二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.101 )
日時: 2016/08/11 21:31
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第十八話 真夜中の冒険 

 「この決闘は、僕と君、それからマルフォイだけの秘密の決闘だ」
 「そんなこと知ってるよ、ロン」

 誰もいない、グリフィンドール寮の談話室に、ぽつんと二つの人影がある。——ライリーとの喧嘩(それと、さっき当の本人から謝られたのに意地を張って無視してしまった事)が原因でなかなか寝付けなかったハーマイオニーは、その二つの人影が、ハリーとロンだと確信し、聞き耳を立てた。

 「『禁じられた廊下』で、まず君とマルフォイが決闘をする——」

 ロンのその言葉を聞き、ハーマイオニーはこそこそと隠れて盗み聞きをするのはやめた。堂々と出て行って、そんな馬鹿な真似はやめろと言いに行くつもりだ。グリフィンドールからちょっとでも減点されるわけにはいかない。

 「ちょっと貴方達!決闘なんて、馬鹿な真似はやめなさい!」
 
 しかも、『禁じられた廊下』だなんて、ホグワーツ初日に注意された事だ。「あそこには絶対に入ってはならん」というダンブルドアの言葉を、ハーマイオニーは忘れてはいない。
 ——勿論ライリーは聞いていないので、忘れる以前に知りもしない、と此処でハーマイオニーの頭にライリーのあの寝顔が浮かぶ。
 「忘れなくちゃ」そう言ってハーマイオニーは二人を叱る事に集中しようと決めた。

 「グリフィンドールから減点されるのよ?」
 「だってマルフォイに喧嘩を吹っ掛けられたんだ」
 「そうだ、これは僕とハリー、それからマルフォイの問題だぞ!」
 「知らないわよ、貴方達のそういう軽率な行動が……」

 ハリーもロンも、苦虫を噛み潰したような顔でハーマイオニーを見ている。ハーマイオニーは構わず続けた。「グリフィンドール寮生全員に迷惑をかけるの。寮対抗杯って、知ってるかしら?」
 寮対抗杯は、生徒の態度によって教師が点数を増やしたり減らしたりして、年度末までにその得点を競うというものだ。

 「要するに、バレなきゃいんだ、バレなきゃ」
 「そうだよ。ハーマイオニー、君には関係ない」
 「駄目よ!私、貴方達を止めるまで離れないわ」
 「人のお節介を焼く前に、自分のことをきちんとしたらどうだい?」

 思いがけずはなったロンのその一言は、意外にも効果があったらしく、ハーマイオニーは「うっ」と押し黙り、悲しげな表情をしてから、また言葉をつづけた。

 「お生憎様、私、点はよく加点されているし、授業態度も生活態度も、自分で言うのは何だけど、完璧なの。貴方達と違ってね」