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プロローグ

「お疲れ様でした〜！」

そう言って、撮影スタジオから出たのは、
ゆるい二つぐくりの、金髪で、脚が驚くほど長い美少女＿＿＿成海聖奈だった。

いつも通りに、雑誌の巻頭写真を撮り終え、聖奈はテレビ局の廊下を歩く。
ただ、その歩き方は、何とも楽しげで、そのままスキップでもし出しそうな程だ。

「やあ、聖奈ちゃん！どうしたの、そんな楽しげで」
「あ、おじさん、こんにちは〜！」

『おじさん』と呼ばれた人物は、聖奈と仕事で、最近よく関わっているカメラマンだった。
最近親しくなり、今では、聖奈がテレビ局で普段のように軽いノリで話せる、数少ない人の一人だ。



「そんなに私、楽しそうです？」
「うんうん、何か良いことあった？」
「良いことを起こそうとしてるんですよ〜♪」

（確かにそうだよね。今の私、本当にそうだよ）

良いことがありそう、ではなく、良いことを起こそうとしている。
我ながら上手いこと言ったな、と思いながらおじさんの返事を待つ。

「そうなんだーじゃあ、ちょっと協力しよっかな？」
「わぁ、ありがとうございます〜！」

（おじさんが協力してくれるなら、絶対上手くいくよね！）

聖奈の、悪戯心と遊び心から生まれた計画は、明後日のオフで実践されるのだった。