二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】バナナの皮には気をつけろ【トリップ】 ( No.3 )
- 日時: 2015/09/07 07:00
- 名前: はなむら (ID: D7i.SwLm)
「————お前どこから来た?」
私の正体を暴こうとする瞳。
その奥には、真っ赤に燃え上がった焔が宿っている————。
第二訓/え、シリアスじゃなくてシリアルだよ。
…………な、なんかいきなりシリアスなムードなんですけど!!
総悟さんだけじゃなくて他の人たちも私のことガン見してるしすごく怖いんですけど!!
「おい、聞いてるのか」
「ききき聞いてます聞いてます!聞いてますから、ちょっと睨むのやめてください!怖い!」
「ア゛ア゛?」
「ヒッ、なんでガン飛ばしてんの!?私今やめろっていったよね!?」
瞳孔さんに思いっきり睨まれてるなう!!
なにこの人、すっごく怖いんだけど!
もしかしてヤのつく職業の方ですか?堅気じゃない感じですか?指切ってビン詰めにされちゃう感じですかァァァァァ!?
「ビビビビビン詰めだけは!ビン詰めだけは勘弁してくださいぃぃぃぃぃ!!」
畳に頭がめり込むくらいの勢いで土下座する。
土下座は日本の文化だからね!謝罪の最高位だからね!
ぐりぐりとおでこを畳に擦り付けていたら、若干引き気味の瞳孔さんに「と、とりあえず頭上げようか。ね?」と優しく声をかけられた。
頭上げてもビン詰めしない?
落とし前つけてもらおうかゴルァァァァァ!!!とか言わない?
瞳孔さんに尋ねたら、「しない言わない」と答えてくれたので頭を上げて正座する。
なんか痛い子を見るような目をされた。いや、気にしないけどね?
「ごほん。で、君はどこから来たんだ?」
一度咳払いをしてから、今度は近藤さんがとても優しく尋ねてくる。
宥められるようなその声にやっと気持ちが落ち着いてきた私は、ここに来る前——気絶する前のことを思い出していた。
確かいつものように学校に行って、教室への廊下を歩いて。
バナナの皮を踏んで滑って転んで、目が覚めたらここにいた。
………………。
あれー?あれれれれぇーー?
すっごい今さらだけど、なんで私こんなところにいるの?おかしくない?さっきまで学校にいたよね?
改めて周りを見渡してみるものの、明らかに気絶する前までいた学校ではない場所に頭の中がこんがらがっていく。
床一面に敷かれた畳に、どこか温かみのある白壁、私を囲むようにして立っている黒い服に身を包んだ男たち。腰に携えられた刀。ん?刀?
どうして、この平和な日本に帯刀している人がいるの?
いや確かに昔は侍とかいたけどさ、今は銃刀法違反で捕まっちゃうんじゃないの?
てか、黒い制服に刀ってなんだか漫画みたいなシチュエーションだよなぁ……。
と、思ったところで私は思考をストップさせた。
…………漫画、みたいな?
「う、そでしょ……」
思わず呟く。声が小さかったからか誰にも聞こえなかったみたいだ。
それを良いことに、私は目の前にいる三人に目を向けてガン見した。
もう、見すぎて三人に穴が開いちゃうんじゃないかなってくらいガン見した。
『近藤』さん、『局長』と呼ばれ慕われているらしいゴリラ顔の男。
私と年の近い、甘いマスクをした江戸っ子口調の『総悟』という男。
近藤さんから『トシ』と呼ばれた瞳孔かっ開いた黒髪の男。
どうしてだろう、この三人に見覚えがある気がする……。
……っていやいやいや、気のせいでしょ!!
てか、気のせいじゃないと困るんだけど!
だって、そうじゃなきゃこの場所は。
今私がいるこの場所は————。
「あのぅ、つかぬことをお聞きしますが」
私の言葉に近藤さんが人の良さそうな笑みを浮かべる。質問してもいいということだろう。
「もしかして貴方たちは、“真選組”なんでしょうか……?」
「ああ、そうだぞ」
笑顔で頷く近藤さんを確認した直後、意識が遠退いていくのを感じる。
なんだか周りが騒がしくなったけれどどうでもいいや。
————どうやら、私は『銀魂の世界』にやって来てしまったみたいです。嗚呼、人生詰んだ。