二次創作小説(紙ほか)

Re: HoneyWorks〜告白実行委員会〜【新章開始!】 ( No.108 )
日時: 2015/10/13 22:20
名前: cinnamon (ID: X9/tG6Az)
プロフ:



「おーい望月ー?」

昼食休憩が終わり、仕事場に戻ってきた蒼太は、文机には着いたもののそれ以降は黙ったまま手を全く動かさない。
見るに見兼ねて、仕事仲間が声をかけるも、相変わらず反応はない。

「いっつも真面目な望月氏がどうしたのやらー」
「流石に疲れたんだろ。見ろよあいつの書類の数。あれ片付けるって考えただけで寒気がすんの俺だけか?」
「いや、同感致す…」

ある二人の役員の会話に、仕事場にいた役員全員の頭が縦に揺れる。
しかし当の本人は、そんな事を気にも止めずに、未だぼんやりとしたままだ。

せめて上の位の役員が覗きに来るまでは、このままにしておいてやろうと、役員たちは気遣って、そんな蒼太を放置しておくことにした。

そして、他の役員からの気遣いが、後の蒼太に地獄をもたらしたのは、言うまでもなかった___

*・゜゜・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゜・*

「あ''ぁ〜…」

ようやく上の位の役員からの説教もとい地獄から解放された蒼太は、その後も残業を終わらせてから家路に着いた。

(昼は幸せだったのに…って、ん?んん?)

自分は、朝までは通常通りだった。
朝も時間通り来れたし、仕事も普通にこなしていたと思う。
しかし、昼が過ぎれば、どうも仕事に力が入らなかった。
今から思い返してみれば、昼からは何処か現実味が無く、脳内一面がお花畑と化していた。

(こ、これって…)

自意識過剰かもしれないが、可能性が無いとは言い切れず、蒼太の鼓動は急激に速くなる。


「『恋』なのか?」


自分で言った瞬間、何故か納得したような気持ちになった。
それが証拠となり、蒼太は恋を実感する。

いつかに読んだ、天才の逸品だと噂に聞いた事のある長編小説は、確か貴族の女性と男性の恋が書かれていたはずだ。

自分も、そんな物語の世界のような恋が出来るのだろうか。

(いやいやいや、まずあり得ないから!次にいつ出会えるかも分かんないんだし…)


しかし、次に蒼太が、早坂あかりと会うのはそう遠くないことだった。

出会い方は最悪だが。