二次創作小説(紙ほか)

Re: HoneyWorks〜告白実行委員会〜【 リク募集中!】 ( No.50 )
日時: 2015/09/10 21:32
名前: cinnamon (ID: 76LSjzh0)




「で、成海さんはテレビ局で何をするんですか?」

蒼太は、美桜と会話が弾んでいる聖奈に、会話に混じりながらも疑問をぶつける。
対する聖奈は、悪戯の見つかった子供のように舌を出してから、満面の笑みで告げる。

「えへへ〜実は…」

*・゜゜・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゜・*

「ほ、ほんとに来ちゃった…」

美桜は、目の前の部屋を見て、またまた溜め息をこぼす。
『レコーディング室』なんて、こんなことでもない限り、人生で来ることはないはずの部屋だ。
事の起こりは約30分前、聖奈の爆弾発言だ。

「えぇ!ハニワの曲を〜!?」

聖奈が笑いながら言ったのは、HoneyWorksの楽曲のレコーディングだった。

「れこーでぃんぐ?何だよそれ」

知らなくて当たり前だ、と言わんばかりの虎太郎に、すかさず雛が食い入る。

「えー虎太郎、そんなことも知らないの!?
レコーディングは、曲に歌手の声を入れることなの!」
(意味は作者がそれとなく入れただけなので、真面目にとらえないで下さい)

そう言って、えっへんと威張って胸を反らす彼女は、誰がどう見ても『可愛がりたい妹』だ。
妹がいない美桜にとっては、雛の存在はすごく微笑ましいし、雛の兄である優が羨ましいばかりだ。

「ふふっ、雛ちゃん可愛いねぇ〜」
「そ、そんなぁ〜!美桜ちゃんの方が可愛いですよ!」

必死になって反論する姿までもが可愛く見えて、美桜はますます笑みを深くする。

「瀬戸口君が羨ましいなぁ…」
「俺が、何?」
「ふぇっ!?」

前にいる雛と虎太郎にばかり目線が行き、すぐ後ろに優がいたことに気づかなかった美桜は、驚きで変な声を漏らす。

「な、なぁんだ…瀬戸口君…」
「なんだって…そんなに俺、存在感薄い訳?」
「い、いえ!そういう訳ではなくて…雛ちゃんや虎太郎君と話していると、つい…」
「ちょーっとお兄ちゃん!こーんなに可愛い少女達をいじめるつもり?」

美桜の腕に絡み付いてきた雛が、妹らしく言い返す。
優は、「お前もかよ…」と、苦笑しながらもあっさり引き下がる。

「それにしても、レコーディングとか…しかもハニワって…」
「あれ、瀬戸口君はその、ハニワって何か知ってるんですか?」
「いや、俺は詳しくは知らないんだけど。夏樹が好きでよく俺の部屋でも聞いてるから」

二人は、付き合う前からも週末のどちらかはお互いの家を行き来する仲だった。
その為、優は夏樹の好みならお見通しなのだろう。

「そうだったんですね〜私は知らないなぁ…」
「私、知ってる!なら美桜ちゃん、一緒に聞きましょう!聖奈さんが歌った『金曜日のおはよう』♪」
「うん、ありがとう雛ちゃん!」

*・゜゜・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゜・*

おまけ

美桜にイヤホンを渡す間に、雛は見てしまった。
幸い、音楽に聞き入っている美桜は気づいていないようだったが…

(なんか、視線感じるなーっと思ったら…)

雛達の後ろの柱の影から、鋭い視線を感じ、雛はさりげなさを装って後ろを振り返る。

柱の影の人物は、雛の様子に先に気づいたのか、さっと姿を消した。

だが、一瞬遅かった。

(まさか、あの人がこんなことするなんて、思わなかったな〜普段のクールさは一体どこに…)

明るい色の髪は、影に上手く溶け込まず、雛からも少しだけだが見えてしまったのだ。
美桜に向けて、クールながらも熱い視線を送る彼は…

(もう、美桜ちゃんには黙っててあげるけどね…『春樹』…)