二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.184 )
日時: 2016/08/25 16:39
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第二十八話 校則違反のすゝめ

 「……まさか、結局何も収穫がないだなんて!」

 あの後、特に進展がないままに——あったといえばライリーが蛙チョコにハマってしまった事と、グリフィンドール中に劣等生がバレたくらいで——ハリー達はクリスマス休暇を迎えることとなった。

 「それにしてもライリーの奴、大体の授業で落書きしてるもんな。そりゃ成績も落ちるぜ——それに前の魔法薬学、なんだよあれ——僕ですらあれはミスらなかったぜ、君、前からそれなりに馬鹿だったけど、いつのまにそんなに馬鹿になったんだい?」
 「うーん、最初の方は何もしなくても授業にまあまあ着いていけたんだけど、最近内容が面倒臭くなってきて……」

 ライリーは頭を掻いて「へへっ」と力なく笑った。
 ハーマイオニーから授業の説明を受けていても、何処となく上の空だ——相当勉強に対するやる気がないらしい、と思ったハーマイオニーは、落第しない最低限の事だけを教える事を目標にした。逆に教えすぎたら頭に入らなくって、その方が落第してしまう危険性が高い。

 「でも君達、家に帰るんだろ?——ライリー、蛙チョコ集めれなくなっちゃうぜ」
 「さすがに戻るよ、だってずーっとおじさんに手紙出してないし」
 「……確かに、ライリーのおじさんってそういう事に煩いし」

 ハリーは納得したように頷いた。確かに、そろそろ帰らなくっちゃおじさんが寂しさで爆発してしまいそうだ——自分の叔父さんなら、絶対ないけど。
 バーノン叔父さんも、ペチュニア叔母さんも、ライリーのところの足元にも及ばないほど冷たい。確かに、自分の息子と疎遠だった妹夫婦の息子じゃ、待遇は違うのも当たり前だけど——どうして。

 「ちょっと貴方達、それよりもニコラス・フラメルよ!」
 「……ハーマイオニー、僕達図書室に何回行ったと……」
 「あのね、貴方達考えの幅が狭すぎよ。……『閲覧禁止の棚』は?」

 ハーマイオニーがしれっとワルな提案をする。ライリーもハリーもロンもあんぐりと口を開け、全員が全員同じ言葉を発した。
 まさか、ハーマイオニーが校則違反を勧めるなんて。

 「君、正気かい?」
 「正気よ。もう時間がないから荷物をまとめなくっちゃ……ライリー、貴方もよ」

 ハーマイオニーはライリーの手を引いて女子寮に向かう。そしてライリーはやはり、口をあんぐり開けたままハーマイオニーの横顔を見つめる。
 
 ——ま、まあ、柔軟な思考になったって事だよね。
 
 そう発想転換しようとするライリーだった。