二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃんちの8男子【恋と8男子とサトミちゃん】 ( No.377 )
- 日時: 2016/03/12 19:36
- 名前: リィナ ◆/73ORiYgDY (ID: VfitXk9z)
第五話・すれ違うココロ
サトミ「あ、えと……おかえり、ソウスケ」
ソウスケ「あぁ、ただいま」
こんなタイミングでソウスケが帰ってくるとは思わなかったよ……。
すると、こんな時に限ってブンゴが………
ブンゴ「ジャマな奴がさらに増えやがった……このウサンクセが……」
ソウスケ「はぁぁ……?年下のクセにケンカ売るつもりかコブンゴが」
あぁぁ……いつものケンカがまた始まる……っ!
サトミ「ちょ、ちょっと待ったぁぁ─────っ!!!!!二人とも、ちょっと静まって!」
今この状態でケンカなんかが始まったら、想像できないほどの大惨事になるよっ!
ブンゴ「………一発殴ってもいいか?こいつ」
サトミ「ダメッ!」
なんで一発殴るの。ストップって言ったばっかでしょおっ!
トモ「なんなんだこいつら……ちぃの友達かよ」
ちぃ「………うん、そうだよ」
すると、
トモ「ちぃがこんな乱れた奴らと友達になるぐらいなら、ウチが引き取る」
サトミ「えっ……!」
シノ「は……」
ちぃ「っ………!」
ちぃが………トモの家に………って、ことは、
ブンゴ「同棲でも、しようってのかよ」
トモ「ま、そういうことになるかな」
なんなの。なんなのこの子。
ひとんち勝手に上がり込んでくるとか、ちぃの婚約者とか、ウチで引き取るとか………。
失礼で最低で自分勝手な奴が…………。
サトミ「あんた、いい加減……っ」
そう言いかけた次の瞬間、
ゴッ……
最初、何が起こったかわからなかった。
でも、目の前で起こったのは……………ちぃが、トモを殴ったんだ。
トモもシノもブンゴ達も………。
みんな、シ…ンと静まり返っていた。
ちぃは口を開く。
ちぃ「………トモ、今自分が何言ってるかわかってんの?」
もう目の前にいるちぃはいつもの、明るくて元気なちぃじゃない。
目が冷たく光っていて、怒りに満ちた表情で、歯を食いしばって、獣のような低い声で、話し出す。
ちぃ「トモは……だれだって傷つくようなことしたの……気づいてない?」
サトミ「ちぃ………?」
ちぃ「ちぃ……今、すっごい怒ってるけど……それいじょうに………」
ちぃは、もう“ちぃじゃなくなっている”かもしれない……。
ちぃ「それ以上に……凄く悲しいよっ!凄く……辛いよ…………っ!」
その目は、トモしか映ってない。トモを睨むことしか考えてない。
ちぃ「ちぃは、トモなんかどうでもいいのっ!!!ちぃはっ……ちぃはシノくんが好きなんだよっ………!!?」
シノ「えっ……!!?」
ちぃ「前話したでしょっ!!!!?トモの事は……いとこでしかないって……!!!」
ちぃは本気だ……。本気でトモの事を嫌って、睨んで、……恨んでる。
ちぃ「バカァっ!!!最っ低っ!!!ここから……ここからでてってっ!!!!!」
ボロボロ……ボロ………
次々に流れる大粒の涙は、トモも酷く驚いたのか、青白く顔が染まっている。
ちぃ「もう……二度と………私の前に……姿を現さないで……っ」
お願い……と、最後にそう呟くと、
タッ…と、ちぃの前に…………シノが立ちはだかった。
シノ「トモさん!ここから出てってくださいっ!!」
シノは、トモにキツめにそう言い放った。
ちぃ「シノくん………っ」
ちぃの目にはまだ涙を浮かべている。
すると、
ソウスケ「トモさん………だっけ?」
トモに話しかける。
ソウスケ「心の中を読ませてもらったよ」
ソウスケはそう言った。
サトミ「え……他人の心を勝手に……?」
ケノ「サトミちゃん……今はそこ、聞き流して……」
あっ……ごめんごめん。
ソウスケ「………鈴木トモさん、あなたの心を読ませてもらいました」
あ、ソウスケのいつもの営業ボイスだ……。
ソウスケ「あなたは………本当は、鈴木ちぃさんの事を……愛してはいませんね?」
………え?
サトミ「愛して………いない?」
それって………どういうこと……!!?
続く