二次創作小説(紙ほか)
- Re: バカとテストと留学生 ( No.3 )
- 日時: 2015/11/06 06:43
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
スケールの大きさは、時として人間関係の壁が生まれる
私と不動、ジャドウの3人が教室へ足を踏み入れるなり、少年達は叫び声をあげて逃げ回る
その姿は、まるで猿山の猿のようだ
「ふ、不審者ぁーっ!」
「化け物だぁあっ」
口々に内心傷つく言葉を吐き出され、怯えられる
どうやら日本人には我らの存在が予想以上に大きく見えるらしい
まずは敵意がないことを示し、友好な対人関係を築かねば
「文月学園2年Fクラスの生徒諸君、安心してもらいたい。我々は怪しい者ではない。今日から君達の仲間になる者だ」
「仲間? ってことはあんたら留学生か?」
赤い髪の少年が怪訝そうな顔で訊ねた
彼は他の子と違って怯えた表情をしていない
恐らくは彼がこのFクラスの代表である坂本雄二君なのだろう
突然の来訪者に対しても動揺する事なく冷静に対応するその精神力はなかなかのものと見た
「そうだ。君達とはだいぶ年齢が離れているが、気は使わなくてもいい」
「それなら安心だな。まあ、ひとりだけ中年が混じっているのが気になるが——」
彼はジャドウを一瞥し、冷や汗を流す。
するとジャドウの瞳がきらりと光った
「ほほう、赤髪の少年よ。俺を中年呼ばわりするとは見上げた根性、大したものですな」
「いや。俺からすれば、完全な外人のアンタ方が流暢に日本語を話せる事の方が凄いと思うが」
「フフフフフフ、謙遜するでない。本当に見上げたものだ——命が惜しくないとは」
刹那、ジャドウは目にも留まらぬ早業で腰のサーベルを引き抜き坂本君に斬りかかっていった。
「この俺に無礼な口を利いた罪は死を以って償うがよい!」
「おい待ておっさん、落ち着け!」
「黙れ青二才めが。このジャドウ=グレイをおっさん呼ばわりした挙句対等に口を利くなどと舐めた態度を取る若造如きが、偉そうに指図するでない!」
恐れていた事その1が起きてしまったか
このままではFクラスは地獄絵図の光景と化し、下手をすると死人が出てしまうかもしれん
扉の方ではハニーと星原が「心配」の四文字を浮かべた顔で私を見つめている
どうやら入室するタイミングを計り間違えたらしい
これはまずいな
何とかせねば
戦場では即断即決が求められる
そして今この場でもだ
坂本雄二君は生徒の中では恵まれた体躯と反射神経を生かして何とかジャドウの斬撃を回避しているものの、いつまで持つかわからない
ならばとるべき道はひとつ
息を吸い込み、仲間に指示を出す
「不動、雄二君を加勢しろ。 ハニーは教室へ入り他の生徒達の安全を確保し、星原は西村教諭を連れてこい」
「「「了解!」」」
彼らの活躍により無事にジャドウは落ち着きを取り戻し事なきを得た
西村教諭が来たおかげでクラス内の困惑や混乱も収まった
これでようやく自己紹介ができそうだ