二次創作小説(紙ほか)
- Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.12 )
- 日時: 2016/08/29 10:20
- 名前: すず (ID: 3NNM32wR)
それから、叔母さんはしばらく泣いていた。
一応娘で、しかも三歳まで一緒に暮らしていたんなら、ライリーだって泣いても当然なのだろうけど、ライリーは全く泣く気になれなかった。
それどころか、まるで映画やドラマの世界の話にしか思えなかった——勿論ジャンルはファンタジーだ——それくらい、実感が湧かないのだ。
「ごめん、ライリー。……その、今まで隠してた事」
『あの意地っ張りな叔父さんが謝った!』
ライリーはそれだけで物凄く驚いた。だって、叔父さんといえば、叔母さんとちっちゃな事で喧嘩したって、叔母さんが家を出ていくまで謝らないくらい、意地っ張りなのだ(しかもおばさんの事大好きなくせに!)。
「ううん、そんな事小さい頃に言われたって多分……受け入れられないから……ほら、今だって受け入れられないし……だから、謝らなくていいよ」
しどろもどろになりながらも、ライリーはやっとそれだけ言った。すると叔父さんは小さな声で『ありがとう』と言って叔母さんの頭を撫でた。叔母さんは叔父さんの腕を抱きしめて泣き声を堪えている。
——ママは、パパは、どんな人だったんだろうか。
「……あの、叔母さん……ママとパパは、どんな人だったの?」
一緒に暮らしていたのに、顔すら、声すら覚えていないだなんておかしな話なんだろうけど、ライリーはママの事もパパの事も何一つ覚えていなかった。きっと、三歳までは『魔法界』にもいたんだろうけど、その事も覚えていない。
「……覚えてないのも当たり前よね。あの時、『記憶喪失』になっちゃったんだもの」
時々嗚咽を堪えながら叔母さんは、ママとパパについていろんな事を話した。『アイリスはとっても頭が良くて』『エドモンドは本当にアイリスの事が大好きで』なんて、風に少し面白いエピソードや、二人の人となりを。
「そっか。——でも私、魔法界も、ホグワーツも、嫌だ。だって怖いよ、ママもパパも殺されたんでしょ!嫌だよ、行きたくないよ」
「——ライリー、聞いて」
少し涙の痕の残る顔をあげて、叔母さんはライリーに話しかけた。
