二次創作小説(紙ほか)
- Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.124 )
- 日時: 2016/08/14 20:48
- 名前: すず (ID: 3NNM32wR)
それから、「上がれ」と言っても箒が上がって来なかった生徒があまりに多かったので、マダム・フーチはようやく箒を持ち上げることを許可した。
「非効率的だよ!大体こうやる方が早いしさ、わざわざ『上がれ』なんて時間の無駄だよ。ほんっと、これぞ髭って感じだよ」
「君ほんっとアイツに似てき、アイテッ!(ハリーが箒でロンの頭を強く叩いたのだ)だってさ、うーん、ライリー、何でもないよ。ただ、マルフォイの奴がニヤニヤした顔で僕を見てくるのが気に入らないってね」
ロンのその言葉でライリーがドラコの方を向くと、確かに、ドラコはニヤニヤとした顔でロンを見ていた。——その顔にはまるで、こう書いてあるようだ。「僕は一発で箒が上がってきたんだ、凄いだろうウィーズリー」と。
「しっかし、問題は飛ぶ作業だよなー。僕、兄さんはすっごく飛ぶの上手いんだけどさ、僕はやった事がないんだ。だから自信がなくって……」
ロンが自信なさげにそう言った後、マダム・フーチが黄色い目で全体を見渡してから、こう言った。
「では、箒を手につかんだら、またがりなさい。柄をしっかり握って。落ちないように。笛で合図したら皆一斉に地面を強く蹴ること。箒は常に真っ直ぐに。しばらく浮いてそれから前かがみになって降りてきます」
それから笛が鳴り終わる前に、飛び始めた生徒がいた——ハリーでもドラコでもない、ネビルだ。「う、うわぁぁ!」と言って慌てているようだ。箒だけがひとりでに進んでいく。
「ネビルが……死んじゃうよー!」
「ほんっと馬鹿ね、グリフィンドールってこれだから嫌なのよ」
せせら笑う様に、スリザリン寮生の、パグ犬の様な顔をしたおかっぱ頭の女の子が、そう言った——ドラコに寄りかかって、甘ったるい声で。
その声の後、さっきまで呆気に取られていたスリザリン寮生が、次々に笑い始めた。ドラコと、その横にいる太った男の子もだ。
「あっ、石像の剣に引っかかってる……ヤバいぞ……」
「うん……このままだと……ライリー、君は目を閉じた方がいい」
ネビルが泣いているのが、ライリーの距離からも分かる。でも、ライリーにはどうしようもない。上がりさえしなかった箒に跨ってネビルを助けに行くなんて、きっと自分にもできない。
もどかしくて、ライリーはこぶしをぎゅっと握った。
