二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【角川つばさ文庫短編集】全ては君に逢えたから ( No.40 )
- 日時: 2017/06/26 01:32
- 名前: SUZU (ID: 4.2P0hz.)
【イケカジな僕ら】
第7話『コトバ』
「まだ悩んでんの?」
「このワンピース、白と青どっちがいいかなぁ」
休日の昼下がり
私は幼馴染みの井上一弥とお買い物へ来ています
あ、別にデートとかじゃないよ!!
私は洋服を買うために。
一弥はその様子を撮りたい、とのこと。
それで今、服を選んでるんだけど...
そう、ご覧の通り、なかなか決まんない!!
すると一弥が私の持っている服を見て、思い出したように口を開いた
「その白い方は上永瀬とかが着てそうだよな」
「小夜が?」
小夜は私の親友
確かにふわふわしてるし、そういうのは小夜に似合うと思う!
「分かるかも!」
「で、ほら、あそこにある帽子とか被ってそうだよな」
そう言って一弥は隣の棚を指さした
うんうん!!
それで、木陰とかで本読んでそう!
「上永瀬みたいな清楚な感じ?の人は白とか似合うんだろうな」
すると一弥は私から白いワンピースをとり
ゆっくりと眺めた
小夜のこと、考えてるのかな...
すると心がズキッと傷んだ
理由は分からない、けど
一弥が小夜の事をずっと考えてる事に少し苛立ちを覚えたのは確か
私の服、選びに来てるのになんで小夜のこと...
そんな意地の悪い自分がでてくる
こんなこと考えたくないのに
一弥の一言で私の心は良くない気持ちで溢れだしそうになる
「もういいy「でもさ、そう考えると葵ってすごいよな」」
こっちを向いてニカッと笑う一弥
急な言葉に私は目を見開いた
「なんで??」
「だってさ...」
一弥は持っていた白いワンピースを差し出し、私の顔をよく見た
「葵はどんな服でも似合う、それって葵が可愛いからじゃねぇの?」
ボッ
そんな効果音がつきそうなほど顔に熱を感じる
なんで、そうゆうこと言うの、ばか
「な、なに急に!!」
...ばかなのは、私の方かも
こんな一言ですぐ舞い上がっちゃって、どうしよう頬が緩む
「別に、思った事言っただけだけど?」
そう言ってまたニカッと笑う一弥
なにそれ、ずるいよ。
つられて、思わず私もニコりと笑う。
その表情を、一弥はレンズごしで見逃さなかった。
カシャッ
____あなたの一言が、私の悲しみの理由にも喜びの理由にもなるんです。
一弥のカメラにうつる私の表情
その表情の理由が全て、一弥でありますように
[完]