二次創作小説(紙ほか)
- Re: バカとテストと留学生 ( No.6 )
- 日時: 2015/11/07 19:09
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
「私はカイザー=ブレッド、スターギムナジウム出身の留学生だ。君達を通して日本の良き文化や伝統、精神について学ぶ事ができたらと思う。以上で自己紹介を終わる、皆、最後まで静かに聞いてくれてありがとう」
「全然静かじゃなかったけどな」
坂本君が小さく呟いたが、ここは無視しよう
時間も限られているからな
席に戻ると、再び西村教諭が教卓に立ち、言った
「それでは最後に、Fクラス代表の坂本、一言頼む」
「うっす。じゃあ、久々に仕事すっか」
我らを見ても動じない冷静な対応力とジャドウの斬撃を避けるだけの身体能力
クラスの代表としては中々頼もしい存在ではないだろうか
彼は皆が静かになるまで目を閉じ、間を取る
これは、相手に何を話すのだろうかと期待を抱かせ話に集中させたい場合に用いる手段だ
「Fクラス代表の坂本雄二だ。留学生のアンタらにひとつ訊きたい事がある」
「何かね」
「ここFクラスには——カビ臭い教室に古く汚れた座布団、今にも割れそうな窓ガラスがあるのが見えるだろう。教室とは思えないほど酷い設備だ。それに引き換えAクラスは冷暖房完備で座席はリクライニングシートときたもんだ」
「ウム」
「さて、ここで俺はあんたらに訊きたい——不満はないか?」
その問い、訊ねると思っていた
我々は君が半年前にAクラスに試験召喚獣戦争を仕掛けた際の文句を事前に調べを付けてある
その上で我々が導き出した回答はただひとつ
「全くない!!」
「戦場に比べたらここは天国であろう、赤髪の少年よ」
「これほど恵まれた設備で満足できぬとは、お前達は煩悩に支配されている証。代表がそれでは、他の奴らもたかが知れている」
「私はみんなと一緒に過ごせるなら、大丈夫だよー♪」
「私はドーナツさえあれば幸せですから」
『信じられねぇ!』
『この環境下で何ひとつ不満を抱かねぇとは……』
『どうかしてるぜ』
『もしかすると、やせ我慢しているだけじゃないのか』
クラスの大半の目が一斉にこちら側に向いて、我らの心理を小声で推測する
だが、それは無意味だ
なぜならば、我らはAクラスの境遇を見た上でここのクラスに入ったのだから
我らの回答に、流石の坂本君も絶句している
彼の頭の中では我らをうまく焚き付け、Fクラス最終目標である打倒Aクラスの戦力に加えようとする算段だったのだろうが、その目論見は外れたようだな
非情かも知れぬが、私達はありのままの君達、Fクラスであるが故の君達を見たいのだ
君達がトップに躍り出てしまえば、我らの真の目的を達成できなくなる——
と言いかけたそのとき
不動が立ち上がり、坂本君を睨みつけた
「お前が訊ねたのだから、俺もひとつ訊ねよう」
「何だ、不動」
「木下秀吉とやらは、どこにいる?」