二次創作小説(紙ほか)
- Re: バカと外国人と召喚獣 ( No.1 )
- 日時: 2015/11/05 21:06
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
「星原夏、ジャドウ=グレイ、不動仁王、カイザー=ブレッド、ハニー=アーナツメルツ。貴方達はご希望通りクラス分けはFクラスになりました」
西村宗一、通称鉄人と異名されている屈強なFクラスの教師が、我々にクラス分けの試験結果が入っている封筒を手渡した
彼の言う通り、そこにはFクラスの文字が書かれている
「西村教諭、我らの希望への協力感謝する」
私が頭を下げて礼をすると、彼は苦笑いを浮かべた
「振り分け試験を無回答で提出したのですから当然の結果と言えましょう。でも、どうして我々教師陣を上回る程の頭脳を持つ貴方達がここまでしてまでFクラスを強く希望するのです?」
私は少し目線を降ろし、彼と目を合わせ口を開く
「Fクラスには木下秀吉君はいない。彼は我らの救世主になる素質を秘めた少年だ」
「木下がですか?」
「そうだ」
「理由は問いませんが、ここで話すよりも直接Fクラスの様子を見た方がいいでしょう。学園の所々に案内図が設置されていますので、それを確認して教室へ行ってください」
「心得た。それでは西村教諭、後程教室で会おう」
教室を目指し足を進める我々に、すれ違う文月学園の生徒達は誰もが驚嘆の眼差しを向ける
我らの容姿は不動と星原を除いて日本人とは異なるために、注目を集めるのも無理もないだろう
それにしても校舎の天井が私にとっては若干低い気がする
注意を怠ると、頭をぶつけてしまいそうだ
と、少し先の方から何やら騒がしい声が聞こえてきた
どうやら、目的のFクラスに近づいてきたらしい
「フフフフフフ、カイザーよ。奴らに会うのが楽しみですかな」
「ウム」
白髪を後ろで撫でつけ、純白の軍服を身にまとった中年紳士のジャドウが癖である含み笑いをして訊ねる
少々目に残虐な感情が露わになっているところを見ると、警戒しておく必要がある。彼が腰のサーベルを引き抜いたら最悪の場合、地獄絵図と化してしまう可能性があるからだ
我らの友であるリンネ=クラインによると、Fクラスには木下秀吉君の他にも吉井明久という魅力溢れる少年がいるらしい
彼が自信満々に言うのだから、間違いはないと思っていいのだろうが——
果たしてどのような人物なのか興味が湧いてくる
「木下秀吉は俺の大嫌いなタイプであるのは確実だ。一悶着を起こさぬようにお前達は防衛線を張っておくといい。俺が奴を往生させる前にな」
拳をボキボキと鳴らし、眉間に深い皺を刻む不動仁王
引き締まった鍛え上げられた半裸と背中までかかる茶髪、猛禽類を彷彿とさせる極悪顔が特徴の彼は相当な美少年嫌いであるため、彼を一目見た瞬間に拳を見舞っても不思議ではないだろう
願わくば、怒りを抑えて欲しいものだ
「楽しみだねぇ♪」
「そうですね、ハニーさん」
少し後ろを仲良く手を繋いで歩いているのは、私の異母妹にあたるハニーと不動の縁戚である星原
星原は一本縛りの茶髪と切れ長の瞳が印象的な美青年だ
外見が女性的なために美女と間違えられる回数が多いが、これでも男だ
長い付き合いの私も彼が何を考えているのか読み取れない時があるが、怒らせるとこの中で最も恐ろしい
因みに不動が美少年嫌いになった原因でもある
私と同じ金髪碧眼の形質を持ち、可愛らしいゴスロリを着たハニーは外見と同様幼い性格のため、きっとFクラスの皆は歓迎してくれるに違いない
こうして私達はFクラスの教室に到着し、その扉を開いた