二次創作小説(紙ほか)

Re: HoneyWorks〜告白実行委員会〜【 リク募集中!】 ( No.52 )
日時: 2015/09/12 23:51
名前: cinnamon (ID: 76LSjzh0)



「それにしても、レコーディングかぁ〜!なんか歌手になった気分だよね!」
「なっちゃんは歌も上手いから良いけど…私なんか…」
「えー!でも美桜の声、私好きなんだけどなー」
「うんうん!美桜ちゃんなら大丈夫!ふわふわ可愛い声で、聞いてていつもほっこりするよ〜」
「あかりちゃ〜ん!そんなことないよ〜!」


(やっと、私のやりたいことが叶ったかも)

ずっと、やってみたかった。
『一人で』、ではなく、『みんなで』__



聖奈は、元からHoneyWorksのファンだった。
聖奈が出演するCMでは、無理やり頼み込んでHoneyWorksの曲を流してもらったりすることもしばしばあった程だ。

だから、HoneyWorksの楽曲『金曜日のおはよう』のレコーディングの話がかかった時はそれはもう天にも昇る嬉しさだった。

(実際、やってみて凄く楽しかったもんね…)

レコーディングは専門外なので、色々と至らない点も多かっただろうが、売れ行きは順調だと聞き、嬉しさで胸がいっぱいになった。

(その時からだよね、私が、あかり達と一緒に、レコーディングしたいって思ったの)

彼女達の恋愛模様を、甘酸っぱいメロディーに乗せて。
自分も、ありったけの想いを込めて。
そうやって、形にしたかった。

(私達の、青春を)




レコーディング室に入ると、誰が用意したのか、大きな長机に大量の紙が置かれていた。
そして、ちょうど美桜達の人数分の椅子も置かれている。

(これを用意した人、大変だっただろうなぁ…)

長机は元から置かれていたのかもしれないが、椅子の数は明らかに美桜達の人数に合わせている。
また、歌詞の書かれた紙もこんなに枚数があるから美桜達の人数を考慮して上で準備されたのかもしれない。
想像するだけでも疲れてくるような作業だったに違いない。

(後で聖奈ちゃんに、用意してくれた人を聞いて、何か渡そうかな)



*・゜゜・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゜・*


「それじゃあ、まずは気になる歌詞を選んでみて!」

聖奈は、HoneyWorks、通称ハニワについて、簡単に説明してくれた後、蒼太達に歌詞の紙を並べて見せた。

(うわぁ、かなりの量あるなぁ…)

今、蒼太達の目の前に用意されている歌は、全て『告白実行委員会』というシリーズらしい。
HoneyWorksの一部のシリーズとはいえ、そこにはかなりの枚数の歌詞があった。

(この中から選び出すって…時間大丈夫かな…)

額には汗が浮かぶが、その間にも歌は選べると、蒼太は頭を強引に切り替える。
それからは、それぞれの歌の世界に没頭し、歌詞を黙々と読み続けた。
それは蒼太だけに留まらず、他の面々も、言葉を一言も発することなく歌詞に見入っている。

(なんか、夏樹がハニワにハマった理由が分かった気がするな)

夏樹は、随分前からずっと今も変わらずHoneyWorksのファンだ。
恋雪とも、HoneyWorksの件ではいくらか話が合うらしい。
そんな夏樹は、歌詞を見る前から早々に「私はこれー!」と、一番乗りに一曲決定している。
今は、聖奈の勧めで、二曲目の選曲に入っている最中だ。

(僕は…)

焦る必要はないと分かっていても、夏樹のように二曲目を選ぶ為、どうしても鼓動が早くなる。
半ば引ったくるように掴んだ歌詞の紙に書かれていたのは…

「っ…これ…」

こんな偶然があるのだろうか。
焦りに身を任せて取った紙に書かれていた歌詞が、今の自分そのものだったなんて。

「…決まりだな」

そう呟いて、歌の曲名を指でなぞる。



(『ヤキモチの答え』、か…)