二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.136 )
日時: 2016/08/17 21:13
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第二十一話 ニンニクと『闇の魔術に対する防衛術』

 「——僕、全然知らなかったんだ」

 『闇の魔術に対する防衛術』の授業中、ハリーは鼻をつまみながら(何せこの教室——というか担当のクィレル先生のターバン——はとてもニンニク臭いのだ)、あの後ハーマイオニーに手を引かれて行った時の事を話していた。

 「パパがクィディッチの選手だったなんて……しかも僕と同じポジションだったなんて!ハーマイオニーが言ったんだ、『親譲りなんだから、貴方がクィディッチが下手なんて有り得ないわ』って」
 「ハーマイオニーって良い励まし方するよね……」

 ライリーががっくりと項垂れながら(やっぱりまだハーマイオニーの事は受け入れられないのだ)そう言うとロンが「ああ、ハリー!アイツの話は禁句だぞ!」と怒鳴った。

 「でも、何でこんなニンニク臭いんだろう……授業に身が入らないよ」
 「まあ、アイツ以外はね。アイタッ!ご、ごめんってばハリー。さっき僕が言ったばっかりだったね……だからそんなに怒るなって」

 それからハリーとロンの言い争いが続いた後(「最初に言ったのは君だぞ!」「誰にでも失敗はあるさ!」)、再びがっくりと項垂れたライリーを励ますように、ロンが話題を変えた。

 「そうそう、何でニンニク臭いかって、パーシーが教えてくれたんだ。あの先生、元は『マグル学』の担当だったらしいんだけど、なんか休暇中に『吸血鬼』か何かに襲われてニンニクのにおいを出してるらしいんだ——」
 「なんでニンニク?」
 「おったまげー、マーリンの髭!君ったらそんな事も知らないのかい?」

 それからロンは吸血鬼避けにはニンニクが効くという事と、クィレルが何故『闇の魔術に対する防衛術』に変わったかという事を教えてくれた。

 「マグルが怖いからこの教科に変わったって事かい?」
 「ああそうだよ、パーシーが言うんだから間違いないさ。フレッドやジョージなら信頼できないけどさ」

 そんな風に三人が話していると、ハリーが、クィレル先生が三人をチラチラと見ている事に気づいたので、「しーっ、静かにしろよ二人とも!」と言ったのでライリーとロンはせっせと羊皮紙に落書きをし始めた。