二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.15 )
日時: 2016/08/29 10:36
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第四話 ハグリッドがやってきた

 誕生日から、一週間が経った(つまり、魔法界に行く日だ)。今日は朝から、ライリーは大忙しだった。——といっても、勿論ライリーが好き好んで忙しくしているわけではない。ただおじさんがうるさいのだ。

 「実はな、ライリーの誕生日の少し前に『ダイアゴン横丁』で大量に女の子服を買ってきたんだ。ほら、これなんか似合ってるじゃないか……いや、この方がお嬢様っぽいか……なあクレア、どっちかな?」
 「ライリーに聞いたら?私に聞いても意味ないでしょ——ああでも、右のほうが良いかも」

 おじさんは基本ケチだ。なのに今日だけ妙に羽振りがいい。

 「もうほんと、いっつもはケチなくせに」

 どうやら、おばさんも同感らしい。 

 「だって折角魔法界に行くんだぞ!晴れ舞台だぞ!——やっぱりこっちか?いいや、こっちだな……違う違う、こっちの方が——」
 「もうじゃぁ……これでいいや!」
 「いやいやライリー!この方が……」

 まだまだと渋るおじさんを、ライリーは「しつこい」と一蹴して自分の部屋に入った——やっぱり、まるで実感が湧かない。何度も何度も頬をつねって、夢なんじゃないかと疑ってしまうほどに。

 「ライリー!」

 下から、おばさんが呼ぶ声が聞こえる。おばさんなら、しつこく服の話をする事は無いだろう——ライリーはリズムよく階段を駆け下りた。

 「魔法界で買い物をするとき、これがいるの——絶対に落としちゃ駄目」

 そう言っておばさんがライリーに手渡したのは、金色の、小さな鍵だった。まさか、これが魔法界でのお金なのだろうか?

 「何これ?」
 「これは、魔法界にある銀行の——アイリスとエドモンドの金庫の鍵よ。絶対に落としちゃ駄目だからね!」
 
 銀行の金庫の鍵、という事は——やっぱりお金が入っていたりするのだろうか?魔法界のお金は、こちらのお金とは違ったりするのだろうか?

 「あとこれも——買い物をする時はこれを使って。銀行で取り出してほしいのは別のものだから。先に両替しておいたの」
 「両替?」
 「そうよ、両替。こっちの世界でのお金と魔法界でのお金を変えるってこと。前ウィリアムがやってくれたの。例えば一ガリオンは——」
 「一ガリオンって?」

 それからおばさんによるお金の説明が続き、ライリーは何とか魔法界のお金を理解することができた。

 「クヌート、シックル、ガリオン……」

 そして、扉が乱暴に開けられる音がして、ライリーが振り向くと——
 
 「おぉ!お前さんがライリーか!」

 目の前には、毛むくじゃらの大男がいた。

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.16 )
日時: 2016/07/25 17:21
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 おばさんとおじさんは大男を歓迎しているが、ライリーだけは驚きと恐怖のあまり声が出なかった。——こいつ、おじさんやおばさんをぱくっと……。

 「しっかしライリーも、アイリスにそっくりですっかり別嬪さんだなぁ……もしエドモンドがいたらすっかり過保護になってただろうが」
 「ええ。目に浮かぶわ」

 それから大男は不意にライリーの方を向いた。

 「お前さんはどの寮に……」
 「おじさんとおばさんを食べるなら私を食べてください!」
 「いや、人の肉を食べる趣味は無いんだ……勘違いされたことは何回かあるがな!そういやライリー、お前さんには自己紹介をしてなかったな。俺ぁ、ルビウス・ハグリッド。ハグリッドとでも呼んでくれや、ホグワーツの森番で、今日はお前さんを魔法界に連れていくために来たんだ」

 それを聞いて、ライリーの顔はまるで、林檎の様にぽっと赤くなった。まさか『ハグリッド』がこの人だなんて、これっぽっちも思わなかったのだ。

 「だからデッカいって言ったじゃないか。本当にそそっかしいな」
 「でも、毛がこんなにもっさもさだとは……」 
 「お、そういえばハリーを呼んでなかったな——いや、ついついな。クレアやウィリアムに会えると思うと嬉しくって……ちょっと呼んでくるぞ」

 そう言ってハグリッドは席を外した。

 「ねえおじさん……ハリーって誰?」
 「ハリーってまさか!『ハリー・ポッター』か?確かにライリーと同い年で今年ホグワーツ入学だけど!まさか会えるのか?」

 おじさんはライリーの質問に答えず、興奮状態だ。

 「悪ィな、連れてきたぞ……ハリー、そんな恥ずかしがらずに!早く出てこい……ライリーたちを困らせるんじゃねえ」

 そんなハグリッドの言葉とともにやってきたのは、小柄で痩せっぽちの、なんだかみすぼらしいなりの少年だった。