二次創作小説(紙ほか)
- Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.31 )
- 日時: 2016/07/31 11:44
- 名前: すず (ID: 3NNM32wR)
第十一話 ホグワーツ特急
「ハリー遅いなぁ……どうしよう、おじさん!ハリーが事件に巻き込まれてたりしたら……」
「そんな事ないだろ、多分」
「大丈夫よライリー、安心して。きっとここに来るまでにハグリッドが付き添いで来てるはずだから。大丈夫よもう、そんなに不安がって……」
「ハグリッドってそそっかしいぞ」
「もう!」
——安心できるはずが、むしろ不安になってしまった。
ライリーは不安を掻き消すように周りを見渡した。「きっとハリーはいるはずだ」と信じて。
「ご、ごめんライリー!」
「大丈夫だよハリー。それよりもハリーが無事でよかった」
「有難う。でも……間に合うかな?あっ、ライリーのおばさんとおじさん、初めまして、僕、ハリー・ポッターです」
ハリーが礼儀正しく挨拶をしたのでクレアおばさんはすっかり機嫌をよくして「ライリーをよろしくね、ハリー君」と言った。
だが反対に、ウィリアムおじさんは機嫌悪そうに「よろしく」と言ったのでハリーは少し驚いた顔をしていた。
「——絶対ライリーといい雰囲気だ」
「なによ貴方、どう見たってただの友達じゃない。それにライリーみたいな男の子っぽい女の子に恋なんてするわけないじゃない。大体つい最近まで『ライリーとハリー・ポッターって一緒に買い物に行ったんだろ?サイン貰えないかなあサイン。握手もしたいな』って言ってたのは誰?」
——僕、嫌われてはないんだ。
二人の会話を聞いて、ハリーは安心した。ライリーとは仲良くしたいし、そんなライリーのおじさんとおばさんとだって、勿論仲が悪くなりたいわけじゃない。
「あ、あの……『九と四分の三番線』って何処にあるんですか?」
「ああ。あれだよ、九番と十番に突進だ」
「はっ!?」
おじさんにあっさりとそう言われ、ライリーは「9」と「10」の白いプレートが付いた柱を見る。煉瓦作りの、如何にも固そうな柱だ。
——ぶつかったら痛いだろうなぁ……。
ライリーはそう思いながら、ハリーのほうを見た。ハリーも同じような顔でライリーを見つめ返してきた。
「おっ、モリーじゃないか!」
「モリー?久しぶりねモリー!私よ、クレア・ヘティングズ。——今はクレア・トーキーね。こっちは、」
「ええ久しぶりね、二人とも。それと……貴方がライリー・アークロイドちゃん?」