二次創作小説(紙ほか)

142時間目 ( No.292 )
日時: 2016/03/11 21:15
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

造Side


「———そろそろ時間ですね」
「ああ、始まるな」
「いつもとは別の緊張感があるよね」

作戦は決まりました。あとは何とかこの無茶な作戦を実行に移すのみ。息をひそめつつ、隠し部屋から外へと出るタイミングを伺う自分とアキさんとゆーさんの三人。

「自分たちがC・Fクラスの皆さんを引きつけますので、ヒデさんは別の出口からお願いますね」
「出来る限り引きつけるが、見つからないように頼むぞ秀吉」
「殺気立ってるし野性的な勘も鋭くなっているぽいし気を付けてね秀吉」
「わかっておる。お主らも無理をせざるを得ないじゃろうが……健闘を祈っておるぞ」
「…………お前、たち……手持ち、これ……だけだ、が……持って……いけ……」

作戦の為、ヒデさんとは別行動。回復しきっていないこーさんはこの場で待機をすることになりました。

「ありがとうこーさん、困ったときは使わせていただきます。もう少し休んでいてくださいね。それとヒデさん、大変でしょうが後は色々と頼みます」
「任された。ではまた一時間後にの」
「はい……では行きましょうアキさんゆーさん!」

「「応っ!!」」


———キーン コーン カーン コーン……


チャイムが鳴ると同時に、Cクラス戦開始です。そのチャイムの音に合わせて勢いよく隠し部屋から飛び出す自分とアキさんとゆーさん。敵はCクラスと味方のハズのFクラス。とてもじゃありませんが状況は芳しくありません。ですが……ここにいる全員のやる気は十分です!さあ、かかってきなさい皆さんっ!











『———いたぞっ!奴らだ!全員で殺っちまえっ!武器はちゃんと持ったか!?』
『もちろんだ、叩きのめすぞ!この世のありとあらゆる苦痛を与えてやるんだ!図書館にあったこの世界の拷問についての本を参考にしてなぁ!』
『ソレいいアイデアネー、人類の思いつくありとあらゆる手段を用いてあの異端者クンたち殺っちゃおうネー!』

『『『ヒャッハーッ!!!殺せぇええええええええええええええええええ!!!』』』

「「「……………………これはやばい」」」

———ごめんなさい、嘘です。かかってこないでください。……こっちのやる気は十分でしたが、あちらの殺る気はそれ以上。外に出てみると修羅と化したクラスメイトの熱烈なお出迎えをされる自分たち三人。呪怨を放ちながらどす黒いオーラを漂わせ全速力で追いかけてくる様は下手なホラー映画よりも恐ろしいです。やだこれほんとこわい……

アキさんとゆーさんに向けられているはずなのに自分にまで伝わってくる冷たい殺気を背中で受けながら、とにかく追いつかれないように走りつつCクラスの皆さんを探すと———いたっ!先生を引き連れてゆーさんを討ち取るべく三人のCクラスの生徒さんが自分たちの前に立ちはだかります。さぁ……勝負です!

「見つけたわ!」
「坂本、覚悟!」
「先生っ!召喚フィールドをお願いしま———「させませんっ!起動(アウェイクン)科目:物理!」———えっ?」


キィイイイイイイイン! ボンッ!


《Fクラス 月野造 物理 278点》


《よしっ!ゆーさんお願いします!》
「任せろ!設定(セット)!———OKだぞ造!」
《ありがとうございますゆーさん!さて———Fクラス月野造!そちらのCクラスの3人に勝負を挑みますっ!》
「Cクラスの連中は任せた!じゃあ俺らはこいつら相手にするぞ明久!」
「わかってるって!さあこいFFF団っ!」

これで準備は完了ですね。さて、ではここで今回の自分、及びアキさんゆーさんの役割についてご説明しましょう。と言ってもそれは至ってシンプル。アキさんとゆーさんは手錠でお互いを繋がれて行動に制限がかけられ、こーさんは出血多量で輸血をしなければまともに動けず、姫路さんと島田さんは捕えられ補充試験室も使用不能。こんなまともに戦えない状況でCクラスとの試召戦争をどう乗り切るのか。———簡単です、自由に動ける自分が戦えばいいのです。

まずCクラスの皆さんが用意した先生にフィールドを張られる前に、自分の白金の腕輪で自分に有利なフィールドを展開。展開後はゆーさんの黒金の腕輪の設定(セット)を使えば準備完了となります。出会ったCクラスの生徒さんにゆーさんに勝負を挑まれるよりも早く、こちらが先に勝負を挑むただそれだけのこと。

こうすれば試召戦争のルールの一つ———召喚獣を喚びだしたにもかかわらず召喚を行わなかった場合は戦闘放棄とみなし、戦死者同様に補習室にて戦争終了まで補習を受ける———が適用され、ゆーさんを討ち取りたい皆さんも自分と強制的に戦わねばならなくなります。これで少なくとも自分を倒さねばCクラスはFクラスに勝利することはできません。

勝負を行いその場のCクラスの皆さんを戦死させたらゆーさんの黒金の腕輪の能力再設定(リセット)を使って消費した点数を元に戻してフィールドを解除。これで補充試験室が使えない状況をカバーします。点数さえ戻れば再びCクラスの皆さんを探しつつFクラスの皆さんの猛攻を避け一時間校内を駆け巡ります。

自分とCクラスの皆さんが戦っている間は、アキさんとゆーさんには暴徒と化したFクラスの皆さんの対処をしていただきます。勿論ゆーさんの召喚獣が倒されればFクラスの敗北ですから一緒に繋がれているアキさんも含めお二人には絶対に召喚獣を召喚しないように念を押しています。

———長々と説明しましたが、Cクラスの皆さんの相手は自分が、Fクラスの皆さんの相手はアキさんとゆーさんが……と言った役割分担をするわけですね。つまりはこのCクラスとの試召戦争、実質自分こと月野造一人VS Cクラス全員というサドンデスマッチ。作戦を提案した際アキさんゆーさんが即却下したのも頷ける無茶で無謀なバカみたいな作戦。ですがこれが……唯一の突破口のハズ!

142時間目 ( No.293 )
日時: 2016/03/11 21:16
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

《さあ、勝負を挑まれた以上、貴方方は自分を倒さなければ自分たちの代表であるゆーさんを討ち取れませんよ!勝負ですCクラスの皆さんっ!》
「ちぃ……!?し、仕方ないか。先にこの子を片付けよう!さ、試獣召喚(サモン)っ!」

「「試獣召喚(サモン)!」」

《いっけぇ!》

不意打ちではありますが、召喚獣である自分の武器の特性が特性ですし現在の状況も芳しくありません、悪いとは思いつつも躊躇うことなく召喚されたら有無を言わさず速攻で仕留めに入ります。召喚者の足元に幾何学模様が浮かび上がった瞬間、次に現れるであろう召喚獣の出現場所である幾何学模様付近に狙いを定めて箒を一線。自身の点数を消費して生まれた風の刃がたった今召喚された召喚獣を襲います。


ザシュッ!


《Fクラス 月野造  物理 278点 → Fクラス 月野造  物理 169点》
                 VS
《Cクラス 遠山平太 物理 115点 → Cクラス 遠山平太 物理  0点》


《よし……狙い通り……っ!》
「ちょっ!?そ、そんな!?まだ何もしてないのに戦死だと!?」
「き、気を付けて!?この子やっぱり代表の言う通り一番厄介———」
《遅いっ!》
「っきゃあっ!?」


ザンッ!


《Fクラス 月野造  物理 169点 → Fクラス 月野造  物理 72点》
                 VS
《Cクラス 山下清美 物理 104点 → Cクラス 山下清美 物理  0点》


味方が一撃で倒されて自分を危険と判断したのでしょう。慌てて召喚獣を戦闘態勢に持っていこうとする残りの二人。ですが武器を構える前にもう一度箒を一線させもう一人撃破。自分のその身の特性上点数が消費されるたびに、身体に疲労が溜まり悲鳴を上げ始めますがこれで残りは一人……っ!

《ハァ……ハァ……次で、最後……!》
「よくも二人をやりやがったな!ここで戦闘不能にしてやるよ!」
《っ!》

と、仲間が戦死したこともあり自分の一瞬の隙をついて接近してくる最後の一人。息を整える暇はないようですね……また箒を構えると同時に相手も武器を自分に構えて戦死覚悟で突っ込んできました。その意気やよし……いざ勝負で———

「———再設定(リセット)!」

「《えっ!?》」


《Fクラス 月野造  物理 72点 → Fクラス 月野造  物理 278点》


———勝負しようとした矢先、何故かFクラスの皆さんの相手をしていたゆーさんが黒金の腕輪で突然点数回復を行います。ちょ、ちょっと待ってください!?まだもう一人残っているのに何で……!?

《ゆ、ゆーさん!?ま、まだ再設定(リセット)するのは早いです!この方を倒してからじゃないと———》
「明久!」
「了解!」


ピィンっ!


「《ぅわっ!?》」

自分の話を聞いていないかの如く完全に無視して、どういうわけかゆーさんとアキさんはお二人が繋がれているワイヤー付手錠を引っ張ってピンっとワイヤーを張ります。お互いがお互いを向かえ討とうと全力疾走していた自分とCクラスの生徒さんは突然のことで減速も出来ず、そのままその張られたワイヤーに足をひっかけてしまい転んでしまいます。勢いが付きすぎていた自分たちはどちらも転がりながら召喚フィールド外に飛び出てしまい———


ポンッ!


あちらの生徒さんはフィールドから出たことにより召喚獣は消滅し、自分も召喚獣化が解け元の身体へと戻ってしまいました。一体どうして、ゆーさんは何を狙って……!?

「(よし上手く行ったね!)先生っ!今のは二人とも転んでしまってフィールドの外に出ただけですから敵前逃亡じゃないですよね!」
「えっ?あー……そ、そうなりますね確かに」
「よっしゃっ!明久、そのまま造を!」
「うん!じゃあ行くよ造!」
「ま、待ってください!?ですからもう一人残っていますよ!?」
「痛てて……って!?ま、待てコラ逃げるな坂本!?」

『『『貴様らァ……!造ちゃんになに気安く触ってんだゴラァ……っ!』』』

討ち取り損ねたCクラスの生徒さんとFクラスの皆さんのそんな声を背に受けつつ、アキさんに抱えられて逃走する自分たち。しばらく走って皆さんを撒いた後、体育館裏まで来たところで自分を降ろしてくれて息を整えるアキさんとゆーさん。

「ふぃー……いい感じかなこれ」
「おう、いい感じだ。この調子でいけば計画通りにいけるだろうさ。良くやったぞ造」
「あ、あの!?ですからゆーさん、さっきの最後のCクラスの人とどうして戦わなかったんですか!?倒せるときに一人でも多く倒しておくべきでは———」

やれると判断して対峙したにもかかわらず、最後の一人との勝負を仕切りなおさせすぐさま自分を連れて離脱したゆーさん。一体どうしてあんなことを……?息を整えつつゆーさんに尋ねると。

「———二人だ、造」
「へ?ふたり……?」
「ああ、これから先戦闘を行うに当たって、最初の一時間……いや少なくとも30分は二人までなら戦っていい。だが三人以上は相手にするな」

そう自分にアドバイスするゆーさん。それは一体どういうことですか……?

「喧嘩と一緒だ。余程実力がこっちの方が上じゃないなら、三人を相手にするのは普通は骨だ。こういう三人以上相手にする場合、ちとコツがいる。普通は逃げたり距離を離したりして一対一の状況を無理やり作り一人ずつボコるのが基本なんだが……」
「は、はあ……」

と、そんな感じで何故か急にゆーさんの喧嘩持論の講義の始まり始まり。さ、流石ゆーさん、場数を踏んでらっしゃるようですね。

「今回は残念ながらこの基本が使えない。召喚フィールド内での攻防が肝の試召戦争では限られたエリア内でしか動けないから逃げたり距離を離したりが不可だからな。だからこそ三人以上は相手にするな。大体人間処理できることは限られているんだ。二人までならともかく三人以上を相手にする必要はないさ」
「喧嘩慣れしてる不良の雄二が言うんだからこれに間違いはないよ造」
「誰が不良だ誰が。まあいい。それと三人以上相手にしてはならない理由がもう一つあってだな。造、お前に聞きたいんだが……お前の感覚的に“何点消費すれば”相手を一撃で戦死させられるのか言ってみてくれ」
「えっ……?えっと、良くわかりませんが……100点前後使えばほぼ確実に倒せると思います」
「だろうな。俺もお前の戦闘データ見てて大体そんな感じだろうって思っていたところだ。で、問題はさっきの最後の勝負だが、お前はあの時何点残っていたか覚えているか?」

さっきの最後の勝負で何点残っていたのか……?え、えっと……あっ……!?

142時間目 ( No.294 )
日時: 2016/03/11 21:17
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

「……その、70点代……でしたね。あのまま戦っても最悪倒しきれなかったかも……しれません」
「だろ?お前の武器である常時点数消費型の箒の能力はいわば“銃”のようなもんだ。そしてその“銃弾”は勿論試験で取った点数にあたると言っていい。それは確かに強力な能力だが……点数を使い切ったら何もできずに終わってしまう」

そう、普段でさえとても燃費が悪いこの能力。今日は補充室を封鎖され使えないこともあり、いくらゆーさんの点数回復の腕輪があろうとより一層慎重に能力を使う必要があるわけですね。

「その能力、使うなら一撃で確実に相手を倒すべきだ。そしてさっきお前が言った通り、お前の能力で相手を確実に仕留められるのは90〜110点消費した場合だな。お前の現在の戦闘で使える科目は大体300点前後のものばかりだったろ。つまり余裕を見て二回点数消費の能力を使ったら、すぐに撤退すべきだ」
「つまり……これから先は消費するなら約100点単位で一人ずつ倒すべきで、さっきのように残り100点を切っていたなら即撤退すべきってことですね。それとゆーさんの言う通り三人以上と戦ってもダメ、と」
「わかってくれて助かる。確かに人数が人数だけに、いずれどうしても三人以上と戦わなきゃならない状況にもなるだろう。ただし焦る気持ちもわかるが今はまだそう焦らなくていい。これから先は長期戦になるからな。一人二人を相手にしたらすぐに回復して移動するぞ」
「そうだね。造、欲張らなくていいよ。Cクラスの人たちに構いすぎて今度はFクラスの連中に囲まれちゃったら終わりだからね。さっきもあれ以上あの場所に留まっちゃったらFFF団に増援を呼ばれて大変だったと思うしさ」

一対多数という状況で日々逃げることに慣れている二人にそんなアドバイスを頂ます。……確かに自分は焦っていましたね。それと多分過信と慢心も少々。さっきの最後の三人目、自分の残りの点数ですと、ギリギリ倒しきれなかった可能性が高いです。仮に倒しきれなかった場合カウンターを貰って戦死していた可能性も否定できません。そのまま戦死してしまったらと思うとゾッとしますね……それにアキさんの言う通り、これは本来ゆーさんを護りながらの戦いです。そのゆーさんたちが不利になるような戦いをしちゃダメですし。

「……ありがとうございます、ゆーさんアキさん。少々頭に血が上って絶対やれると過信していました。ごめんなさい、これから気を付けて戦いますね」
「謝るな造。つか焦ったり多少頭に血が上るのも無理もないさ。何せお前は気持ち的にはCクラス全員と戦わなきゃならねぇんだ。まあ、慣れてきたら少しずつ倒す人数増やしていこうや」
「プレッシャーも少なからずあるのが当たり前だからね。寧ろ早速二人戦死させてたじゃない。良い調子だよ」

少し調子に乗っていた自分を反省。そんな自分をゆーさんとアキさんは慰めてくれます。……そうですね、今回の作戦焦ってもしょうがないですし長期戦になります。焦らず確実に地道に倒していくことにしましょう。

「そう言って頂けると嬉しいですお二人とも。……それとゆーさん。今のように点数を戻すタイミングや撤退のタイミング、ゆーさんに任せても良いですか?どの道ゆーさんしか再設定(リセット)は出来ませんし、ゆーさんなら絶妙のタイミングで点数回復してくれますよね」
「おうよ、任されたぜ」
「雄二が点数回復させているときは、Fクラスの連中の相手は僕がするね」

『いたっ!体育館裏だ!全員でシメるぞ』
『吉井ィ……坂本ォ……!今度こそテメェら生かして帰さんからなぁ……!』
『皆こっちに来て!坂本君がいるわ!代表さえ倒せば私たちの勝利だし、早速勝負を挑みましょう!』
『気を付けろ!もう二人戦死したって報告もあるし、慎重にいくぞ!』

そんなプチ反省会も数分で終わり、C・Fの皆さんに見つかってしまいます。さて、折角のお二人のアドバイスです。有効に活かしていかねばね。

「それじゃ、次行くか」
「次はグラウンド辺りでやるよ造」
「了解です、しばらく目立つように暴れて皆さんの注意を引きつける必要もありますからね」

そう三人で頷きつつ、一斉に飛び出して今度はグラウンドへと向かいます。これでしっかり皆さんを引きつけておけば、ヒデさんも上手くあの隠し部屋から出られるはずです。少しでも自分たちが目立ってヒデさんが動きやすくしなければね。……ヒデさん。自分も頑張ります、ですから今回もっとも大変な役割を押し付けてしまった自分が言うのも何ですが———ヒデさんもどうか頑張ってくださいね。


秀吉Side


「———ふぅ、何とか無事に辿り着いたの」

造たちが十分に引きつけてくれたお陰で、CクラスからもFクラスの須川たちからも見つからずに隠し部屋から抜け出して作戦の第一段階を攻略すべくこの場所にやってこれたワシ。一応細心の注意を行い変装もしておいて正解じゃったな。

それにしても……今回のワシの役割、正直言って全うできるかは今一つ自信は無い。ワシにこの策を託してくれた造も言うておったが、かなりの難易度じゃ。しかし……

『さあ、俺たちはここだぞC・Fのバカ共が!』
『かかってきなよ!僕ら三人を倒せる自信があるならね!』
『自分たちは絶対負けませんからねっ!では行きますよ皆さん!起動(アウェイクン)!科目:現代社会!』

……新校舎三階の窓からそんな声が聞こえてくる。ちらりと声のする方を窓から覗いてみると、造・明久・雄二の三人が必死になってあの連合軍と対峙しているのが見えてきよった。

……そうじゃな。あやつらも勝つために、必死になっておる。こんなワシにこのような重大な役割を託したうえで、それをワシがやってのけると信じて戦ってくれておる。……ワシだってFクラスの、そしてあやつらの仲間じゃ。その期待に応えたい。そしてその負けないと思う気持ち、決して無にはさせてなるものか……!

決意を新たにワシの頬をパチンと自分で叩く。うむ、気合いは入った。あまりのんびりもしておれぬし、早速最初の関門であるこの教室におる二人に会って話をせねばな。


コンコンコン


『はーい?どちらさま———んん?あ、あれ?キミもしかして……?』
「突然の訪問済まぬ。じゃが緊急事態じゃ。悪いがこの教室のとある二人に話をさせてほしいのじゃが」

変装を一旦解きつつ教室にお邪魔させてもらう。さて……下で戦っておる造たちに今のような戦いがあるように、ワシにはワシの戦いがある。では、全力で挑ませてもらおうかの。