二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.33 )
日時: 2016/08/18 13:29
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 ライリーは、肩くらいまでの赤毛に、ずっしりとしたふくよかな体型の女の人をまじまじと見つめた。後ろには、子供らしき男の子達(それと小さな女の子が一人いた)が何人かいる。

 「はい、ライリー・アークロイドです」
 「——もう、アイリスを小さくしたみたいね、貴方って!とっても可愛いわ、きっと将来はアイリスみたいな美人になるわね……銀色の目はエドモンドで、それ以外は全部アイリス……ふわふわした金髪も、ちょっと男の子っぽい見た目も……」

 目に涙をたくさん浮かべた女の人は、それからライリーをぎゅっと抱きしめた。ライリーは驚いて思わずおばさんとおじさんを見ると、「俺たちの友達で、モリー・ウィーズリーさんだよ」と小さな声でおじさんが教えてくれた。

 「まっ、貴方猫を飼ってるの?」
 
 それからモリーさんは、ライリーから離れ、涙を拭きながら、モリーさんはライリーが押している、大きなカートの一番上に載っている猫籠——おばさんが日本の藁で編んだもの(しかも扉付き!)におじさんが魔法をかけて(ちなみにライリーは、おじさんが魔法を使う瞬間を初めて見た。真っすぐに伸びたかっこいい杖だった。)丈夫にしたものだ——を見てそう言った。

 「はい……えーと、名前はシュシュです、あの、えっと、女の子です」
 「シュシュ?可愛い名前ね。ウィリアムが考えたのね、洒落た名前が好きだから(実際にそうだったのでライリーはこくこくと頷いた。)……アイリスはミネットって猫を飼ってたわ、女の子、黒猫よ……エドモンドとウィリアムが一晩考えて付けた名前でね、ライリー貴方の名前は——」
 「えーと、もう結構な時間よ、モリー。もう行かなくっちゃ」
 「そうね、じゃあパーシーから行きなさい……」 

 そうして「パーシー」と呼ばれた赤毛の背の高いソバカスだらけの男の子が柱にもう突進していく。ライリーは思わず目を瞑り……暫くして少し開けたら——いない!痛がっているはずのパーシーはいなかった。

 「お、お嬢さん。怖がってるのかい、アレに?」
 「怖がってないよ、別に、あんなの」
 
 強がっていたのが分かったのか、同じく赤毛の男の子がくすくすと笑った。もう一人の、顔がそっくりの男の子もくすくすと笑って、「こっちの男の子も怖がってるみたいだ」とハリーを見た。

 「ちょっと、フレッド、ジョージ!何やってるの、早く行きなさい!」
 「いーや、俺たちはこのお嬢さんたちが行くのを見届けてから行くよ」
 「そうだ、この男の子が怖くなって泣き出すんじゃないか、不安でね」

 それを聞き、モリーさんは御免なさい、と言ってから二人にこう言った。「この子たち、絶対に譲らないのよ——ライリーも貴方も、この二人よりも先に行ってくれないかしら?」