二次創作小説(紙ほか)

Re: サトミちゃんちの8男子【恋と8男子とサトミちゃん】 ( No.444 )
日時: 2016/06/12 15:37
名前: ひより ◆/73ORiYgDY (ID: qGyGaEcb)

ss後編です




もぐもぐもぐもぐ………パクパクパクパク…………

 少し急ぎめに朝ごはんのパンケーキを頬張る。もっと味わって食べたい………けど、時間が少しピンチ。

 最後の一切れを食べて、もぐもぐと食べる。


《ごっくんッ》


サトミ「あ、もう行かなきゃ……行ってきまぁすっ!」

シノ「行ってらっしゃいませー!」

 あたしは、靴を履いて、学校につながる、細長い路地を走り出す。あ、この道、通学路とは少し違う道。ちょっとだけ通学路からはずれてるの。

 でも、この道は近道だから、よく遅刻した時に通るんだ。

カオルン「おぉーい、サトミちゃぁ〜ん!一緒に行こぉ〜♪」

サトミ「あ、カオルン、おはよう!うん、一緒に行こう」

 門が閉まるまで残り五分。

サトミ「カオルン、駆け足で行くよ!」

カオルン「えぇー……うん、わかったよぉ」

 あたしたちは、手をつないで走った。



 





時間が過ぎ、放課後に突入。

サトミ「あ、今日、牛乳を買いに行って欲しいって、シノが言ってたっけ……」

 スーパーを過ぎた途端に思い出した。

 ……しょうがない、買いに行かなきゃ…。

 すると、

ちぃ「あ、サトミン!久しぶりだね!」

 ちぃが、小さなチョコが入った、透明の箱を持って、てけてけと歩いてきた。

サトミ「ちぃ、こんなところで何してるの?」

ちぃ「あのね、さっき、シノくんがね、チョコくれたの。ちぃの好きなガーベラのチョコ、作ってくれたんだよ」

サトミ「へぇー、シノが………」

 あ。

 今あたし、少しだけ、良いなぁ……って思ってしまった。

サトミ「あ、えっと、その、ちぃ!あたし、もう帰るね!バイバイ!」

ちぃ「あ、ば、ばいばい……?」

 フラフラと歩き出す。

サトミ「わっ………冷たい」

 雨が降り出した。

 近くに、あたしの家が見える。

 あたしは、家に向かって走り出した。





















里見家

サトミ「はぁぁ……牛乳買ってくるの、忘れちゃった」

 もう、いいや……めんどくさいし。

サトミ「ただいま……」

 ガチャ、とドアを開けると、机に山盛りの箱が置かれてた。

 しかも、ご丁寧にラッピングまで。

サトミ「これ……誰のだろ」

 ケノのファンから?誰か、誕生日だっけ?

 周り見渡すけど、家には誰もいない。

 珍しい……家に誰もいないって。

サトミ「ま、もうすぐ帰ってくるよね」

 そうつぶやいて、部屋に戻る。

 あーあ、なんかつまんないなぁ………。

 今のうちに、シャワーでも浴びようかと思い、緑色のリボンを取り、濡れた髪を下ろす。

 階段の横にかけていた鏡には、あたしが映っていた。

 ピンク色の髪は、ボッサボサ。

サトミ「ホント、だらしないなぁ……あたし」

 あたしは、自分の部屋のドアを開けた。

 と瞬間………



「「「Happy White day サトミ(ちゃん/殿)‼︎」」」



サトミ「………ぇあ!?」

 ハッピーホワイトデー………!?

 って………

サトミ「勝手にあたしの部屋でなにやってるの、あんたたちーっ!」

 あたしは、そう叫びつつ、ほおが緩んで、笑っちゃう。

シノ「あははははッ、……すいません、勝手に部屋、使ってしまい……ふふっ…」

ミッチー「いーんじゃね?喜んでるし、笑ってるし」

ブンゴ「普段の状態だったら、よくねーけどな」

ダイカ「良いではないか、良いではないか、サトミ殿!」

ケノ「リビングに、たくさん箱あったでしょ……?あれ、全部みんなで作ったチョコ……かも♪」

シンベー「ムグムムン……グムーン?」僕も作ったけど……どれかわかる?(通訳)

ソウスケ「オレの作ったチョコ、形がサトプーなんだよね」

ゲンパチ「チョコなんぞ、興味ない…………が、里見サトミ。お前のために作ってやったんだ。感謝しろ」

 みんな、あたしの部屋で、口々に喋る。

 ていうか。

サトミ「もう!この部屋暑いよ!ほら、窓開けよう!」

ガララララララッ!

 窓を開けると、雨が止んでいた。

 庭には、真っ赤なバラと、白いパンジーが水に濡れて、キラキラと光ってる。

シノ「みなさん!下に降りて、チョコを食べましょう!」

 みんなが、あたしの部屋から出て行き、チョコを求めて階段を下りていく。

サトミ「…………皆ありがとう」

 ぽそっと、そう呟いた。

 恥ずかしくなって、首をブンブンと振る。

サトミ「待って、あたしも行くー!」

 あたしは、8男子の背中を追って、階段を滑るように降りた。





 階段を下りる途中、階段の横にかけていた鏡を見た。


     鏡に映ったあたしは、…………幸せそうに笑っていた。











  ss第二弾、完。