二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.171 )
日時: 2016/08/21 14:48
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 「おっ、ハリーの調子が戻ったぞ!残念だったな、マルフォイ」

 ロンは機嫌よく、またハリーの応援歌(「ポッターを〜大統領に〜」)を大声で歌い始めた。ドラコは機嫌をすっかり悪くして「なんだその歌は!——だいたいそれが歌と言えるのか!?」と言いながらスリザリンの観客席へ戻った。

 「ハーマイオニーはどこに行ったんだろう?」
 「さあな……真っ青な顔しとったからおおかたトイレだろう。しかも大だろうな——あんまり触れない方が良い問題だな」

 すると、ちょうどハーマイオニーが息を切らして帰ってきて、ライリーに「ちょっと!」と言ってハグリッド達から離れ、後ろの方の席まで連れて行った。その時のハーマイオニーの顔は、とても真剣だった。

 「ライリー、もしかしたら……まだ仮説の段階なんだけど、スネイプ先生がハリーに呪いをかけようとしているかもしれないの、きっと何かの間違いだと、そう信じたいんだけれど」
 「あり得ない話じゃないよ、あのデカ蝙蝠ならね。ハリーに減点ばっかりするし、嫌味っぽいし、感じ悪い。ザ・悪役って感じだよ」

 そう言った後、ライリーはいつもよく見ているミステリードラマのとある話を思い出した。
 確か、ライリーが疑っていた、如何にも怪しい黒ずくめの感じ悪い男が実は味方で、真犯人は優しいお姉さんだったっけ——でもそれは今は関係がない話だ。だって今、スネイプ先生を犯人とする説に有利な証拠が上がったんだから。

 「でも信じられない、信じられないわ!確かにスネイプ先生はハリーを嫌っているようだけど……あっ、そういえば足元に怪我が……まさか……」
 「ハーマイオニー、落ち着いた方がいいよ。そんなにごちゃごちゃ考えたって頭が痛くなっちゃうしさ。今はハリーの試合だけを見ていよう」

 そう言ってライリーは、納得のいかなさそうな顔のハーマイオニーを再び最前列まで手を引いて連れて行く。幸いにも、席はまだ空いている。

 「ハリーの事だから、すぐにスニッチをキャッチするよ」
 「ええ、きっとそうね」
 「ポッターを〜大統領に〜」

 その瞬間、ハリーが急降下を始めた(「ハリー・ポッターがスニッチを見つけた様です!素早い急降下、まさに神業!これが期待の新星の実力です!スリザリンなんて引き離してしまえ!」)。

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.172 )
日時: 2016/08/22 12:20
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 ハリーが急降下していった直後、ハリーはスニッチをキャッチした——いや、飲み込んだ。その瞬間グリフィンドールの観客席はお祭り騒ぎと化し、リーは大喜びで「グリフィンドールの勝利!」と叫んだ。
 注意するマクゴナガル先生も、口許の緩みは隠せれていなかった。

 「私、スネイプのローブに火をつけたの」
 
 試合が終わり、誰もがハリーの周りに集まる中、四人は出来るだけ騒ぎから離れようとハグリッドの小屋でお茶を飲んでいた。
 そして、お茶を飲みながら、ハーマイオニーは期限が今日までの宿題が終わっていないような(これはライリーにとっては当たり前だが)顔をしてそう言った。ロンは「もっとやっちまえば良かったんだ」と叫ぶ。

 「ちょっとロン、貴方まさか、私が嫌がらせか何かでスネイプ先生のローブに火をつけたと思ってるんじゃないでしょうね?」
 「違うのかい?マーリンの髭!」
 「冗談もほどほどにしないと、私がスネイプのローブに掛けた魔法と同じものを貴方に掛ける事になってしまうけれど」

 ロンは再び「マーリンの髭!」と言ってからお茶を一気に飲み干した。それから、「まあいいや、早く事情を話してくれよ」等と言うので、ハーマイオニーに「貴方が余計な事を言うからよ」と言われてしまっていた。

 「呪いのかけ方、っていうのはね、案外勝手に見分けられるの。目を見開いて、瞬きせずに、相手から目を離さずに呪文を唱え続けるのよ」
 「つまりスネイプはハリーに呪いをかけてたんだ!」

 その途端、ハグリッドが大きなテーブルからガタッと立ち上がって——そのせいでライリーは思わずビクッとしてしまった——「そんな事ぁねえ、スネイプ先生だって立派な先生だ、んな事するわけねえだろ」と言った。

 「あら、でも証拠はあるわ!」
 「それはお前さんが見ただけだ」

 ハグリッドが怒った顔をし、ハーマイオニーがうろたえた瞬間、ハリーは何かを思いついた、閃いた顔をし、ライリーに「僕いい事思いついたぞ」と言い、ハグリッドに尋ねる——「ねえハグリッド、あの三頭犬って?」

 「フラッフィーがどうかしたか……な、何でお前さんがそんなこと知ってるんだ!?」
 「あの犬に名前があったのかい!?」
 「だってあいつは俺のペットだからな」
 「あれ、ペットって大きさじゃないよ!」
 「ロン黙ってて……ねえハグリッド、あの犬は何を守っているの?」
 「そ、そらぁ言えねえ!あれはダンブルドアとニコラス・フラメルの秘密の……あっ、忘れてくれ——頼む、もうお前さんたちは帰ってくれ!」
 
 ハーマイオニーはにやりと笑った——「ニコラス・フラメルね?きっとすごく有名な人よ!図書館に行けばすぐに見つかるはずだわ」