二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】バナナの皮には気をつけろ【トリップ】 ( No.4 )
日時: 2015/09/05 23:51
名前: はなむら (ID: D7i.SwLm)


 まさかね、まさか銀魂の世界にトリップするだなんて思わないじゃないですか。
 これもすべてあのバナナの皮のせいだと思うとすっっっっごい腹立つじゃないですか。


「……あんの黄色い悪魔めが。よし、この世界からヤツを抹殺してやろう。ふふふふふふ」

「ちょ、起きてそうそう物騒なこと言わないでよ!」

「おはようございます山崎さん。今からヤツを永遠の眠りにつかせてきますね」

「そんなイイ笑顔でなに言ってるの!?なにこの子怖い……!!」



 第三訓/黄色い悪魔(フィリピン産)



 みなさん、おはようございます。
 突然銀魂の世界にトリップしてしまった哀れなJKこと高橋瞳子です。

 衝撃的な事実を知って気絶していたものの、やっと目が覚めました。



「で、結局どこから来やがった」

「……未来?」

「なんで疑問系なんだテメーふざけてんのか」

「ふざけてません」


 本日二回目の取り調べなう。ちなみに相手は土方さん。


「私は真選組を救うために未来からやって来た商業JKです。電卓とパソコンなら任せてください」

「いやいやいや意味わかんねーよ!!」


 土方さんに頭を叩かれたけど、私は開き直ると決めたのだ。そう簡単にふざけるのをやめると思うなよ!

 本当だったら未来から、ではなく三次元から来たと話すべきなんだろうけど……。
 でも、それだとここが銀魂という漫画の世界だと説明しなくちゃいけなくてものすごくめんどくさいので却下。

 私はめんどくさいのは嫌いだ!!!


「意味わかんなくてもそこはフィーリングでいってくださいよ。考えるより感じろ!ですよ」

「フィーリングってなんだ」

「知りませんよそんなの。私に聞かないでください」

「ほんとコイツなんなの!急に態度でかくなったんだけどォ!?土下座してたときの慎ましさはどこ行ったの!?」


 慎ましさ?そんなもん初めからねぇよ!!

 さっきのは命の危機感じただけだよ。商業生にとって指は大事な商売道具なんだよ。電卓叩けなくなったらおしまいなんだよ!


「信じてくださいよー、土方さーん!」

「んな馬鹿なこと誰が信じるっつーんだ」

「そうだったのか……瞳子は未来から俺たちを救いに……」

「ここに居ますぜ」


 さすが近藤さん、原作通りの騙されっぷり。
 土方さんも沖田さんも「コイツ馬鹿だ……」みたいな顔して呆れている。

 てか、誰もツッコんであげないんだね。まあ私もツッコむ気ないけど。


「さて、冗談は置いといて……」

「え!冗談だったの!?」

「もちろん。でも、未来から来たのは本当ですよ?」


 そう。私は今、銀魂の世界にいるわけですよ。

 だから当然、家もないし家族もいない。学校だってない。
 友達も、先生も、元の世界で頼っていた人たちは誰一人としてここにはいない。

 ということは、私は元の世界に戻るまで一人で生きていかなければいけない。
 生きていくにはお金が必要だ。お金を稼ぐためには仕事を探す必要がある。


 のだが、ここで一つ問題発生。
 仕事が見つかるまで私はどこにいればいいんだろう?
 私には野宿できるようなスキルはないし、そもそも外は天人がうようよしているから危ない。

 うーん、どうしようかな。
 誰か私を居候させてくれる優しい人がいればいいんだけど………………あ。





「近藤さん、一つお願いがあるんですけど」

「どうした?」

「仕事が見つかるまで私を屯所に置いていただけませんか?もちろんその間、みなさんのお手伝いをしっかりとしますから!」


 「お願いします!!」と叫んで頭を下げる。

 本日二回目の土下座だけど、一回目よりも誠実さは込めた。
 これで駄目だって言われたら万事屋でも行ってみようかな……主人公には会っておきたいし。





「————なんだ、そんなことか」


 近藤さんの言葉に、私の口から「へ?」と間抜けな声が漏れた。
 ゆっくりと顔を上げてみると、今にも笑い出しそうな顔をした近藤さんが私を見ていた。

 得意気に胡座をかく姿は、漫画で見た姿そのもので。


「よし!そうと決まれば今すぐ歓迎会の準備だ!!」

「おいザキィ、酒持ってきなせェ」

「マヨネーズも忘れるんじゃねーぞ」

「今夜は無礼講だァァァ!!飲んで飲んで飲みまくるぞ!!」

「「「「オオーーー!!!」」」」




 ————ああ、これが近藤勲という人なんだ。

 と、ちょっぴり感動した。