二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.190 )
日時: 2016/08/25 16:40
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第二十九話 フレッドからのプレゼント

 「——アルバス・ダンブルドアの蛙チョコカード?」
 「ああ。それはとーっても、役に立つぞ……ほら、たとえばダンブルドアの交友関係とか、その、友人の——功績とか、作ったものとか」

 フレッドがもごもごとそう言った。ジョージとリー、それからハーマイオニーがニヤニヤとしてフレッドをつついている。フレッドは「馬鹿、つつくなよ」と言ってから、「でも、本当に欲しいのは当たらなかったし」と頭を掻いて笑った。

 「ありがとう、これ、一生大事にするよ。ダンブルドアって、出やすいらしいけど……私一枚も持ってなかったから」

 ライリーは輝くような笑みをフレッドに向け、荷物を急いで詰めてから、ハーマイオニーと部屋を出た——「貴方達、早く部屋でなさいよ……『変態』!」
 それから、汽車に乗りに出ると、ハリーとロンとフレッドとジョージ、それからリーとハグリッドが見送りに来てくれた。ハリーは本当に、とっても寂しそうだった。「僕のパパとママはルーマニアに行くんだ、チャーリー兄さんに会いに……ドラゴンの研究をしてるんだ」とロンは自慢げに言った。

 「馬鹿、チャーリーの事をお前が自慢すんなよ」
 「いいなあ、俺たちも行きたかったよ。ドラゴンなんてさ」
 「ドラゴンは本当にええもんだ……」
 「ああ、実況の参考になるかもしれないし」
 「それはないぜ、リー」

 それから汽車が出るぎりぎりまで話し合った後、二人は汽車に乗った。おばさん達に、また会えると思うととっても嬉しいけど、フレッド達と別れるのはとても寂しい。
 コンパートメントに二人は入った。それから、動き出した汽車の窓からライリーとハーマイオニーは、全員の顔が小っちゃくなって、見えなくなるまで手を振り続けた。

 「——ハリーってば、すっごく寂しそう」
 「そりゃ、友達が一気に減っちゃうんだもん」

 そう言いながらライリーは笑い——それから、「ヤバい、教科書全部忘れた!」と青ざめた顔で叫んだ。一方ハーマイオニーは真っ赤な顔で、「貴方、私をどれだけ怒らせれば気が済むのよ、もう!」と言った。

 「クリスマス休暇中、私の家に来る?電話番号を教えて、電話するから……そうしたら一緒に宿題出来るでしょ?」
 「うん!」

 ライリーはひそかにガッツポーズをする——魔法界で初めてできた女友達の家に遊びに行けるのだ。とっても嬉しい。お菓子でも持っていこうかな、などと頭を働かせていた。

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.191 )
日時: 2016/08/25 12:47
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 「スネイプなのかな、本当に」

 汽車から見える景色が、綺麗な森に変化しはじめた頃、ライリーはぼそっと呟いた。だって、大体怪しくない人が犯人だなんて、ミステリーの十八番だ。幾らミステリードラマでも小説でもないとして、あんなに態度に出すだろうか——くらいには思う、確かに魔法薬学の減点やら呪いやらは怪しいけれど。

 「当たり前よ、だってそれ以外に誰がいるの?」
 「うーん……まさかのダンブルドアとか、イタッ、冗談だよ」
 「ダンブルドア先生がそんな事するわけないでしょ」 
 「ダンブルドアのマスクを被った誰かとか!?」

 ライリーの発言に、ハーマイオニーは呆れたようにこう言った——「『例のあの人』が唯一恐れた魔法使い、それがダンブルドア先生よ?」確かに、そのダンブルドアが、自分の顔マスクを被った悪者にホグワーツを任せるとは思えない。だが、ライリーは更に噛みついた。

 「ほら、ダンブルドアが捕まって……」
 「無いわよ、戯言はやめなさい。大体そんな好き放題させるわけないでしょ?『マーリン勲章勲一等』に、『大魔法使い』、『魔法戦士隊長』、『最上級独立魔法使い』……」
 「うっわー、まさかダンブルドアが髭だったなんてね。しっかし、全部蛙チョコに書いてありそうだな——」

 そしてライリーは、手に握りしめたままの蛙チョコカードを読んでみる。確かに、ダンブルドアはかなり凄い人物らしい。——というか、蛙チョコカードという時点で凄いのだが——さっきハーマイオニーが言ったものだけでなく、他にも様々な称号がある。友人もすごい人らしい、『ニコラス・フラメル』と言って——

 「ハーマイオニー!」
 「何、まさかまた忘れ物……」
 「違うよ、ニコラス・フラメルがいたんだよ!ダンブルドア先生の蛙チョコカードに、ダンブルドア先生の友達で錬金術師だって!ニコラス・フラメルとは、『賢者の石』を作り出した錬金術師であるってさ。うわー、フレッドにお礼言わなくっちゃ、フレッドがくれたんだからさ」

 そう言ってライリーは、ダンブルドアの蛙チョコカードを見てふふっと笑った。勿論、フレッドが『スネイプ陰謀説』を知らない事くらいは分かっているだけに、運命を感じてしまう。

 「ほんっと、運命だなあ……」
 「『赤い糸』かしらね」
 「うん、やっぱりフレッド達とは良い友達になれそうだよ!」

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.192 )
日時: 2016/08/25 16:37
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 「『賢者の石』——思い出したわ!そう、不老不死の薬……スネイプも欲しがるはずね。あーあ、私ったらあの二人に全く違うところを探させちゃったみたい。校則違反がバレなかったらいいんだけど」 
 「ふ、不老不死!?」

 ライリーが驚いて叫んだとき、ちょうどコンパートメントの扉が開き、ドラコとその友人——ロン曰くゴリラ——が入ってきて、偉そうな顔で腕を組んだ。ドラコは別に、友達でもないんだけれど何となく放ってはおけない。

 「どうしたライリー、不老不死に興味でも持ったか?——あぁ、まず不老不死の意味がわかるかどうかすら不安だが……まだこんなマグル生まれと一緒にいるなんて。父上はアークロイド家をひじょうに重視していらっしゃるが、それは間違いだったと伝えるべきだ。何せマグル生まれとつるむ上に学業は最悪のドジで間抜けな女が今のアークロイドの姿だと」
 「……マルフィが来たわ」
 「……ハーマイオニー、まだそれ引きずってる?」

 相変わらずいけ好かないヤツ、と思いながらライリーはドラコを睨む。自分が侮辱されてるのは別にかまわない——侮辱と言うよりも完全に事実だ。だがハーマイオニーは何も悪くない、ただ生まれが魔法族じゃないだけだ。

 「そうだよ、これが今のアークロイドだよ。学業は最悪、ドジで間抜け。確かにそこは事実だから何も言わないけど、」
 「いやいや、事実って認めるのか!?い、いやまあ事実だが」
 「ハーマイオニーはすっごく良い子だよ。マグル生まれって言うのも事実だし、そのマグル生まれって言うのが悪い事ってわけでもないしさ。私がハーマイオニーと一緒にいるのも自然な事だよ」

 ライリーが腰に手を当ててドラコを見下ろすような体勢で(といっても身長的に不可能なのだが)そう言うと、ハーマイオニーは嬉しそうな表情をし、ドラコは反対にとても悔しそうな顔をした。

 「君は恥を知るべきだ、ライリー」
 「ドラコこそだよ。純血?って言うんだよね?そんなに偉いの?」 
 「ああ、勿論だ。マグル生まれなんかとは格が違う——格上の格上だ」
 「じゃあドラコは……」

 ライリーはまるで、決め台詞を言う様なドラマの主人公の表情で——つまりは最大の決め顔と決めポーズで——出来るだけ恰好をつけてこう言った。

 「格下の格下に負けるくらい、レベルが低いんだね——だって、頭脳面を見てみなよ。ハーマイオニーの足元にも及んでないし」