二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.19 )
日時: 2016/07/30 21:22
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第五話 いざ、魔法界へ

 それからライリー達は、ハグリッドに連れられてダイアゴン横丁についた。ちなみに、おじさんとおばさんは、ダイアゴン横丁に着く前に入った、『漏れ鍋』というパブでバーテンダーと昔の思い出話でもするらしい。

 「さて、まずは金を取ってこんとな。『グリンゴッツ』へ行くぞ」とハグリッドが言った。そのとき、ライリーは魔法界に来るまでの不思議な体験を思い出していた——傘の先で三回叩くとゆがんだ壁、広がったアーチ——それから勿論、ハリーの事もだ。

 「ねえハリー」

 ライリーがそう話しかけると、ハリーは「なに?」と振り向いた。初めて会った時なんかは、自分の名前を言う時もどもっていて、握手をした時なんか顔が真っ赤っかだったのに——すっかり慣れたようだ。

 「ハリーって有名人だったんだね」

 ——それも、パブに入った時、パブ中の人がハリーをめがけてやって来る程の(そのおかげでライリーはすっかり揉みくちゃにされてしまった)。

 「でも僕、全然知らなかった。誰も教えてくれなかったんだ」

 そこで、ハリーの表情が少し曇った。

 「どうしたの、ハリー?」
 「ううん……僕のおじさんもおばさんも、それからいとこも、酷い奴ばっかりだったんだ。だから、魔法界に来れて、物凄く嬉しくって」

 それを聞いて、ライリーは少し意外だった。ライリーはあんな理由がなければ魔法界になんて行きたくなかったし、おじさんもおばさんも、とっても良い人だった。ママとパパの事を隠していたのも、ライリーを思いやるが故の行動だ。

 そんな風に不安がっていたライリーだが、

 「凄い——箒もいっぱいあって!これに乗って空を飛ぶんだね!」
 「見てハリー!とってもこのお菓子美味しそう!……ええっ、一個一ガリオン!?高いなぁ……」

 実際に魔法界に来て魔法を目の当たりにすると、そんな気持ちもすぐに薄れていき、それどころか「魔法界に全然悪い人いないなぁ」等と思っていた。これをおばさんやおじさんが見ると、驚くよりも納得するだろう。
 ライリーは少し——いや、かなり単純だ。

 「あっ!そういえばハグリッド、『グリンゴッツ』って何処?」
 「ああ、すまんすまん……お前さんたちがあんまりにも楽しそうだったんでな。あそこだ、目の前のでっけぇ建物だ」

 グリンゴッツは、小さな店が立ち並ぶ中でもひときわ高くそびえる真っ白な建物だった。さすが銀行だけあって綺麗なだけでなくて——なんだか威厳までも感じさせる建物だ。

 「ここは魔法界で一番安全な場所だ——勿論、ホグワーツの次にだがな」