持って物騒な事を言わないでくださいね?本気かと思うじゃないです———あれ?
「「「「(なんで清水(さん)がここにいるんだろう……?)」」」」
…………いや、まあ今更でしょうかね?清水さんが島田さんLOVEなのはわかりきっている事ですし。
「えっと……ちなみに皆さんは何番だったのですか?」
「あ、その……私は7番です」
「ウチは……6番よ」
「あちゃー……姫路さんと島田さんは番号順的には惜しかったんですね。それでアキさんは?」
「あ、僕?えーっと……?“ラスト:3人”って書いてあるんだけど?」
???ラスト:3人?ってことは……最後に3人で走るってことでしょうか?
「ほう?明久はそれを引いたのか。クラス人数の都合上、二人三脚の最終走者は確か二人三脚じゃなくて、三人四脚だそうだ」
「うぅ……本当ならウチと瑞希とアキで三人四脚をやりたかったのに」
「残念です……どうして私はこう言う時のくじ運がないんでしょうか」
あらら……確かにその三人四脚なら、三人で走れて最高に良かったでしょうね。姫路さんも島田さんも、きっと三人仲良く体育祭を楽しみたかったでしょうし。
「……折角、アキともっと仲良くなるつもりだったのに」
「……明久君の胸とかお尻とか触るチャンスでしたのに」
…………!?し、島田さんはともかく姫路さん今何か言いま————いえ、気のせいってことにしておきましょう。自分は何も聞いていません。ええ、聞いていませんとも!
「おっと、そう言えば自分もまだくじを引いていませんね」
「そういや俺たちもまだ引いてなかったな。アイツらが落ち着くのを待っていたらすっかり忘れてたぜ」
「ワシもじゃな」
「…………同じく」
彼女の過激な発言は置いておくとして、大事な競技の一つですし自分たちもくじを引きに行く事に。
「こうなれば……造と秀吉が瑞希と美波のくじを引いてくれる事を祈るしか出来ないっ!頼んだよ二人とも……!」
「そうですわね……まずはこのお二人に託しましょう。それでもダメなら、美春が出ますわ……」
…………アキさんに清水さん。それではまるで自分とヒデさんが、男として見られていないように聞こえるのですがね?それどう言う意味か後でじっくり聞かせて貰いますからね。まあ、それは後でにして、今はクジ引きですね。
皆さんが固唾を呑む中、まずはヒデさんがくじを引きます。さて引いたくじには何が書かれているのでしょうか。
「む……6番のようじゃな。島田とペアじゃな」
「「よしっ!!流石は秀吉だね(木下さんですわ)!」」
ふむふむ……まずはヒデさんと島田さんがペアに。他のちょっぴりやましい男子と島田さんがペアでないとわかり、アキさんと清水さんが二人でガッツポーズをしています……何だかこの二人って、最近息があってますよね?島田さんのペアの相手がヒデさんとわかって安心したのか、清水さんはさっさとご自身のクラスへ戻っていきました。
ま、まあそれはともかく、次はこーさんがくじを引きます。少しガサゴソとこーさんは箱に手を伸ばした後……
「…………三人四脚」
こーさんが三人四脚ってことはアキさんと一緒ですね。後はゆーさんと自分が残っていますし、姫路さんとのペアかアキさんとこーさんと一緒ってことですか。
「最後は自分とゆーさんですか。どうします?ゆーさんが引きますか?」
「あー、めんどくさいし造。出来ればお前が引いてくれ」
「はいです、それでは自分が……」
- 107時間目 二人三脚・三人四脚〜ドキドキのくじ引きです〜 ( No.32 )
- 日時: 2015/07/26 21:21
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
こう言うクジ引きの時って何だかドキドキしますね〜♪まあ、くじを引くと言ってももう自分とゆーさんの分しか残っていないので、実質は2枚しか残っていないのですが。それでは先に手に触れたこのくじにしましょうね。
「……ふむ、三人四脚ですか♪」
ってことはアキさんとこーさんと一緒ですね。くじを引き終わり、そう思わず呟いた瞬間に……
『坂本、吉井、ムッツリーニ……またしてもお前らか』
「「「っ!?くっ……もう囲まれたのか……!?」」」
……まあ、予想はしてましたがこうなりますよね。アキさんゆーさんこーさんを取り囲み呪詛を込めて殺気立つクラスメイト達。止めないと暴動怒りますねコレ……
「あの!皆さんっ!」
『『『なんだい造ちゃん!お兄さんに何でも言ってみな!』』』
自分の一言にさっきまでの鬼のような形相から満面の笑みを浮かべそう返すクラスメイトさん方。と言いますかお兄さんって……一応言っておきますが、皆さんより自分は年上ですからね?
「…………えっと、自分小さいですし小柄なこーさんとバランスのとれたアキさんとじゃなきゃ三人四脚なんて出来ないんですよ。ここは自分に免じてアキさんたちを許していただけませんか?」
『『『ぐっ……そ、それは……』』』
「お願い……しますです……」
『『『…………吉井、ムッツリーニ。終わったら覚悟しておくんだな』』』
よかった……皆さん何とかこの場は抑えてくれまし————
『『『ただし……坂本ォッ!お前は別だ、逃がさんぞ!捕らえて血祭りじゃああああああああああああ!』』』
「くっ!さらばだっ!」
————全然、抑えていませんね……ゴメンなさいゆーさん。フォローするのが遅れて……
「ふぅ……造助かったよ」
「…………感謝する」
と、こちらは助かったアキさんとこーさん。いえいえ……あれ?
「そう言えばアキさんは何だかさっきより落ち着いてませんか?」
「む?そういえばそうじゃの。明久よ、お主さっきまで“姫路と島田のパートナーは抹殺する”と言うておったじゃろう?」
「あはは♪雄二なら大丈夫だよ。だって僕がそんな事しなくても霧島さんが」
『……雄二、浮気は許さない』
『って!?しょ、翔子!?どこから湧いて出た!?』
『……ナース服とチャイナ服、どっちを着て二人三脚に出たいの?』
『どっちも嫌に決まってんだろ!?』
「霧島さんが雄二を(社会的に)殺ってくれるから」
「「…………ゆーさん(雄二)、南無三です(じゃ)」」
ずいずいとゆーさんにコスプレ衣装を押し付ける霧島さん。あれは……いろんな意味でキツイです……このままではまたもや文月新聞にゆーさんの奇行が取りざたされること間違いなし、でしょうね。
『……ところで雄二』
『おい待て翔子。俺の服を脱がしながら何もないかのように話を進めるな』
『……お義母さんから何か預かってない?』
『ん?おふくろから?ああ、あれなら』
脱がしながら話をする霧島さんと、抵抗しながら普通に答えているゆーさん。どっちも凄いですね。凄いの意味が別次元に行っている気がしますが。
『……あれなら?』
『持ち物検査の日にお前の持っていた袋に入れておいた』
『……袋って』
『あの催眠術とか黒・白魔術とかの本が入っていた袋だ』
『…………本当に?』
『本当だ』
『……嘘じゃ、ない……?』
『嘘じゃない』
『…………』
『?どうした翔子。それがどうかしたのか?』
『……んて……とを……』
『だから、どうしたと————』
『……なんて事を、してくれたの……っ!』
ビリィ!
何があったかわかりませんが、霧島さんの乙女の怒りがゆーさんの体操服を綺麗に裂きます。恋する乙女って凄い。
『ちょっ!?おまっ!?何してくれるんだ!?』
『……こっちの、台詞!あの袋中身ごと全部没収されたのに……っ!』
『いや待て!ホントに何の事だ……あっ、待てって!?』
『……雄二の……バカ……!』
と、いつものメンバーが呆然とする中、霧島さんは物凄い早さで去っていきました。???一体何がどうしたんでしょうか……?
「雄二。一体何やったのさ?」
「ああ……どうも俺のせいでおふくろに預けていたものを没収された雑誌類と一緒に没収されたらしいが……」
アキさんがゆーさんの元に駆け寄り、一先ずアキさんのジャージを渡してゆーさんに尋ねます。それにしても、没収品ですか……
「預けていたもの、ねえ」
「……随分大事な物だったのではないでしょうか?あそこまで動揺している霧島さんは……あんまり見た事がないですよ?」
それこそ如月ハイランドの時並みに動揺してましたし……
「大事なもので、おふくろに預けたものって事は——まさか、婚姻届の同意書か!?」
「……へ?」
「ああ、そっか。雄二も霧島さんも未成年だから、両親の同意が必要。それでせっかく手に入れた同意書を没収されたんだから、そりゃ怒るわけだ」
…………同意書だけで、あんなに怒るでしょうか?あの霧島さんですよ?そんなものまたすぐ作れそうなものですのに……?
「危なかった……!そういう事ならあの持ち物検査に感謝してもふぐぅっ!」
と、安堵し慢心していたゆーさんがクラスメイトからスタンガンの一撃を食らって倒れます。
『連れて行け』
『『『ハッ!』』』
「ちょっ、ちょっと!?皆さん!ゆーさん!?」
あっという間に連れ去られたゆーさん。この後すぐに二人三脚ですのに大丈夫なんでしょうか?いえ、ある意味いつも通りと言えばいつも通りではありますが……
…………それにしても。
「……うーん……?」
「???どうかしたのかの、造よ?」
「あ、いえ……ねえ、ヒデさん?」
「む?何じゃ?……ひょっとして霧島の事かの?」
「ええ……ヒデさんは、今の霧島さんが————同意書だけであんなに怒ると思いますか?」
「……うーむ、何とも言えんの。まあ、一先ずは霧島には悪いがこの事は置いておいて、体育祭に戻らねばならんぞ」
と、時計を見るとそろそろ二人三脚の競技が始まる時間が迫っていました。……仕方ないですね、ここは一旦置いておくとして、体育祭に戻りますか。
『あ、ところでこーさん。話が変わって悪いのですがちょっといいですか?』
『…………?なんだ?』
『少しお願いがあるんですよ。良いでしょうか?』
『…………???』
〜造説明中〜
『———ってな感じです。やっぱりダメでしょうか?』
『…………フッ、面白そうだ。俺も乗った』
『ありがとうです♪こーさん!』
『…………それに貸しを作っておけば、俺の商売の手助けをして貰えるはず』
『……こーさん?あの3人に何させる気ですか?』
『…………何も』
『えーっと、まあほどほどにしてあげてくださいね』
『…………何も』