二次創作小説(紙ほか)
- Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.128 )
- 日時: 2016/08/15 12:46
- 名前: すず (ID: 3NNM32wR)
「ミスター・ロングボトム!ネビル、落ち着きなさい。ネビル・ロングボトム!ネビル・ロングボトム、どこに行くつもりなんです!今すぐ戻ってらっしゃい!……ですって、ねえドラコ?」
相変わらずあのパグ犬少女はドラコに寄りかかってネビルを見て笑っている——今のはどうやら、マダム・フーチの物真似らしい。
「スリザリン寮生って感じ悪い」と言うパーバティの声が聞こえた。パーバティだけじゃなくて、きっと多くの生徒がそう思っている。
ママもそう言われたのだろうか。
「ネビルが落ちてきた!」
「ライリー、目を閉じろ!」
ハリーがライリーの目を塞ごうとするのは若干遅かった。ネビルはもう、落ちてきてしまったのだ。幸いにも、命には別条がなさそうだ。
ライリーはすぐさま、「大丈夫?」とネビルに駆け寄った。
「い、痛い……」
「なんとまぁ、骨が折れてる…ほら、大丈夫よ。立って!全員、地面に足をつけて待ってなさい。私はこの子を医務室に連れて行きますから。いいですね?箒一本でも飛ばしたらクィディッチのクの字を言う前にホグワーツから出て行ってもらいますよ!」
そう言ってマダム・フーチが去った瞬間、スリザリン寮生は大笑いを始めた。パグ犬少女なんか、芝に転げまわっている——最早人間じゃなくて本物のパグ犬じゃないか、とライリーが言うと、ロンが吹き出した。
「不っ細工だよな、アイツ——パグ犬に失礼だぜ」
ロンがそう言うと、パグ犬少女はロンを睨みつけ、ドラコに酷いわだか何だか言った。するとドラコはそれを無視して、ネビルが落とした「何か」を拾った。
「ねえハリー、あれなに?」
「ああ、あれはネビルがお祖母ちゃんから届いたって言ってた『思い出し玉』だよ。多分さっき、ローブのポケットから落としたんだ……でもマルフォイ、あれで何をしようって言うんだ?」
ハリーとライリーはそう首を傾げ、ドラコの方を向いた(ハリーはライリーが見た事もないくらい怖い目つきをしていた)。
「はっ、見たか、あの顔?この思い出し玉を握れば尻餅のつき方を思い出したろうに」
「やめなさいよマルフォイ!」
「ふーん、パチル、あんたってロングボトムみたいなのがタイプだったの?超ー、悪趣味ね!」
ドラコは『思い出し玉』を片手で弄び、ハリーに挑戦的な視線を投げつける。「マルフォイなんて将来ハゲるわよ!あんたの方が趣味悪いし、あたしはネビルなんて興味ないわよ!」と、未だに熱いパーバティとパグ犬少女の争いはそっちのけで、皆がハリーとドラコの方に視線を向ける。
「——そいつに何かしたら僕が許さないぞ、マルフォイ」