二次創作小説(紙ほか)
- Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.175 )
- 日時: 2016/08/22 12:53
- 名前: すず (ID: 3NNM32wR)
第二十七話 『スネイプ陰謀説』
「無いわ、無い……おかしいわ!私、きっと彼の本を読んだのに」
「君、入学してからちょっとで何冊もの本を読んだんだい?ほーら見ろよこれ、『眠ったガーガ』だ……ニコラス・フラメルなんて何処にもいないぞ」
「ええ、初めて杖に関する知識を習得した杖職人の、ね」
そんな風に四人は図書室で何日も何日もニコラス・フラメルについて話したが、関係がありそうな書籍に、ニコラス・フラメルの名前はなかった。
「名前を見つけたのよ、ぜーったいに……おかしいわ」
「君の記憶違いじゃないのかい?」
「もう、黙ってて」
ロンとハーマイオニーは喧嘩ばかりだったが、前とは違い険悪な雰囲気ではなかったので、ライリーはほっと安心した。……と言ってもライリーは全く調べることが出来なかったのだが。何せ、宿題が全く終わっていなかったので彼女は宿題三昧だったのだ。
「もう、宿題は早めにって私言ったじゃない!」
「うぅ……わかんないもん、この計算問題……頭を使うのって、嫌いなんだよなあ。ねえハリー、ここってどうやってやるの?」
「ライリー、君これくらいは分からなくっちゃ……」
兎に角、ライリーが探したってニコラス・フラメルは見つからなかっただろう——何せ、ハーマイオニーのかすかな記憶だけを頼りに探しているのだから。
「おっ、ライリーじゃないか」
「よっ、チビリー坊や!——あー、ミス大鍋、そんなに睨むなよ」
「何調べてんだよ?クィディッチ実況のコツ?俺に聞けよ」
ライリーが一所懸命宿題をし、それ以外の皆が一所懸命にニコラス・フラメルについて調べていると、双子とリーがやってきて、四人に声をかけた。ライリー以外の三人は慌てて本を隠し——と言ってもニコラス・フラメルについての本は一冊もなかったのだが——引き攣った笑みを浮かべた。
「は、はは……リ、リー、いつか教えてもらうよ」
「ソウダネー、今はあんまり興味ないよー」
「……さてはお前ら、何か隠してるな」
「貴方たち白白しすぎよ、此処は自然に!(と小声で)どうしたの、フレッド、ジョージ、リー?貴方たちも宿題かしら?それとも悪戯グッズに関する調べもの?——まさか、校則違反に関する——」
ハーマイオニーだけが自然な態度で三人に接し、つまらなさそうな顔をした三人は、ライリーのもとに向かった(きっとライリーならすぐにばらすと思ったんだろう)。案の定ライリーは、自然とはかけ離れた態度で三人に接する。
「宿題しなくっちゃ、宿題ッ、そうだ宿題だ!今は誰の声も耳には入らない!——あーっ、こんなところに三人がいるぞぉ……」