二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.147 )
日時: 2016/12/04 14:53
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第二十三話 Trick And Treat!——悪戯もするしお菓子も寄こせ!

 厨房に行くと、たくさんの、『ライリーが知らない生き物』が、フレッドとジョージの周りに群がっていた。
 小鬼かな、とライリーは思ったが、小鬼にしては目が大きすぎるし、耳も大きいし、何より小鬼ほど怖い性格じゃなさそうだ。

 「いらっしゃいませ、お嬢様。『激辛薬』のレシピはこれでございます!——あのお二人がお嬢様に作らせたいと仰っておりました!もし難しければ何なりと、わたくし達『屋敷しもべ妖精』にお申し付けください!」

 等と言うので、ライリーは驚きながら「ありがとう。それで、名前はなんていうの?私はライリー」と言うと、その、『屋敷しもべ妖精』はもともと物凄く大きな目をさらに大きく見開いて、「な、なんと……」と言った。

 「なんと気さくな……貴方はまるでダンブルドア先生様と同じにございます!きっと将来は偉大な魔法使いになられます!その時は貴方様がミニーをお雇いくださいませ!」

 え、えーと……と口ごもりながらライリーはミニーを見る。『屋敷しもべ妖精』って言うのは、小鬼よりは随分とマシだけど、やっぱり変わっているみたいだ。取り敢えずライリーは、ミニーにありがとうと告げてレシピを受け取って、双子の方に行った。

 「ようライリー、絶対来ると思ってたぜ」
 「ああ。来なかったら無理矢理部屋に行ってやれってリーに言っといたんだぜ……リーは来たか?」
 「来なかったよ。だって女子寮に男子は入れないし」
 「それがなぁ……入れる方法を見つけたんだよ」
 「ああ、もうそりゃあホグワーツ中の男子が感激しちゃうような素ン晴らしい物だよな、相棒」
 「ああ、リーが悪用しないか不安だぜ」
 
 ひっひっひ、と二人は顔を見合わせて笑いながら、他の薬を作っていた——というか、この二人はどうして自分に『激辛薬』を作らせたかったんだろうか、とライリーは思った。
 だって、こんなのフレッドでもジョージでも、簡単に作れるはずだ。

 「ま、まあライリー得意かなって……思ったからだけど」
 「はっはは、照れるんじゃないぜぇ、相棒!」
 「お前今度一服持ってやるぞ、ジョージ」
 
 ジョージは声をひそめてライリーに教えてくれた——フレッドが、ライリーを元気づけようと頭をひねっていた事を。

 「ありがとう、フレッド」
 「何がだよ、チビリー」
 「伸びるから!」