二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【角川つばさ文庫短編集】全ては君に逢えたから ( No.23 )
- 日時: 2016/01/06 09:43
- 名前: SUZU (ID: G9VjDVfn)
【こちらパーティ編集部っ!】
第5話『予測不明な勉強会』
「トウマ先輩ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「ゆのっちゃぁぁぁぁぁあんっ!!!」
ガシッ
「「勉強教えて(下さい)!?」」
…………
「そうですか…トウマ先輩も頭悪いんですか…」
「違いますぅ…僕が頭悪い?ハッ笑わせないで」
「じゃあ何でですか?わざわざ屋上に呼び出しておいて」
そう。
私、白石ゆのは只今アノ青木トウマ先輩に呼び出しをされているのです!!
旺司には行くなとか言われたけど行かなかったらいかなかったで何されるか分からない(例えば原稿描かないとか!?)し、それに私も頼み事があったから今屋上にいるんだ。
私からのお願いって言うのは…まぁさっき言ったように勉強を教えてほしいっていうこと。
王子に頼んだら「少しは痛い目見て反省しろ」とか言うし…まぁ確かに?今までテスト勉強しなかった私が悪いんだけどさ…
え?さっきから原稿だの王子だの意味不明だって?
じゃ、サラッとおさらい!
亡くなったお父さんが作っていた伝説の雑誌パーティー
それを復活させるべく銀野しおりちゃん、赤松エンマ、黒崎旺司そして私、白石ゆのの四人でパーティー編集部っていうのを結成したんだ
今目の前にいる青木トウマ先輩は私の担当の漫画家さんで…原稿を書いてもらわないと…もう大変なわけ…
これまでもいくつか作ってきたんだけど、なんだかんだ言いながらトウマ先輩は漫画を書いてきてくれた(土下座とかしたけど!!)
だけどいつまたスランプになるか分からないし機嫌をそこねさせるとさっきまで書いていた手がピタリとやむ
そんな一触即発な先輩だから私は毎日ハラハラドキドキと…って
話がそれちゃったね
「…ちゃん!ゆのちゃん!」
「はいっ」
「僕を無視するとか良い度胸してるんだねぇ」
満面の笑みを浮かべたトウマ先輩
…その笑顔に隠されたドス暗い感情だだ漏れですよ
「スミマセンっ考え事を…」
「僕のこと考えてたのかな?」
「あぁ…はい、まぁ…」
考えてないといったら嘘になる…けど
きっとトウマ先輩の思う『考え』じゃないことは確かだよね…
「まぁ僕のこと考えてるならしょうがないけど…で?何、僕が何でワザワザゆのちゃんなんかに頼んでるって」
「はい…」
なんか呼ばわりされたのはスルーしとこう
「僕さ…今度の漫画に『勉強会』のシーンいれたくて…でもほら?僕頭良いからそうゆうの分かんなくてさぁ…経験豊富なゆのちゃんに教えてもらいたくてねぇ」
「どういう意味ですそれ?」
「まぁまぁ、それは置いといて」
置いとけないし!!
なに、経験豊富って…間違ってないけど?!
「だから頼んでんの」
「あ、…でも何で私…もっと勉強って感じのなら…」
「あのミステリアスちゃんに頼めって?」
しおりちゃんは…多分なんか、他のこと教えてくるよね…(呪いとか呪詛とかそういうの?!)
「あ……ほら、ミヤ先輩とか…!」
「そう簡単に了解してくれると思う?」
「…………」
「ほら、ゆのちゃんしかいないでしょ?…そ・れ・に」
トウマ先輩は急に私を壁に追いやって私の両脇に手を置いた
顔が近くてドキドキする…
いや、ちょ…
「好きだし…ゆ・の・ちゃん☆」
「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃいっ!?」
「なわけないでしょ?まぁ下僕なりに僕の指示には従ってくれるし嫌いじゃないけどね」
「なっな、なぁ!?」
もうすっかりトウマ先輩のペースにのせられてしまう
あぁぁっ…
「だから、ゆのちゃん。早速明日から放課後は部室には行かず教室待機ね☆」
「…………」
「は?まさか嫌なの?」
「いいぇぇぇえ、とんでもありません!是非、是非ともやらせて頂きますっ!!!」
トウマ先輩の瞳に浮かぶ原稿の二文字があるかぎり私が先輩に刃向かう事なんてできるわけがない
それを分かってきっと言ってるんだろうけどさ…
「じゃ、そういうことで。またね☆」
手をヒラヒラさせながらトウマ先輩は屋上から出ていった
………取り合えず、明日からなんだから部室行って皆に相談してこようかな?
この時は思わなかった。あんなに皆から反対させるなんて…